OLポテサラ日記⑧
夏が近づいてくると、不安になる。その不安定で心もとなくふわふわした感じは、まるで予感していたみたいにじわじわと押し寄せてくる。毎年のことである。
それを、そういうバイオリズム(=心身の状態を表す身体・感情・知性の3つの波がもつ周期性)をもっている(かもしれない)と自分で自分のことを理解するまでにかなりの時間がかかってしまった。ここ数年は、夏に元気いっぱいだったためしがない。5月ごろからすでに秋を待っていて、どんどんエネルギーが吸いとられていくこの季節がいつからか苦手になってしまいました。
また、夏がやってくる。ポテトサラダをつくる元気などきっとどこにもなくなってしまうだろう(もうすでにほぼないから、なくなってしまうというか、完全消滅の危機)。
最近、また例のとおり漠然とした不安な気持ちが押し寄せてくる瞬間があって、特にこれといった理由やきっかけがあるわけではないのがまたややこしいのだけど、あぁ夏だなぁと思う。これまではずっと、必死に抗おうとしては失敗してきた。弱ってないで楽しいこと見つけて人と会って映画とか見て、そしたら気持ちも回復するよ〜と自分を鼓舞していた。
でも、もうそんなことしない。あーこりゃだめだーと思いながら、打ち合わせ予定がないこととToDoリストの締切日を再確認してパソコンを閉じる。ありがたい、私の働く会社はフルフレックスなのだ。
そんなこんなで、電車に乗っては喫茶店へ逃げ込み、気持ちのままにこの日記を書いている。平日のこの時間帯はおじいちゃんたちがたくさんいて、その人たちのこれまでの人生の時間を思うと不思議と安心するのだった。
文章を書くことは、客観的になることなんだなぁとあらためて思う。状況や気持ちを文字に起こすと、それらとちょっとした距離ができる。見つめるとか振り返るとか、それはまぁ元気があるときにするとして、とりあえず自分の中から一度出してみる。今の私が手軽にできること、それが文章にすることなのだと思った。
このあいだ、ある先輩が「暑いのは苦手だけど、1番好きな季節は夏なんよね〜」と話していました。なるほど、もしかしたら私が苦手なのも夏じゃなくて暑さのほうかもしれない。夏の、刺すような日差しやセミの声、蜃気楼、あの元気に楽しんでこうぜと言われている感じ(被害妄想)かもしれない。そう思ったら、夏のことをちょっとずつ好きになれそうな気がします。
新じゃがの時季は終わった。ポテトサラダの日持ち時間も短くなる。ポテサラにとっても、私にとっても、この夏はとってもあつい戦いが待っていそうである。
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