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子どもの食べる障害と食事支援相談室


はじめに(2024-10更新)

 このブログは子どもの食べることについて悩んでいらっしゃる方達に、何らかのお手伝いができればと思い立ち上げることにしました。子どもの食べることについてお困りのご家族や、子どもの食事支援を行っている教育、療育現場の方であればいつでもご相談ください。

●COI(利益相反)開示
このブログ作成およびその内容に関して資金援助はありません。また、利益相反関係にある企業もありません。

自己紹介

 私が子どもの摂食嚥下障害に関わるようになったのは1983年頃からで、今年(2023年)でちょうど40年になります。
 当時は食べる機能に障害を持つ脳性麻痺や知的障害の子どもたちを中心に勤務先の近くの通園施設で摂食外来を行っていました。そして障害児者関連施設や特別支援学校、栄養士・リハ関係などでの研修会や学会発表を通じて情報発信してきましたが、コロナ禍以後は研修会も中止になり情報提供の場がなくなってしまいました。
 そんなさなかに、東海地方にお住まいのある父親から私の勤務先に連絡が入りました。4歳のお子さんが急に食べられなくなり経管栄養になって入院することになったので、相談に乗って欲しいとのことでした。そこで、遠方でしかも新型コロナ感染症の問題もあったので、オンラインでお話を聞くことにしました。幸い約2か月後再び以前のように口から食べられるようになりました。
 子どもの食べることに関する支援活動は、前述したように、以前は食べる機能に何らかの障害を持っている子どもがほとんどでしたが、近年は食べる機能にはほとんど問題がないにも関わらず、食べることを嫌がるなど、例えば発達障害、早産低出生体重児や腎不全、脳腫瘍後遺症など健常児を含めた幅広い子どもたちが私の摂食外来に来院するようになりました。
 子どもの食べる問題を改善していくには、食事場面だけの対応では難しく、子どもの気質や性格、こだわりなどをしっかりと受け止めながら、子どもの生活の場すなわち親子関係や兄弟姉妹関係を始め幼稚園、保育園、通園施設、学校など周囲の人たちとの人間関係を踏まえて対処していくことが重要ではないかと考えています。

子どもの食べることについて悩んでおられる方

 子どもの食べることについての相談は、おおよそ2つに分けられます
①生まれた時から食べる機能に問題(飲み込み、噛まずに丸飲み込み、むせやすい)がある場合や、食べる機能にはあまり問題はなさそうだが、食べようとしない、偏食が著しい場合
(脳性麻痺、知的障害、自閉スペクトラム症など)
②生まれた時には食べることに何ら問題なかったが、食べることを強要されたことなどがきっかけで、急に嘔吐したり食べることを嫌がったりするようになってきた場合(食事恐怖症:主に健常児)
 この他にも経管依存症(生まれた時から経管栄養で、口から食べることに興味を示さない)や、反芻症(一度飲み込んだ食物を胃や食道から再び口に戻してモグモグ食べる)、食べ方のマナー問題(ハンバーガーなどを分解して食べたり、口に食物を詰め込み、頬張って食べるなど)があります。

 子どもの食べる問題は、たとえ同じ病名でも前述したようにその子の性格や家庭環境、通園施設などの環境の違いによっても対処法が異なるので、まずは下記にご相談ください。

食べることに関する相談・質問はこちらまでお願いします。

 (なお、相談・質問に対する費用負担は一切ありません)

摂食嚥下障害の臨床に関わっておられる方

 
<研修会・臨床資料>
 
これから子どもの摂食嚥下障害について勉強しようとする方や、既に臨床に携わっている方に参考になると思われる資料を掲載しますので、お読みください。

最近のトピック(一般向け)

新聞やウェブサイト上では多くの情報が溢れていますが、これらの中で子どもの食べる事や子育てに関して、私なりの見解を述べさせていただきます。

今後について

 このブログは現在まだ未完成の状態です。今後改善・内容追加をしていく予定です。また動画配信(YouTube)も予定しています。

略歴

1981年3月 東京歯科大学卒業
1981年4月 昭和大学歯学部小児歯科学教室
1983年4月 昭和大学歯学部口腔衛生学教室
1996年4月 心身障害児総合医療療育センター歯科
2013年5月 同センター定年退職
2013年6月~上記センターおよび北九州、茨木などで非常勤勤務

主な著書

1)  尾本和彦、小沢 浩編著:小児の摂食嚥下障害と食事支援、医歯薬出版、東京、2019
2) Omoto K., and Srinual C.: Basic approach to oromotor dysfunction (in English). Unseal Pediatric Rehabilitation. Faculty of medicine Siriraj hospital Mahidol university, p241-252, Bangkok, Thailand. 2018.
3)  才藤栄一、植田耕一郎監修:摂食嚥下リハビリテーション第3版、医歯薬出版、東京、2016
4)  岡田喜篤監修:新版 重症心身障害療育マニュアル、医歯薬出版、東京、2015
5)  伊藤公─他編:新版 家族のための歯と口の健康百科、医歯薬出版、東京、2013
6)  藤島一郎監修:疾患別に診る嚥下障害、医歯薬出版、東京、2012
7)  日本摂食・嚥下リハビリテーション学会編:第4分野摂食・嚥下リハビリテーションの介入 Ⅰ口腔ケア・間接訓練、医歯薬出版、東京、2011
8)  上月正博、芳賀信彦、生駒一憲編:先端医療シリーズ40 リハ医とコメディカルのための最新リハビリテーション医学、(株)寺田国際事務所/先端医療技術研究所、東京、2010
9)  日本肢体不自由児協会編:摂食障害-指導援助の実際-、日本肢体不自由児協会、東京、2010
10)  北住映二,尾本和彦,藤島一郎編:子どもの摂食・嚥下障害,永井書店,大阪,2007
11) 才藤栄一,向井美恵監修:摂食・嚥下リハビリテーション第2版,医歯薬出版,東京,2007
12) 鎌倉やよい,向井美恵編:訪問看護における摂食・嚥下リハビリテーション,医歯薬出版,東京,2007
13) 藤島一郎・藤谷順子編著:嚥下リハビリテーションと口腔ケア,メジカルフレンド社,東京,2006
14) 朝倉次男監修:重症心身障害児のトータルケア,へるす出版,東京,2006
15) 金子芳洋監修,尾本和彦編:障害児者の摂食・嚥下・呼吸リハビリテーション,医歯薬出版,東京,2005
16) 江草安彦監修:重症心身障害療育マニュアル第2版,医歯薬出版,東京,2005
17) 障害児の療育ハンドブック,日本肢体不自由児協会,東京,2004
18) 伊藤元信,笹沼澄子編:新編言語治療マニュアル,医歯薬出版,東京,2002
19) Q&A子どもの心身の発達と食事,芽ばえ社,東京,2000.
20) 江草安彦監修:重症心身障害療育マニュアル初版,医歯薬出版,東京,1998
21) 伊藤隆二編:養護訓練法ハンドブック,福村出版,東京,1989
22) 金子芳洋編:食べる機能の障害,医歯薬出版,東京,1987

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