距骨下関節の安定性機構について
こんにちは!理学療法士の野坂です!
今回は、足関節の中でも特に重要な関節となる「距骨下関節」の
安定化機構について記事にしていきます!
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距骨下関節とは
距骨(talus)と踵骨(calcaneus)にて構成させる関節。
主に回旋要素を担う関節であるとともに
前足部の構造(アライメント)に影響を及ぼす重要な関節であります。
ここでは距骨関節(subtalar joint:STJ)とします!
STJの構造や機能はまたの機会にお伝えします。
距骨下関節の安定化機構:筋?なのか、靱帯なのか?
距骨下関節は、丸状の踵骨に距骨が載るような構造になっており、
どちらかといえば不安定な構造となっています。
そのため障害リスクは必然的に上がることになります。
STJを安定させるのは動的であれば筋なのですが、実は距骨下関節(厳密にいうと距骨)に付着する筋は存在しません。
よって、静的安定機構である靱帯に安定性を頼らざるを得ないというわけです。
STJの靱帯による安定化機構:骨間距踵靱帯
少し話は脱線しますが、足関節捻挫で最も有名なのは
前距腓靱帯:Anterior talofibler ligament ATFLと
踵腓靱帯:calcaneusfibler Ligament CFL であります。
これが、内反+底屈 背屈で損傷されると言われています。
しかし、これはどちらも
腓骨から距骨、腓骨から踵骨につくため
距腿関節の安定性に関与すると考えられます。
STJを安定させるには、構成要素である距骨と踵骨を直接連結していることが条件となります。
まず、骨間距踵靱帯(ITCL)についてお話ししていきます。
骨間距踵靱帯(interosseous talocalcaneal ligament)とは
足根洞と呼ばれる場所に位置しており、距骨下関節のinversionを制動します。
STJの靱帯による安定化機構:頸靱帯
骨間距踵靱帯と同じように重要になってくるのが
頸靱帯といわれる靱帯であります。
頸靱帯(cervical ligament)とは
骨間距踵靱帯の前外側に位置します。
距骨頚部内側から踵骨背部に停止し、
距骨下関節のinversion(内返し)を制動します。
このあたりの解剖を理解、把握しておくことが重要です!
なぜここまで理解しないといけないか?
足部は、たくさんの骨、関節で構成されています。
そこで後足部に注目すると、
・距腿関節
・距骨下関節
という関節の理解がとても重要であるのは周知の事実。
足関節捻挫は多くの場合内反、内反+底屈 内反+背屈と
いくつかバリエーションがあります。
そこで、どこが損傷されたのか我々は評価しますが
その時に、どの組織が損傷されたのか?を正しく評価するには
解剖の知識が絶対必要だからです。
そして、前方引き出しテストや
内反テストを実施し、どの方向に不安定があるかを評価します。
これはあくまで
距腿関節の不安定性の評価です。
内反捻挫で損傷される靱帯は、ATFLやCFLのような
距腿関節に関与する靱帯だけでなく
ICTLやCLのように距骨下関節に関与する靱帯も
損傷を受けます。
距骨下関節は脛骨から荷重を受け、身体を支えます。
この関節が不安定になるということは、
身体が不安定になるということと同義です!!!
シェーマで表現するとこのような形で
不安定性を分けて考える必要があります。
上記の文献から引用させていただきました!!
足部はまだまだ認知されていないことや
他の関節に比較し、難しいと思われていることが多いですが、
知れば知るほどその素晴らしい構造と機能に
魅了されていきます。
最後に
今回も最後までご覧いただき、ありがとうございました!
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