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卒制M(1/14)

 武蔵美の卒業制作展を観て回ってきた。

 これ粘土なんだけど、質感の再現度が高すぎてみんなスルーしてて面白かった

作者の半生が渦巻状に記録されている。
生誕直後はひらがなばかりで構成され、この作品を思いついたところまで記録されている。

 木をレーザーカッターで切って作った文字を貼り、年輪を作り出している。これが今回一番「やられたー!」と思った作品。アイデアの面白さとビジュアルの説得力が高い。


 

少女漫画の「瞳」の描き方を時系列順に調査し、表現論的にまとめた研究。

 俺がアート畑じゃないのもあって、「絵」よりは「図」に感動してしまう。これは漫画を社会的情勢と絡めて語るのではなく、純粋に紙面から読み取れる描画表現を軸に語る「マンガ表現論」とのこと。

 こちらは前述の作品とは無関係なのだけども、テーマに類似性があったので一緒に紹介する。

 なんだかわかりますか?


 これ、萌えキャラ特有の瞳をマグカップとして立体化した作品なのだ。上の黄色いのはジト目。初めはなんだかわからずまじまじと眺めていたのだが、「少し離れてみてください」と書いてあったので指示通りにしたところ、瞬時に理解して笑ってしまった。
 これは俺にはできない発想だ。発想の飛距離が及ばないという意味ではなく、この「二次元の物体を立体化したら」とか、「これマグカップになりそうだな」とか、そういう触覚的な連想の仕方を俺はあまりしない、というか苦手だ。なのでそういうアプローチの作品を見ると脳の手付かずの部分を触れられたようで気持ちよくなる。多分サラリーマン山崎シゲルを読んだ時と同じ部位が活性化してると思う。

 

基礎デザイン学科の卒制

 やっぱり俺は基礎デザイン学科流の考え方が一番性に合うというか、普段考えてることに一番近いのは基礎デのそれだなと思う。

 

 石を切り、断面にモザイクのような模様を描くという作品。河原に置いて写真に収めるところまで含めての作品だな。

 平面を縫い合わせて球体にする野球のボールの方式で、様々な平面を球体にした作品。ブロック塀だったり横断歩道だったり。

 つまりこれはたこ焼きじゃなくてお好み焼きなのだろう。こういうアイデアとビジュアルでインパクトを出しつつ理屈づけした、大喜利的なアプローチが基礎デの持ち味だと思う。

 うわー気持ち悪い! すごい!
 これ恐らく、似たような画角の別の風景を重ね合わせているのだ。テクスチャバグのような光景をアナログな手段で引き起こしてて面白い。


 カードゲーム! こんなのも卒業制作になるのだ。
 この方は3種類も作っており、3つ合わせて一つの作品のようだ。
 最近こういう勝ち負けがないカードゲーム流行ってますよね。コミュニケーションツールとして設計されたゲーム。
 これらはそれぞれ「共感」「価値観の差異」「自己紹介」と明確にコミュニケーションの中身まで具体的に想定されていおり、プレイの巧拙がそもそも生まれないようにできていて非常に完成されていた。
 絶対売れると思うんだけど、こういう素晴らしいゲームをどうやって販売まで漕ぎ着けるかっていうのも考えたいなあ。YouTuberに遊んでもらうとかはいいかも?



 Kingyo Agora(きんぎょあごら)。金魚って捕鯨や愛玩動物ほど俎上に上がることはないけど、鑑賞目的の遺伝子組み換えだったり、食用だったりと実は生物倫理において格好のテーマだ。
 先日タクシー運転手がハトを轢いて逮捕された事件があったじゃないですか。あのときに我々の「ハト観」みたいなものが垣間見えた節があって、あれがネコだったら多分みんな運転手の処遇に納得したと思うんですよ。でも「法的にはハトって殺しちゃダメなんだ」「ハトくらいいいだろ」「いやイヌネコと同じく殺しちゃダメだよ」とみんなの中でのハトの位置づけの差異が明らかになった。
 だからこうやって金魚倫理とでも言うべきものについてみんなで語るって言うのはいいですよね。差異を知ることに意味がある。


 すいません! 書ききれないから残りは明日、日記とは別に出します!

 
 

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