1月第2週の週報 「魔界不適合者」
睡眠負債(最近友達が使いまくっていてかっこいいと思った言葉)が、溜まっている。16日に提出しなきゃならない課題があり、それに取り組まなきゃいけないので睡眠時間がゴリゴリ削れている。あと普通に友達と夜通し遊んだ。
まねきねこは素晴らしい。バイきんぐの単独ライブも観れるし。頭が回らなくなる深夜に丁度いいな。バイきんぐって。
まねきねこのフリータイムプランが「まふ」なのいつ観ても腑に落ちない。まふまふとは無関係。
Adoってもう「カルピス飲んだとき口になんか残るんですけどこれって私だけですか?」みたいなこと呟いてもバズるんだろうな。
シャニマスが凄いことをやっていたという話。
要約すると、MRライブ(声優ではなく、事前に収録されたキャラクター本人の立体映像がステージ上で歌ったり踊ったりする形式のライブ)が催され、そこで「舞台裏でアイドルが倒れたので急遽出演を見送る」という演出があった、というわけ。
私はこの「緋田美琴」さんの所属するデュオユニット「シーズ」のファンであり、相方の七草にちかさんと合わせて所謂箱推しである。私はライブをリアルタイムでは観ていないので、この一報はXで知った。
このポストを見た私は「ああ、美琴役の声優さんが出られなくなったんだな〜、残念だね〜…………
いやいや、MRライブなんだから、映像は事前収録されてるはず。
ってことは……? え、本人って本人!? 怖!!! 」
となった。
意図はすぐに理解できた。演出として、「出演者5人のうち一人が欠場する」、そして「それを他のメンバーはどう対処するのか?」という、ライブの形式をとった演劇だったのだ、これは(「シャニマス」ではなく「283プロダクション」名義でのライブだったのが伏線だったと言えなくもない)。
当然この演出は賛否両論だった。この四字熟語を持ち出すときは大抵「否」のニュアンスが強いが、今回は本当に両論だったように思う。
まずは「否」。演出上織り込み済みの欠場を観客に伝えていなかったのだから、美琴さん目当てでチケットを買って現地まで行った人が可哀想という意見。これは本当にそう。推しのライブを期待して来たのに、まさか登場しないなんて。しかもそれがトラブルではなく、事前に決まっていた欠場だなんて。気の毒だと思う。
しかし、この意見は実際にライブチケットを買って観覧した層からはあまり上がっていなかったように感じる。上記のポストを見た非ファン層からの否定意見が目立った。
そして「賛」。私はどちらかというとこっちだ。まず、美琴の欠場というトラブルに対しソロで奮闘したにちかの姿、それを見てにちかを少し認めたルカ、シーズとコメティック(ルカのユニット)のストーリーが非常に大きく動いたからだ。
また、MRライブという形式でしかできない挑戦を評価したい気持ちもある。MRライブの良さの一つは、失敗がないことだ。歌もダンスも、事前に調整した最高のものを安心安全に届けられる。
が、それは同時に退屈さも孕んでいる。ライブの良さである、その場で生まれる観客との一体感は大きく削られる。そこで、こうした演出を挟むことで、漫然と映像を観るだけの体験を回避した。会場に業務連絡が「誤放送」され、にちかの「美琴さん……!?」が聞こえた瞬間、観客の多くを作中世界に引き摺り込んだのだ。
体調不良による欠場なんて、声優ライブで人為的に起こしたら大問題だしね。実在しないキャラクターだからこそ、織り込み済みの「不測のトラブル」を演出できる。
今回の演出に対する主要な批判として、シャニマスあるある「実在性」というワードを引き合いに出して「アイドルが欠場するという実在性のためにライブ体験を犠牲にしている」というのがあるが、私はこの批判は半分的を外していると思う。
今回の演出が実在性を意図していることは間違いない。間違いないが、それは「アイドルが体調不良で欠場した」ことではなく、「欠場による、残りのメンバーの奮闘」だ。にちかがソロで曲目をやり切ったこと、そんな姿を見てルカがにちかに対する認識を少しばかり改めたこと、どれもそのアイドルの性格からして納得のいく結末であり、彼女らが生きた人間として、確かにそこに実在した感覚があった。本ライブでの一件が彼女らの人格に与えた影響は不可逆であるはずなので、今後のストーリーにも反映されていることを願う。
ここまで割と絶賛してるが、私も文句がないわけではない。シーズのストーリーはクリフハンガーの連続で、他のアイドルに比べギスギスというか、特ににちかに苦難が降りかかりそれを乗り越えてまた次の試練が……といった、キャラにとってストレスフルな展開が目立ち、そういったセンセーショナルさが2の世界の住人に半笑いで取り沙汰されがちなところがあった。私はそれが嫌だった。
それでも、ストーリーが更新されるたびにシーズの二人は少しずつ自身の抱える問題を解消して前進して、最近はすっかり明るい気持ちで二人を眺められるようになってきていたのだ。
だから、今更そういう「重さ」でオーディエンスを惹きつけようとしなくてもいいんじゃないの? 実際、楽曲とダンスの評価も高く、実力派ユニットとして(1の世界でも2の世界でも)名を上げていたんだから、もうちょっとシーズの(アイドルとしての)訴求力を信じてあげてよ、とは思った。
でもそういうことじゃないんですよね。今回の演出は決して「センセーショナルなことをして話題を集めよう」とかいう意図でなされたものではないのだ。描きたい展開のためには「MRライブという、キャラそのもののライブで」、「トラブルを起こす」必要があったというだけだ。俺はやりたいこととやってることが食い違ってる奴は大嫌いだが、意図を持って過ちを犯す奴は大好き。
総合して、「『不測の事態』を意図的に起こしたこと」は素晴らしい演出だったが、それが「『アイドルの一公演分の欠場』だったこと」は少なくない人数を傷つけた、ということになるだろう。
この点は商業的反省点として次回以降に生かすべきだろうが、今回の一件で「『283production』名義のライブは何かがあるぞ」という認識が広まったのは良いことだ。もし次に283プロ名義のライブがあれば(既に別ユニットでの次回公演が告知されている)、アイドルが歌って踊るだけのライブではないことが事前にわかり、今回のような揉め事を観客側が自発的に避けられるだろう。
次回のMRライブは予告映像からして事務所の顔的トリオユニット「イルミネーションスターズ」のものと思われるが、今回の経験を活かしてどんな演出をかましてくれるのか、今から楽しみ。