春季限定シャカシャカポテト事件(4/8)
これを言うのはもう何度目かわからないが、俺はシャカシャカポテトが苦手だ。
食べたくないという意味ではない。むしろめっちゃ食べたい。
でも、だ。男が店内でポテトの入った袋をガサガサ振っているところを想像してみてほしい。な? 笑えるだろ?
シャカシャカポテトを店内で拵えるという行為。欲を満たすために小刻みに動くあれは手淫のメタファーだ。
「ぼくちんはポテトに味をつけたいのら〜」と宣言するに等しい。「暴食」と「強欲」の大罪を2つ同時に犯している。
ガサガサガサガサ、品の無い音の発生源に衆人の冷たい視線が刺さる。
「見て奥様、あの男、シャカシャカポテトを食べようとしているわ」
「まあ! 愚の骨頂ね!」
心無い声が聞こえる。
「お母ちゃん、ポテトをシャカシャカしてる人がいるよう」
「大丈夫、すぐにいなくなるからね」
はは……まあ、当然の報いか。
「不要摇晃薯条」
「良いニュースと悪いニュースがあるんだ」
「じゃあ、悪いニュースからお願い」
「ジャパニーズナードがポテトをシェイクしていたんだ」
「ポテカスシャカシャカで草」
「ポテトをシャカシャカするようなやつだったとはね」
「男の子でしょ! ポテトをシャカシャカしないの!」
「逆になんでポテトをシャカシャカしていいと思ったの?」
「ポテトシャカシャカしますか、人間やめますか」
「ポテトをシャカシャカしようだなんておこがましいとは思わんかね……」
「僕からは1個だけ。ポテトを振るのをやめましょう」
「オイィィィィポテト振ってんじゃねェェェェェェ!!」
「なんだろう、ポテト振るのやめてもらっていいすか?」
「黙って聞いてりゃシャカシャカポテポテ……」
「NO MORE シャカシャカポテト」
「なんつーか一度ポテトをシャカシャカしたら、ポテトをシャカシャカするって選択肢が俺の生活に入り込む気がするんだ」
「ポテトをシャカシャカしてる男がいたんですよ〜」
「ストップ、シャカシャカポテト。 AC 公共広告機構」
「【閲覧注意】ポテトをシャカシャカした男の末路がヤバすぎる……」
「ポテトをシャカシャカしてるようじゃこの先心配」
「情けねーが、ポテトをシャカシャカする理由だけはどんなに筋道立てて説明されてもわからねーんだ」
「あまりポテトをシャカシャカするなよ 弱く見えるぞ」
「お前がポテトを振ってばかりいるので、サボテンは踊るのをやめてしまいました お前のせいです あ〜あ」
「どうして生まれてから大人になった時にポテトをシャカシャカしようと思ったんだろう?」
「お前がポテトをシャカシャカした今日は、昨日死んだ誰かが死ぬほど生きたかった今日なんだ」
「実はポテトってシャカシャカしない方がよくて」
「シャカシャカポテトは本格的に規制し、もしポテトをシャカシャカしたものに対しては容赦なく罰金 1 億、懲役 100 年 か死刑にすべきだ。」
「ポテトをシャカシャカしないよ
うにおねがいします」
「ポテトをシャカシャカするのをやめなさい、それはいつか運命になるから」
「フランス人はポテトを10回しか振らない」
「死にたい奴からポテトをシャカシャカしな」
「ポテトをシャカシャカする者にお前のオールを任せるな」
「なんでポテトすぐ振ってしまうん?」
「ポテトを振ると水牛に踏まれる(カメルーンのことわざ)」
あああああああああああああああああああ
結果、俺は早々に振るのをやめ、粉の混ざりきってない味の濃いポテトを食う羽目になるのだ。もう嫌だこんな世界。