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雑記〜住宅タイプの違いについて(木造編)
おはようございます。
こんにちは。
こんばんわ。
どうも皆様。某ハウスメーカー工務担当のNです。
今回はタイトル通りに住宅のタイプについて書かせて貰おうと思います。
で、住宅タイプとは、ですが、、、大別して書くと
①木造
②軽量鉄骨
③重量鉄骨
④鉄筋コンクリート
の4つです。
実を言うと、私の専門は①〜③で鉄筋コンクリートの住宅はほとんど担当した事はありません。
まぁ、ですから雑記、ですね。
と言う訳で、かるーく読んでいただければ嬉しいです。
木造について
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木造の家って良く聞くと思いますが、少しだけ深堀りすると
・木造軸組工法(在来工法)
・枠組壁工法
の2種類に大別されます。
木造軸組工法は日本古来から存在する工法で、寺社仏閣などの建築様式にもなっている工法です。
日本でもっとも使用されている工法で、ほとんどの人が大工さんと聞くとこの工法の職人さんを思い浮かべるかな、と思います。
もう一つが枠組壁工法、いわゆる2×4工法(
ツーバイフォー工法)と呼ばれる建築様式です。
こちらは、2×4材と言われる建材をメインに壁パネルを使って建築していく物で、使用する部材は厳密に規格管理されています。
①木造軸組工法
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いわゆる、在来工法とよばれる工法について少しだけ説明させてもらいますね。
まず、在来工法は名前から想像できる通り
『日本の気候に一番適した工法』
というのが一番端的で分かりやすい説明かもしれません。
先に挙げた通り、日本古来の工法で或る為に、ほとんど全ての工務店・ハウスメーカーで建築体制が整っているのが特徴ですね。
その為、各工務店・ハウスメーカーでシノギを削りあっており、非常に自由度の高い建築が可能である工法でもあります。
まぁ、裏を返せばどこの工務店でもリフォームできると言うメリットがあります。
まとめると
・日本の気候に適した工法
・どこの建築業者でも建築可能
・自由度の高い建築ができる
・リフォームが容易
が、代表的なメリットと言えます。
さて、そんな在来工法のデメリットですが、どこの建築業者でも施工可能なポピュラーな工法で或る為、業者によって品質にばらつきがあると言うのがあります。
と言うのも、在来工法は現地加工も非常に多く、木の品質についてもピンキリです。基本的には現場の職人さんが、材料の良し悪しを見極めて使う部位を選定します。ですから、その職人さんの技術力によって品質にばらつきが生じてしまいます。
(ここだけの話、私の知る限り在来工法で完璧な施工が出来るほどに腕の良い職人さんはどんどん減ってきています。技術継承問題は年々深刻化してきており、職人になりたがる方も減少してますからね、、、)
また、使用する木材の量も非常に多くなりますので、材料コストが高いというのもデメリットになるでしょうし、木材の加工や使う部位によって工程が複雑化してしまう為、工期自体も長くなる可能性があるというのもデメリットと言えるでしょう。
そして、一番のデメリットですが、工期が長期化し易く、材料費も高くなりやすいので、全体的な建築コスト自体を高めに設定している工務店が多いと言う点があります。
まとめると
・品質が安定しない
・材料コストが高い
・工期が長くなりやすい
・建築コストが割高の傾向
上記が代表的なデメリットとなります。
もっとも、費用については使用する材木の種類を変える事で抑える事も可能ですので、しっかりした供給元を持っている工務店は、思った程に費用が掛からなかったりもします。
ただ、中には初期見積りを安く出して、追加費用という形で費用を取っていく工務店もありますので注意が必要です。
②枠組壁工法
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いわゆる2×4工法と呼ばれる工法について説明していきます。
こちらの工法は在来工法に比べると比較的安定した品質と費用、短工期というメリットがあります。
というのも、非常に簡単に説明すれば枠組壁工法は名前の通り、木材で『パネル』を作り、それを組み立てていく事で建築する工法になります。
そして、その使われる木材はJIS(日本産業規格)やJAS(日本農林規格)といった国家規格で厳格に管理された材料を使用しますので、材料による品質に大きな違いはありません。
規格化された材料を使用するので、現場での加工も容易であり、工期自体も安定している為、比較的短工期で完成する訳です。
また、在来工法と比べると、構造が面での構造の為、耐震性に優れているというメリットもあります。
ざっくりとまとめると
・国家規格に適合した品質
・指定材料の為、材料コストが一定
・短い工期
・耐震性に優れている
以上が代表的なメリットになります。
他にも遮音性や断熱性能の違いがありますが、こちらについては使用する材料でかなりの違いがでますので割愛します。
実際、枠組壁工法は在来工法に比べると全体的にメリットが多いと思われますが、デメリットも多くあります。
代表的なデメリットとしては、間取りの自由度の低さとリフォームが難しいというものがあります。
少し深掘りしますが、在来工法は『柱』と『梁』による構造をしていますが、枠組壁工法は先に挙げた様にパネルを構造体として利用します。
つまり、柱や梁が無い代わりに『壁』が構造体になる訳ですね。
で、構造体というのは簡単に説明すると、家の根幹であり、変えることのできない重要な部分になります。下手に触ると家が倒壊したり、耐震性が失われたりと重大な事故につながる部位です。
ですので、例えば大きな一つの部屋にしたいと考えても枠組壁工法では、耐震性の確保の為そこに壁が必要になると言った事が起こり、思った通りの間取りにはできない可能性が高くなる訳です。
また、リフォームをする際も同様で在来工法では容易にできたリフォームも枠組壁工法ではできないと言われる可能性もあります。
当初設計から変更しなければ問題ない様に思えますが、未来のことを完璧に予知できる人が存在しない為、数年から十数年後に問題になるケースがあります。
また、自宅を売却する際も安くなる傾向があり、中々売れないと言う問題もあります。
それ以外にも、規格管理された材料の為、材料費が高くならない代わりに安くもならないと言う点も一つのデメリットになります。
まとめると
・在来工法に比べて間取りの自由度が低い
・リフォームが難しい
・売却時に安くなり易い
・安価な材料への変更はできない
上記が代表的なデメリットになります。
③木造についてーまとめー
凄く簡潔に書きましたが、他にも細かなメリット・デメリットが存在します。構造的な部分について詳しく知りたい方は、私の雑記よりもネットの方にわかりやすく丁寧に書かれていますので、そちらを検索してみて下さい。
最後になりますが、木造だけに関わらず、どの工法にもメリット・デメリットが存在します。
建築に携わる身としては、どの工法を選択するにしろメリット、デメリットを知った上でどんな建物にするか検討していただきたいな、と常々思います。
偶に営業トークでメリットばかりを強調する人がいますが、デメリットを知った上でどう対処していくかが、工務店・ハウスメーカーの肝じゃないかな、と口を挟みたくなります。
ただ、私の所属している工務店で枠組壁工法は採用していないので、在来工法のデメリット解消をご提案するしかないのですけどね。
あ、ちなみに、枠組壁工法は北米産の工法ですが、地震大国の我が国と非常に相性の良い工法だそうです。地震による直接の倒壊はほぼ皆無とのデータもある様ですので、そちらも気になる方は調べてみてください。
以上、ここまで読んでいただきありがとうございます。
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それでは、また!