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ハイバイ公演『て』(観劇日記)
ハイバイを代表する作品『て』
富山市にあるオーバードホールの中ホールで上演されるということで観に行ってきました。
初演(調べたら2008年だって)の下北沢駅前劇場での公演をみていて胸糞悪かったので(そりゃそう!
私は家族への憎しみを大切に大切にとっておいていた時期ですわ)なんとなく娘が観て胸糞悪かったら申し訳ないなって思って、いつも観劇はほぼ一緒に(R指定ないものは大概一緒に観に行っている)のに、晩御飯の支度して、さあ、お母さんはそろそろ電車に乗って演劇を観にきますって言ったら半泣きになる娘。
「1人で観にいくのズルい。」
「私も観に行きたい!」
じゃあ、当日券で観にいくか、
全席指定だから、お母さんと隣り合わせで観れないよ?途中おしっことか無理だからね、最初にお手洗いには行ってねとか話しながら、劇場へ。
小2女子には難しいかろう&深刻すぎだろうと私が勝手に思っていただけだった。
娘は「面白かった!」とのこと。
母と遠い席になってしまっても、ちゃんと演劇をみれた娘えらい!
カーテンコールの時に、娘の方を観たら、とってもお姉さんの顔で拍手していた。成長したね。
娘にとって家族って割りと平和な印象っぽい(よかった!!!)
「こんな家族もいるんだねー」てな具合に「物語」としてちゃんと楽しめたみたい。
アニメもドラマも映画も雑食になんでもみる稀有な小2女児なので観劇前に大倉孝二さんが出演することを把握して観に行ったのだけど、
私も娘もシリアスな役を演じる大倉孝二さんを初めて観て(一瞬だけコミカルなセリフあった)
娘は「最初違う人かと思った。声も低くしてた気がする。」と演技の分析までしててこれは将来が楽しみ(親バカ)
…ここまで書いて、観劇というか、娘とのおでかけ日記になってしまった。
もうすこし作品について書こう。
17年ぶりに同じ演出家の同じ演目を観るって初めての体験だった。
古典の演目を違う演出家が演出するとかみたことあるかもだけど、同じ演出家ってのはなかなかない。
当たり前だけど、17年ぶりにみると感じることがかわっていた。
冒頭にも書いたけど、初演はとにかく胸糞悪かった。家族の喧嘩のぐちゃぐちゃしたものを観る余裕が2008年当時の私にはあんまりなかった。
今回は、ザワザワせず観れたのは、私の中で両親に対する憎しみや怒りが昇華されたからだと思う。
ただ今回、登場人物としては「母親」が一番ヤバいなあ。めちゃムカつくなこの母親。ふざけやがってって思ったな、笑
「長女」も結構ヤバいなーって。
逆に、「長男」「次男」かわいそうだなーって思った!
たぶん、観る人によって全然感想違うと思います。登場人物に対して、ムカついた人いたら誰か教えて欲しいな。語り合いたい。
昇華したと思ってたけど、私はまだ自分の「母親」を許してないってことなのかもなと今、感想を書いてて思った。
そういう指標にもなる演劇なんだなーと思った。名作ってそうだよね。いろんな指標になりえる。
母親に対してムカつきすぎなかったのって、演じてたのが男性だったからかも。
「演劇」っていう道具を利用して、岩井さんの書く戯曲の母親役は男性が演じることが多い。ブレヒトの方法論である異化効果を狙って〜とか言ってる時あった気がする(違ったらすみません🙏)
いやーでも、どこまで演出の意図かはわからないけど、母親を女性が演じてたら、生々しすぎて観てられなかったかもな。小松和重さんの母親役、すてきだった。
よいものを観れました。
なんだけど、
演劇の悲しいところ。富山で観れるのは、明日の13時の回のみ。
というわけで一生懸命感想書いてみたけど、
これ読んで観に行きたい!って思って、9日(もうほぼ9日の時間帯ですよ)ど平日の13時に観に行ける人いるかな。
タイミング良く観に行ける人がいたら観に行ってみて。
当日券は1時間前から発券されるみたいですよ。