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自作3Dスキャナーを作る(校正&物体スキャン編)
キャリブレーションをして精度の高い3Dモデルを作る
前回からのつづき。3Dスキャナーの組み立てが完成してスキャンしてみたらめちゃくちゃな3Dモデルができてしまったので、きちんとキャリブレーションをする話。
レーザー位置のキャリブレーション
この3Dスキャナーは二本のラインレーザーとカメラを用いているが、それぞれの位置を最初に正確に調整することが必要。前回も紹介したこのソフトウェアプログラムはかなりよくできていて、ブラウザ経由でキャリブレーションが容易になるようなガイドを出してくれる。
キャリブレーション用オブジェクトを回転台に載せる。カメラ位置は高さ、角度をガイドに従って調整。3Dプリンターで印刷した筐体が固く調整に手こずるもなんとかOK。
3Dスキャナーのキャリブレーションをやってみる。まずはカメラ位置の調整。 pic.twitter.com/u1yZp9sYz0
— Koki Mitsunami (@KMitsunami) September 5, 2020
次はそれぞれのレーザーの照射位置を調整する。基準位置がキャリブレーション用オブジェクトの中心かつ垂直に照射するように調整。
次はレーザーのキャリブレーション。まずは右レーザー。 pic.twitter.com/aNFSfLkXav
— Koki Mitsunami (@KMitsunami) September 5, 2020
次は左。最後に両レーザーで再確認。 pic.twitter.com/VxjWp6urJK
— Koki Mitsunami (@KMitsunami) September 5, 2020
レーザー閾値の設定
カメラとレーザーの物理的な位置調整が完了したら、次は画像処理のパラメータ調整。この3Dスキャナーは、物体に照射された赤レーザーをカメラで撮影して、簡単な画像処理でレーザー位置を抽出する。そのレーザーの位置をきれいに抽出するためのパラメータをここではレーザーしきい値と呼んでおり、二値化する画像のピクセル値に相当する。
そしてレーザーしきい値の設定。模型の黒の部分の画素値が低すぎてレーザラインがうまく検出できていない。 pic.twitter.com/EGj7IJxcEE
— Koki Mitsunami (@KMitsunami) September 5, 2020
うーん、しきい値下げてもあまり改善せず。やっぱり黒い物体はレーザーでスキャンするには相性が悪いか。 pic.twitter.com/5R5K1TjW66
— Koki Mitsunami (@KMitsunami) September 5, 2020
いざ3Dスキャン
すべての調整が完了したところでいざ3Dスキャン!
3Dスキャナーのキャリブレーションがひとまず完了したのでスキャンしてみた。
— Koki Mitsunami (@KMitsunami) September 5, 2020
右レーザー照射、左レーザー照射、回転、…の繰り返し。360度回転するのに約10分。動画は20倍速。 pic.twitter.com/Ov8rZ4qUhy
ブラウザ上でスキャン経過を確認しながら過ごす。対象物はSt Paul's Cathedralの紙模型。
— Koki Mitsunami (@KMitsunami) September 5, 2020
一方向からの回転している物体をスキャンしているので台に水平な面は測定できない。また、模型の長辺はスキャナーの構造上モデルが荒くなりがち。案外、黒の部分も測定できてる? pic.twitter.com/CgGu56en6Y
スキャン完了。スキャナー構造や原理上、粗さが目立つ部分も多い。けど距離推定精度はなかなか良いのでは。
— Koki Mitsunami (@KMitsunami) September 5, 2020
次は違う対象物で試してみよう。 pic.twitter.com/HOClpuXDez
うぇーい、3Dモデルができたー。モデルの欠損はあるもののここまでスタートから二週間ちょっと。満足感。
最後に本物とモデルとの比較。
— Koki Mitsunami (@KMitsunami) September 5, 2020
ひとまず3Dスキャナーが完成した達成感。なんか色々改善したいし今後色々いじってみよう。そして3Dプリンターで印刷してみよう。
3Dプリンターで作った3Dスキャナーで3Dモデルを作り、それを3Dプリンターで印刷するという自己増殖感。 pic.twitter.com/mgsAjnmvD2
いろいろスキャンしてみた
さっそく家にあるもので色々ためしてみた。
自作3Dスキャナーで色々スキャンしてみた。どれも完璧とは程遠いが、今後加工整形してみようと思う。 pic.twitter.com/2iaR8JJDqt
— Koki Mitsunami (@KMitsunami) September 5, 2020
テクスチャが荒くなっちゃうのは仕方ないのかな? pic.twitter.com/jrDgNaDpYR
— Koki Mitsunami (@KMitsunami) September 5, 2020
まだまだ改善点はあるけれど
今回、3Dスキャナーを組み立ててみてとても勉強になった。改善点としては、撮影時間の短縮とか3Dモデルの高精度化とか、スキャン後のモデル加工整形かな。また時間があるときに改善してみたいけど。。今はiPhone12にLidarが載る時代なのでせっかくならそっちの方も試してみたい。ということで今回はここまで。