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女房という漢字にカチンときた訳「謎の1セント硬貨」向井万起男著 から生まれたエッセイ

向井万起男氏って何者なんだろうかと、おもむろに裏表紙に目をやる。ほー、女性宇宙飛行士向井千秋さんの夫さんなんだ。俄然読む気が湧いてきた。
あれ、目次には「謎の1セント硬貨」の項がない。
せうか、「はじめに」のタイトルなのか。その「はじめに」だけで、すっかり読み終えた気分になりながらもページをめくる。
スチュワーデスって書いてある。キャビンアテンダントやCAではなく、スチュワーデスだ。
この本はいつ発行されたのかと、また裏表紙に目をやる。2004年初版。その頃はまだスチュワーデスだったのか、「スチュワーデス いつまで」と検索してみると、1996年には廃止とある。この話の当時はいつなんだろうか。今度は「向井千秋」で検索してみる。1994年と1998年にスペースシャトルに搭乗か、それならスチュワーデスでもかまわないか。
読み初めから、ひっかかる単語があり、遂に、その単語の羅列に私の何かがバチンと弾けた。
その単語とは「女房」である。
16ページ中に41回使われていた。女房は一回で、あとは「彼女」で良いではないか。
この「ニョウボウ」が、頭中をこだまし始めてまもなくバチンと弾け、パタンと本を閉じ、ボンっと放り投げたのだ。
女に房って書いて女房だ。
「「女房」とは、一人住みの「房」、すなわち部屋を与えられ、宮中や貴族の屋敷に仕えた女性のことです。‥‥。女房の主たる役割は、自分の仕える主人が、天皇に寵愛されたり、男性貴族たちに信頼されたりするように努めることであったからです。」教育出版出
私の想像を超えていた。
天皇や男性貴族に寵愛される立場なら、一歩譲って納得しよう。しかし、寵愛を受ける姫に仕える女官!!屋敷に仕える女性!!
歴史のどこで、女房=妻となったのか。
この先「女房」という単語のシャワーを受け続けては、こちらの神経が病みそうだ。
著者向井万起男氏には申し訳ないが、この辺でよかろうか。

*意図
文章塾の課題として書いたエッセイで、字数が800字と制限があります。
ツラツラと書き綴って、こんなもんかなと筆を置いたら1300字を超えていました。
800字にあたふたしていた頃もあったに、知らず知らずのうちに書けるようになっているものです。
「1セント」の部分を削ぎ取り導入に、「スチュワーデス」の部分を縮小し、「女房」をメインになるように、ホップステップジャンプを狙いましたが、「女房」だけに絞れば良かったかとも思います。

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