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ポケモンと生きることにした

理由は2つある。


●NEWポケモンスナップの登場


私はルビサファ世代なので、今のポケモンをほとんど知らない。
少し前、64で夢中になってプレイしていた『ポケモンスナップ』のリメイク
『NEWポケモンスナップ』が発売したので、早速プレイした。
なじみのあるアイテムやキャラクターに加えて、もちろん新しいポケモンが増えていた。

上の画像。
チョンチーは世代なので分かったが透明なイカのポケモンがわからない。
サイコキネシスのわざが出ているからエスパータイプなのだろうか。
サイコキネシスって水中でも使えるんだ。水中だと水がうねるのか、
チョンチーの目が歪んで見えるのがおもしろい。
イカポケモン、君がいなかったら見られなかった景色だよ。

画像はすべて私が撮影したものです

このポケモンもよくわからないけど、夜になるととても綺麗に光ってくれる。写真をたくさん撮った。
名前は分からないけど、どんなポケモンもゲームの中でそれぞれに輝いていた。なんかいる!と思いながら写真を撮るのが楽しい。

そう思いながら撮った写真を20~30代の人たちに見せるといつもこう返ってくる。
「初代しか知らない」「変なポケモンばっかり」「最近のポケモンはデザインが全然違ってポケモンって感じがしない」「何この変なの」「やっぱり初代だよね」「初代しかポケモンじゃない」。
そして思った。私もこの人たちと同じことを思おうとしているのだと。
自分の知っているものがわからなくなったとき、未知ではなく脅威として
とらえて糾弾しようとしていると。
そうして自分の安心を守らなければ、と思っていると。
本当はさみしいのだ。思い出が姿を変えて未知になっていくことが。



●アニメ『ポケモンXY』


自分が未知を恐れていると気がついたとき、ふと思い出した。
ポケモンXYの作画が綺麗だとXで話題になっていたこと。
少し調べてみたらポケモンスナップに出てくるポケモンたちがたくさんいるようだ。
運命だと思ったのでアマプラで観てみることにした。
ポケモンのアニメなんて2002年のアドバンスジェネレーション以来だ。
1話の冒頭で私はすぐに気がつく。

サトシは未知の町、未知のポケモンに出会うことに
ワクワクしている……

何このポケモン、変なデザイン、初代しかポケモンじゃない、
私たち大人は平気で君たちをなじった。
サトシは、「見たことないポケモンだ!」「ほのおタイプなんだ!」とワクワクしている。
ポケモンがいる世界で、何年も何人とも旅をし続けている本人が。
XYではメガシンカという概念も登場する。
私も最初に聞いたときは、何それ?と言って笑ってしまった。
笑ってしまったのだ。

サトシは言った。
「そんなポケモンの進化があるんだ!楽しみだなぁ~!!」


君はどうしてそんな風にいられる?
きみがいちばんポケモンのことを知っているでしょう。
メガシンカなんておかしいでしょう。
フェアリータイプなんてなかったでしょう。
こちらに来て一緒にばかにしようよ。
君はどうしてそんな風にいられる?


ポケモンが好きな大人たちより、誰よりも、
サトシはポケモンが好きなんだ。
きみのまっすぐな目を見る。
私はきみが羨ましいよ。

いま37話まで見た。
いつも負けてしまうのにルーティーンを曲げない、自分の美学を持っているポケモン、それを笑わないトレーナーたち、誰かの悲しむ顔を見ると勝手に飛び出して闘いにいってしまうポケモン、綺麗好きなのにトレーナーのピンチに水辺へ飛び出していき、泥だらけで闘うポケモン。
小さい身体をばかにされ、それでも闘いに挑んで、相手にとどめの炎で身体を焼かれながら、ぎゅっと瞑って耐えていた目をゆっくりと開き、光を放ち、進化したポケモン。
私が想像していたよりもずっと意志を持つポケモンたち。
感動する私の隣で、まるではじめからポケモンのことを信じていたかのようにしっかりと頷くトレーナー。
ポケモンのことを愛している君たち、
もうポケモンのことしか見えていない君たち。

そして妻の「やっぱり初代だなぁポケモンは」で現実に引き戻される私。

私がたくさん話をしても、周りの大人たちはこの前と同じ場所に止まっている。「でもなぁやっぱり初代だよね」「151匹のときしか知らないからさぁ」「デザインがポケモンって感じがしなくて」「……………………

心は決まった。


私、ポケモンと生きよう。と思った。
誰にわかってもらえなくていい。
私もそうだったから。
未知を楽しもう。
冒険に出よう。
君と行くよ。
私も。


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