コロンビアで鳩とバトルした話【前田家の世界一周】
12月2日、朝6時15分。悪夢のような日が始まりました。
いや、今思えば悪夢は到着した時から始まっていたのかもしれません。
1日目:はじまり
12月1日の夕方5時頃に、コロンビアの第2の都市といわれているメデジンにあるAirbnbに到着しました。
ゲート付きの家の前にスーツケースを持ってきて、チャイムを押してみます。誰も出てきません。ここでチェックインをするはずが、ホストから必要な情報が送られてきていませんでした。
AirbnbとWhatsappのチャット上で連絡を取ると、「Airbnbのチャットで送ったよ」とのこと。明らかに送られていないので、Whatsappで電話をかけますが出てくれません。
明らかに酔っ払った近所のおっさんにダル絡みされながら、ホストからの連絡を待ちます。20分くらい経ち「今Airbnbのチャットへ送った」と。
遅え(怒)。
移動日はただでさえ大変なのに、とにかくしんどいチェックインだなと思いつつ、建物に入ります。
私たちの部屋は201号室でした。今回のAirbnbは2階建ての1軒家の中に部屋が10室ほどあるアパートスタイル。階段を上がり1番左にある角部屋です。
部屋に入り荷物を片付けた後、Wi-Fiに繋いでみます。夫をノマドに持ち、私もネット民なので、早いインターネットは必須です。予約する前にホストから「30Mbpsアップロード、300 Mbpsダウンロード」と説明があり安心していていたのですが、実際に繋いでみると「7Mbps アップロード、13Mbps ダウンロード」。
…え、大分違くない?
多少のズレはよくある話だと思いますが、こればっかりは話が違うのでは?と思いつつ、一旦受け入れることにしました。
ここ、色々と面倒だな。早く寝よう。イライラする時って睡眠が足りていない時なので、とにかく寝ることにしました。
2日目:まさかの騒音
12月2日、深夜2時半頃。ふと目が覚めました。どこからともなく、女性の歌声が聞こえてきます。これは夢なのか?何回も目を閉じようとしますが、その歌は消えては始まり、消えては始まりをしています。しかも、1人ではない。きっとこれは同じ建物にいる他の滞在者だ。
私は、いつも耳栓をつけて寝ています。それを突き抜ける歌声が小1時間続き「勘弁してくれ」と思いつつ、とにかく疲れていたので体も動きません。目を必死に閉じて、呼吸を深くして何とか寝るように歌声をシャットアウトしました。結局その人たちが寝るまで寝れなかったんですが。
朝6時15分。屋根から聞こえるバタバタという音で目が覚めます。小動物が走り抜けるような音がしました。一瞬、地震?と思いましたが、別に揺れ底はいません。その後、頭上の壁から音が聞こえ始めました。
「ホー、ホー、ホー」
この音がその後ずっと続きます。そしてバサバサッ、ドタドタッという音。これ、鳩だな。朝だから仕方がないか、とノイズに理由をつけようとします。たまたま屋根の上にいた鳩だろうと思っていましたが、鳴き声は止まりません。
6時半、夫に声を掛けました。「この音、鳩だよね?」私だけに聞こえていると思っていましたが、昨日の歌声ふくめ夫も聞こえていました。
日中は部屋で作業をしていることが多いのですが、その日は壁からずーーーーーーーーーっと「ホー、ホー、ホー」が聞こえてきます。夕方5時まで、ずっとです。
朝の鳩音、隣人の歌声、Wi-Fiの速度に関して、この日の朝にホストへ連絡を入れましたが、特に解決はしませんでした。
隣人は一過性のものかもしれないし、Wi-Fiも受け入れられる。だけど、鳩音に関しては、ちょっときつい。まさか毎日こうじゃないよな。心臓バクバクになりながら、その日も眠りにつきました。
3日目:これは、住み着いている
12月3日、朝6時半。屋根の音と鳩の鳴き声で目が覚めました。鳩は住み着いている。そう確信しました。
あいつらの居場所を特定しないといけない。そう思い、家の外に出て写真を撮ろうとします。屋根から覗かせる顔以外、住処の場所は見えません。しかし聞こえる足音と声。どこにいるかわからない敵と戦うために知恵を振り絞りました。
そうだ。目には目を。騒音には騒音を。
これまでの経験上、鳩ギャングが1番アクティブなのは朝です。夕方にかけて落ち着いていくので、対策を取るのであれば明日の朝だ。夫は、鷹の鳴き声が鳴り続ける動画と、高周波音が流れる動画をダウンロードし、明日の朝に備えました。私は、鳩に起こされるのが嫌なので、鳩よりも早く起きてやろうと思い、6時ぴったりに目覚ましをかけ、寝ることにしました。
この日も、相変わらずホストからは特に解決策は出されませんでした。部屋を変えてもらうなどの対策を練ってもらえないのであれば、新しい物件に移ろうと決めていました。それくらいストレスでした。
移動するにしても、この部屋に事前にお金を支払っているので、なんとか返金などしてもらえないか、Airbnbと協議をしていました。Airbnbのカスタマーサポートと連日のチャットのやり取りを通して、騒音の証拠の提出、ホストとのやり取りの提出、また時系列の整理など進めていました。騒音の証拠を撮るために、朝6時に真っ暗な部屋で夫と2人で壁に向けてスマホを向けていたので、今考えるとジワります。
4日目:やられたら、やり返す
12月4日、朝6時。夫と私は鳩より若干早く目を覚まし準備を始めます。夫は、前日にダウンロードをしていたYouTubeの音源を準備。私は、仮に新しい証拠を求められた際のために、携帯の録音ボタンを準備しました。
鳩が動き始める6時15分頃、夫はスマホを壁に向けました。そう、まるで映画「Say Anything」のジョン・キューザックのように。
ガサガサ、ドタドタ。ホー、ホー、ホー。
ホー。
。。。
あっ!少し止まった!戸惑っている!!!
そりゃそうだ!メデジンの街中に鷹はいないから!
その瞬間、勝った気分になりました。でも自然の動物ってすごいですね。1分後にはまた動き周り、鳴き始めました。もう、お手上げでした。
朝早く起きることは私たちにもメリットがある話なので許せますが、1日中聞こえる鳩の鳴き声と、屋根で何かが走った時に聞こえる「バリバリッ」というマジで屋根が崩れるんじゃないかと思う音に耐えられませんでした。
ちなみに、ここに録音した音を載せようと思いました。でも解決した話ですし、本当に不快な音なので止めました。ちなみに親友には騒音をLINEで共有し、愚痴を聞いてもらった時には、こんな反応でした。
草生えちゃってる。
同日の23時13分に、一部の返金等のサポートがあった上で、別の物件へ移ることで決着がつきました。
本来は、同物件に14日間滞在する予定でした。そのつもりで仮住まいを作っていましたが、新しい物件に移るために全てをパッキングし直す必要があります。毎回、滞在地を移る際に行っている作業ですが、まあまあ面倒な作業です。なんでこれを余計にやらなあかんのじゃ!と改めてぐちぐち思いながら移動の準備をしました。
5日目:グッバイ、2度と会わないぞ
12月5日の朝も、もちろん鳩に起こされました。でも、心は晴れやかです。なぜなら、私たちは自由の身だから。
わざわざパッキングをし直さなければいけないことも、別のAirbnbへ移る移動費も、若干増えた宿泊費も、すべてイラっとしますが、もう良いんです。今日からが、本当のメデジン滞在の始まり。
鳩の家と名付けたいAirbnbともおさらばです。Uberを待つ間、屋根を見上げると、大量の鳩がこちらを覗いていて全身鳥肌が立ちました。鳥だけに←
新しいAirbnbは、ホストがこれでもかというほど丁寧で、部屋もきれい。Wi-Fiは爆速。プラスαでエアコンがある。今までの4日間は幻なのか?と思うほど快適でした。最初からここにしておけばよかったです。
その後、考えてみた
このようなトラブルが未然に防げたのかを考えてみました。今回に関しては、防げなかったと思います。
ホストのレスが悪い点は、滞在初日までやり取りがなかったため分かりようがありませんでした。むしろ、それまでは必要事項の連絡は早い方でした。
Wi-Fiについては、予約前にメッセージで速度を確認していたのですが、実態と異なる良い数字を言われていました。Wi-Fiの速度は機種や時間によって変わることもあります。しかし、あまりにも乖離がある数字であり、嘘をつかれたとしか思えない対応でした。
隣人の騒音については、これはAirbnbあるあるで、その時に滞在しているご近所さんによって変わる話です。ホスト側もある意味被害者なので、致し方がないことだったかもしれません。
鳩の騒音については、私たちが予約した後に記載されていたレビューで1人がコメントをしていましたが、それ以外では言及されておらず、知りようがありませんでした。
旅行時の滞在先って、それがホテルであろうと、Airbnbであろうと、どこであろうとギャンブルです。いくら口コミがあっても、実際に行ってみないとわからないことがほとんどです。
今回のケースのように、ギャンブルで悪い方向へ運ぶこともあれば、想像以上に良かったケースもあります。良い、悪い意外性をぜんぶ引っくるめて受け入れて、冷静に対応して、最大に楽しむこと。旅では、そんな寛大な姿勢が必要であり、旅中で学ぶことの1つなのかもしれません。
\私はこんな人です/