伝説の日本人宿「民宿小林」とは!アスンシオンから行く方法、滞在した感想のまとめ【前田家の世界一周】
パラグアイのアスンシオンでクリスマスシーズンを過ごしました(それに関するnoteはこちら!)。年末年始はブラジルのサンパウロで過ごす予定があったので、それまでの数日間をどうするか。
そうだ、伝説の宿へ行こう。
民宿小林とは
Google大先生に「民宿小林 パラグアイ」と調べると、やたら高いレビューと、「伝説の日本人宿」といった強い検索結果が出てきます。
民宿小林とは、パラグアイのイグアス移住区(Colonia Yguazú)近くにある民宿です。オーナーは東北出身の方で、お母さんと息子さんで経営されています。
オーナーのホスピタリティの高さと、イグアス移住区に流れるスローライフな空気感から、日本の旅人に長く愛される民宿として有名です。過去に世界一周を経験した知り合いも、民宿小林に滞在しており大絶賛していました。
民宿小林の場所
民宿小林は、アスンシオンからバスで4時間ほど走らせたところにある「イグアス(Yguazú)と呼ばれる地区にあります。
アスンシオンからシウダー・デル・エステ(Ciudad del Este)と呼ばれる大きめの街まで走る、国道2号線沿いにあるのが民宿小林です。
アスンシオンからの行き方
では、民宿小林へはどう行くのか。
説明します。
① アスンシオンのバスターミナルから「シウダー・デル・エステ」行きの長距離バスを探す
アスンシオンのバスターミナル(場所はここ)には、多くのバス会社が集まります。2階建てで、1部のバス会社を除いては、チケットカウンターが2階にあります。
この中から「シウダー・デル・エステ」行きのバスを見つけます。シウダー・デル・エステ行きのバスがある会社であれば、チケットカウンターの窓に、「Ciudad del Este」と書いてあるはずです。
私たちは「NSA(Nuestra Señora de la Asunción」で行くことにしました。
② バスのチケットを買う前に「273km(ドス・シエントス・セテンタ・イ・トレス・キロメトロス)で降りたい」旨を伝えて、途中で降りれることを確認する
これ、めっちゃ重要です。基本的に長距離バスは、指定の停留所以外には停まりません。日本でもそうですよね。民宿小林は、指定の停留所以外の場所にあります。そのため、途中で降ろしてくれるバス会社でチケットを買う必要があります。
その「途中」を表現するのが、国道2号線上で測るアスンシオンからの距離をキロメートルで表した数字です。
そして、アスンシオンから民宿小林までの、国道2号線上の距離は「273km(ドス・シエントス・セテンタ・イ・トレス・キロメトロス)」です。
※多くのブログでは「53km」と書かれていますが、これは逆側のシウダー・デル・エステから民宿小林へ行く場合の距離です。
バスのチケットを購入する前に「273kmで降りれるか」を確認しましょう。カウンターの人によっては、数字の地点を言われてもよう分からん、といった顔をされるので(そりゃそうですよね。私だったらそうなる)、「コロニア・イグアス(Colonia Yguazú)」の名前を出すと、理解してくれる場合もあります。
ちなみに、「273kmで降りれるか」の確認をスペイン語でするならコレです。
¿Podemos bajar en el punto 273 (Dos cientos setenta y tres) kilómetros?
この確認が非常に重要なので、ネットでもチケットを購入するのではなく、カウンターで購入することをオススメします。
③ ①で見つけたバスの運転手さんに、「273kmで降りたい」としつこく伝える
「備えあれば憂いなし」の言葉が非常にブッ刺さるのが旅です。
カウンターの人が「273km」で降りれると言っても、バスの運転手さんはそれを知りません。また、降ろしてくれるかも分かりません。
バスに乗る前と乗った後に、バスの運転手さんと、その助手みたいな人(チケットをチェックしたり、荷物の上げ下ろしをしてる人)に「273kmで降りたい」としつこく伝えましょう。
それだけ必死こいたアジア系の旅行者を見ると、向こうも絶対に気にかけてくれます。
④ 民宿小林さんに到着する時間の目処を伝える
民宿小林さんを事前に予約している場合は、到着する目処の時間を伝えておくと、国道2号線沿いまで迎えに来てくれます。国道からそこまで離れていない場所に位置しているのにも関わらず、です。正直、これはびっくりしました。この親切さが伝説の名を作っているのか。
⑤ Google Mapを常に片手に持ちながら、273km地点に近づきそうになったら運転手さんに猛烈アピールする
③でバスの運転手さんに降りたい場所を伝えましたよね。そんなんじゃ足りません。なぜなら、4時間も大きなバスを運転していたら忘れる可能性もありますし、そもそも道路に「ココが273kmだよ」なんて、細かく書いていないからです。
Google Mapを片手に開けておいて、民宿小林が近くなったら運転手さんの近くに行って降りたいオーラを出します。そして、近づいてきたら「ここ!(Aquí・アキ)」と伝えます。
降りれないかもしれないバスの移動は、コスタリカでケツァールを見に行った時ぶりでした(noteはこちら!)。ドキドキしたけど、無事に到着です。
民宿小林の予約方法
色んな予約方法があるようですが、私たちはFacebookのメッセンジャーのやり取りで予約をしました。友達追加はしなくてもメッセージが送れます。
メッセンジャー上のやり取りだったので、タイムリーにバスの到着時間を伝えることもできました。それまでのやり取りも、大体1日以内に返信がいただけました。
なお、宿の代金は出発する最終日にお母さんへ現金でお支払いします。宿代はFacebookページに掲載されています。
民宿小林でできること
イグアス移住区でお買い物
イグアス移住区は、パラグアイにある日本人移住地です。1930年代に移住が始まり、戦後に日本とパラグアイの間で移民協定が結ばれ、1954年から1961年の間に移住地が作られました。日本人が多く住んでおり、神社の鳥居や学校、スーパーなどがあるミニ・ジャパンです。
民宿小林からは少し離れた距離にあるため、イグアス移住区へ行きたい場合は、小林さんの息子さんが車で送迎してくれます。
私たちは初日にスーパーへ行ったのですが、マジでなんでもあったので大興奮でした。
特に、お蕎麦。
また、スーパーから歩いて5分もしない距離に、ATMがある銀行があります。
ちなみに、パラグアイの通貨であるグアラニーですが、価値がめっちゃ弱いです。現金文化の国だったので、少し多めに現金を引き出していたのですが、その後に滞在するブラジルで全く買い取ってもらえません。空港にある大手の両替所でも断られました。引き出し過ぎにはご注意を!
日本食の沼にハマる
民宿小林といえば、お母さんが作ってくれる日本食のオンパレードです。ご飯代は宿代とは別料金ですが、基本的に日本人で滞在する人はデフォルトで作ってくれます(というか、ご飯がいるかどうかも特に聞かれません)。
メニューはお母さんお任せです。もしアレルギーや苦手なものがある場合は、事前にお母さんに伝えます。また、好きな食べ物や食べたいものがあったら、それも伝えるとお母さんが加味してくれます。
私は、お蕎麦が好きだあああ!と、2日目の晩にざる蕎麦が出た時に猛烈アピールしました。次の晩は、天ぷらそばを出してくれました。
また、滞在中のどこかのタイミングで「すき焼き」が出てきます。ちなみに「すき焼き」はスペシャルメニューなので、ご飯代+αです。私たちは、初日にすき焼きだったので、テンション爆上がりでした。
朝食は、白米、納豆、生卵が出てきます。昼食は対象外です。
ちなみに夕食は、毎回、男子高校生が満足できる量の食べ物が出てきます。私たちは食べきることができず、残りを次の朝やお昼に食べていました。
ワンニャンと遊ぶ
民宿小林には、多くのワンニャンが暮らしています。宿の真ん中にあるオープンスペースが、彼らの住処です。台所に行くときに必ずそこを通るのですが、もれなくワン達が「遊ぼうよ!!!」とアピールしてきます。特にしいたけが。
子猫ちゃんが最近生まれたようで、ミャーミャーと子猫が鳴きまくっていました。悲しい話ですが、子猫の中には栄養が足りず亡くなってしまう子もいたり、犬に襲われてしまう子もいたようです。私たちがいた時には子猫が6匹いましたが、2週間後に民宿小林に行った時には2匹だけだったそうです(6匹のうちの2匹は、外へ貰われたようですが)。
私たちがいた時も、裏で飼われていた犬(おそらくオスで、子猫がいる間は隔離されていた?)が逃げ出して、子猫が襲われそうになりました。私たちを含む宿泊者全員で、子猫を犬から守るというハプニングもありました。
弱肉強食というか、人間が無理やり関与しないスタイルの飼われ方です。そのスタイルに慣れないなと思いながら過ごしていましたが、広い庭でワンと遊んだり、猫を見て癒されたのも事実。ワンたちを散歩に連れて行くこともできます。
現在と過去の旅人と触れ合う
民宿小林に来るまで、日本人宿に泊まったことはありませんでした。でも、このような記録帳?みたいなものって、よくあるんですね。
民宿小林から別の拠点へ移動する方法や、犬と猫の家系図を書いている人もいたりして、なかなか読み応えがあります。また、2020年1月より前のノートも残してあったので、過去を遡って読んでいました。知り合いのサインもあったりして、時空を超えて旅人とつながり、私もいつの間にか旅人になったのねと感傷深かったです。
私もノートにサインするぞ!と意気込み、「2023年12月29日…」と書き始めたら、ペンのインクがなくなりました。続きは後にしようと思い、一旦ノートを閉じ、そのまま忘れて出て行きました。
ノートの1ページに日付だけ書いてあるところがあったら、それ、私です。
夕日を見る
民宿小林があるエリアは、ほとんど何もありません。あるのは、赤い土と木と広い土地です。
高い建物もなく、空が広いです。人も少ない。
民宿小林はルーフバルコニーがあります。夕方になって、そこに上がると、とにかくエモい風景を見ることができます。井上陽水さんの「少年時代」を聴きたくなるような。
夜空の星もきれいですが(流れ星も2度見ました)、私はこの夕日がたまらなく心に残りました。日本の田舎っぽい雰囲気があるのですが、ここは日本の真裏で、とんでもなく遠いところに来たな、と染みじみします。
滞在した感想
結論、泊まってよかったです。
私たちはバックパッカーとして旅をしているわけでもないので、たまに日本食を食べたり(直近もアスンシオンで食べた)、自炊の中で日本っぽい味付けの料理を作ったりしています。そのため、日本食が食べれたのは確かによかったのですが、「泊まってよかった」と思えた理由ではありません。
パラグアイという知らなかった国で、静かな空と、広い道を見て、本当に遠くまで来たと感じ、この世界一周が私の人生において宝物になるなと確信したからです。
日本ではない違う国で、1人で、空を眺める贅沢さを、民宿小林で感じたスローな空気から吸い取れたことが、1番の収穫でした。
ここに訪れる旅人は、同じような空を見て、同じように旅を振り返っているのだろうな。
\私はこんな人です/
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