外を気ままに歩ける贅沢。トルコ・イスタンブールにて【前田家の世界一周】
アフリカ大陸の旅をついに終え、中東エリアへ再度戻ります。夕方にケープタウンを出発し、朝4:40分にイスタンブールに到着する11時間のフライトです。久々のロングフライトに加えて、早朝着。旅をしているなあ!
イスタンブールには、イスタンブール空港とサビハ・ギョクチェン空港の2つがあります。後者は、国内線や近隣国へ向かう便が多いそうです。私たちは、イスタンブール空港に到着し、トルコを出発したのはサビハ・ギョクチェン空港でした。
イスタンブール空港から市内の移動
飛行機ではあまり眠ることができず、到着した時点ですごく眠くてフラフラ。入国した後のロビーにあった椅子で横になり、30分ほど仮眠をしてから市内へ向かうことにしました。起きても、まだ朝の6時前。
イスタンブール空港から市内は40キロほど離れていて、割と距離がありました。Uberも安くはなかったし、公共交通機関も使いやすそうだったので、メトロ+バスで行くことに。
早朝なので本数は少ないですが、メトロのM11が市内まで伸びています。空港の到着出口を出たら「U」のサインがあるので、それに従い20分ほど歩きました。歩くといっても、何もない道を歩くというよりは、メトロに続く遊歩道を進むイメージなので、楽です。
地下鉄の駅に下る前のエリアに行くと、朝日が登りかけている空をバックに光が灯るモスクがありました。きれい。
メトロのプラットフォームまで降りると、メトロカードを購入するマシンがありました。言語表示は、なんと日本語も選べます。久々に日本人向けの案内が準備されていて、トルコは日本人に人気なんだなと思い出させられました。
クレカでカードの代金(130TL)とチャージ(100TLくらい)を済ませ、マシンからカードを受け取りました。Suicaみたいな感じで、これがあればメトロ、バス、トラムなど全て乗ることができます。
後から知りましたが、カード1枚を複数人で共有できるらしいです。2枚買っちゃった。
1時間半ほどかけ、メトロとバスを乗り継ぎ、宿がある「Taksim」というエリアへ。明け方にタクシム広場(Taksim Square)を通り、宿へ。広々としていて、道もきれいに舗装されていて、さすが観光地だなと感心しました。
ちなみに、Taksim Squareからであれば、空港シャトルで移動する方法もあります。帰りはバス+メトロではなく、シャトルを使いましたが、こちらの方が5倍楽でした。
費用は1人片道204TL(結構、価格がよく変わるっぽいです)。支払いは、キャッシュ、カード、イスタンブールカードが使えます。
ネットやアプリでもチケットを購入できますが、時間指定はできません。対面だと時間指定できるのかな?と思い、前日にチケットを買いに行ったら、塩対応なオジに「TOMORROW」と一蹴されたので、対面だと乗る前しかチケットは買えないようです。
バスの乗り場とチケットオフィスはこちら↓
当日の乗る前に買っても、予定していた便に問題なく乗ることができましたが、バスが満席になったら予定時間前であっても出発する、という口コミもあったりするので、少し時間に余裕を持ってバス停へ向かう方が良いかもしれません。
荷物は、大型バスと同じようにバスの下に預けて、空港に着いたら受け取ります。バゲージ用のタグももらえるので、安心です。
イスタンブールでの滞在
イスタンブールについて
初トルコ。イスタンブールは、昔から行ってみたい場所のひとつでした。なんとなくエキゾチックなイメージがあり、おしゃれな人が行くような場所だと思っていました。
イスタンブールは「東洋と西洋が出会う場所」と言われています。
ボスポラス海峡により、ヨーロッパとアジアにまたがる都市で、この位置が東西文明の交差点となっていました。同じ都市なのにヨーロッパ側、アジア側とあるくらいなので、文字通り、東洋と西洋が交わる都市です。
歴史的に見ても、ビザンツ帝国時代のキリスト教文化と、オスマン帝国時代のイスラム文化がイスタンブールで交差しています。
2つのエリアと文化がごちゃっとなっている形が、イスタンブールのエキゾチック感を出していたのかもしれません。
滞在先
イスタンブールの滞在先は、探すのに少し苦労しました。大観光地ということもあり、全体的に宿の値段が高いわりに、古い都市なので設備はそこまで良くはない(少なくとも、そう見える)。キッチンや洗濯機も付いている場所、となるとかなり選択肢が絞られました。
そんな中、宿トラブル。もともと、Booking経由で予約をしていたアパートスタイルの宿がありました。到着する数時間前になってもチェックインの情報が送られてこず、私たちから連絡をして、初めて予約ができていないことを打ち明けられました。その後、代替案の提示もなく、音信不通に。
イスタンブール行きの飛行機に乗る直前に、新しい宿を取り直すことになり、予約をした場所がこちらです。
Taksim Squareからは徒歩10分強です。キッチン付きのアパートスタイルのホテルでした。
ベッドルームとリビングキッチンが分かれているスタイルで、清潔。Wi-Fiのルーターも各部屋にあるため、安定していました。ホテルスタイルの物件なので、キッチン設備は期待していませんでしたが、鍋、皿など必要なものは全てあったので、とても使いやすかったです。
懸念だったのは、壁が薄いことと、宿の周りが急な坂になっているため、荷物があるとちょっとキツイことでした。
総合的には、とてもお勧めできる宿でした!
交通事情
空港から市内への移動で、メトロとバスを利用しましたが、これ以外にトラムと電車(メトロは地下なのに対し、これは路上を走る電車)があります。すべての経路は、Google Mapで検索をすれば正しく表示されました。おまけに全部きれいだし、エアコンも付いています。
イスタンブールの物価高くなっていると言われますし、実際に宿代や外食代はお高めでしたが、トラムは片道15TL=63円、バスは17TL=71円前後と、かなりお手頃でした。
日本の公共交通に慣れている人であれば、なんの問題もなく乗りこなせると思います。久々に快適なバス、電車システムで、外に出ることが苦ではありませんでした。
ザ・観光
イスタンブール滞在は、4日間でした。相変わらずのんびりと過ごしていたので、激しく観光はしていませんが、訪問した場所、やったことで面白かった場所を紹介していきます。
観光名所・やったこと(おすすめ順)
1.バシリカ・シスタン
バシリカ・シスタンは、イスタンブールにあるビザンツ帝国時代の地下貯水池で、532年に建設されました。約9,800平方メートルの広さを持ち、8万トンの水を蓄えることができる施設です。
1545年に再発見されたバシリカ・シスタンは、今では地下にある神秘的な空間として観光スポットと化しています。私たちが訪れた時は、現代アートの展示がありましたが、たまにこの中でオーケストラのコンサートが開かれたりもするそうです。
これを私風に言うと、映画「インフェルノ」に出てくるアタオカ人類滅亡計画系女子が暴れ回った場所、です。
ダ・ビンチコードシリーズの大ファンとしては、1番気分がアガった場所でした。ここで!あいつが!あんなことを!
なお、チケットは1人800TL = 3,400円ほどです。夜の入場であれば、もう少し高くなります。ちなみに中は薄暗いので、夜に行こうと、昼に行こうと変わらない気がするので、夜チケットが高い理由が謎です。
チケットブースを通り、階段を降りると、奥行きがある空間が現れます。水が張ってあるので、少しばかりジトッとしていますが、涼しい。
想像していたよりも天井が高くて、奥に広い。現代アートが飾られていたり、色が変わる電飾があったので、虚無感みたいなものはありませんでしたが、本来は何もないのかと思うと、普通に怖い空間にも思えます。まあ、ただの貯水庫だったわけですが。
いくつかの柱の土台には、メデューサの頭の彫刻が使われています。これらは、別の古い建築物で使ったものを持ってきているそうです。しかも、この頭の配置が奇妙で、1つは逆さま、もう1つは横向きに配置されています。その意図は今も明らかになっていないとか。どういうこっちゃい。
この頭は、映画「インフェルノ」のワンカットで出てきたので、とても印象に残っていました。あまりにも変なので、セットかと思っていましたが、本当にあったんだ。
ちなみに、Google Map上のバシリカ・シスタンの場所は出口がある場所になっています。この近所に行けば、人が並んでいるので入り口の場所はスグにわかると思いますが、チケット売り場がある入り口はこちらです。
2.Galata Port Mall
イスタンブールの旧市街からガラタ橋を渡り、新市街の海沿いにある大きなモールです。イスタンブール現代美術館の隣にあります。クルーズ船が到着するときは、このポートが使われるようです。
ZARAやAdidasといったグローバルなお店や、レストランやカフェがあるショッピングモールなのですが、ここが気に入ったのは、その裏にある海沿いの雰囲気でした。横浜のマリンアンドウォークを思い出させる場所です。
モールの裏にある大きな歩道は海に面していて、旧市街エリアを眺めることができます。夕方に行った時は、夕暮れの景色を見ながら、心地よい風を感じ、お散歩をすることができました。
モールの前には、ヌスレティエ・モスクがありました。この建物は、1826年に完成しており、イスタンブールの旧市街の外に建てられたモスクで最大とされるものの1つだそうです。外からしか眺めていませんが、西洋のお城のような雰囲気もあるモスクで、とても綺麗でした。
イスタンブールっぽさは感じにくいスポットですが、とても好きだった場所です。
3.ハギア・ソフィア
イスタンブールといえば!の観光スポットの「ハギア・ソフィア」も、もちろんおすすめです。
ハギア・ソフィアは、元々はキリスト教の大聖堂でした。そのため内部にはキリストや聖母マリアなどのモザイク壁画が残されています。しかし、1453年にオスマン帝国がビザンツ帝国からコンスタンティノープルを征服した際に、ハギア・ソフィアはモスクに転用されました。壁画はイスラム教の教義に従って漆喰で覆われています。
その後の1935年、ハギア・ソフィアは博物館となり、キリスト教のモザイク壁画が再発見・修復されました。その後、2020年にハギア・ソフィアは再びモスクとして使用されることが決まり、礼拝中はモザイク壁画が覆われていますが、礼拝時間外には観光客が鑑賞できる状態が維持されています。
そのため、外国人やイスラム教以外の人(以下、外部の人と書きます)が入場する場合は、入場料も違いますし、女性の場合は頭を覆うスカーフが必要で、服装は性別問わず、なるべく肌が覆われているものを着用する必要があります。
モスクに来るのは、モロッコのカサブランカで見た「ハッサン2世モスク」以来でした。
ハッサン2世モスクと異なり、ハギア・ソフィアを外部の人として見学する場合は、モスクの2階席からのみ入場することができました。2階席から見ると、天井近くの装飾がより近くで見えるので迫力を感じました。
2階エリアでは、大聖堂時代にあったモザイク画を見ることもできます。私は例によって何も調べずに行っているので、モスク内にキリストがいたので「??????」ってなっていました。後に知って、かなり古いアートを見ていたのだとびっくりしました。
歴史的な背景も面白い建物なので、行くこと自体は良いと思いましたが、入場料に対する中身が見合っているかと言われると結構?でした。
2024年9月時点の入場料は、1人につき25ユーロ(約4,000円)です。別の場所にある美術館も見る場合は、47.5ユーロ(約7,650円)。モスク内をじっくりと見たとしても1時間かからないので、1分あたりの値段を出したら結構高めになる観光スポットでした。
他のモスクへ行ったことがある方や、特段キリスト教の古い美術品に興味が湧かない方は、行かなくても良いかもしれません。
ハギア・ソフィアの外観は、モスク前の広場から見ることが通常ですが、ハギア・ソフィアとブルーモスクがあるエリアの横に並ぶレストランのテラス席から見るのも、おすすめです。
例えば、「Nhà Ginza Ginza - Rooftop Sultanahmet」は、とあるホテルの屋上にあるアジアンレストランで、テラス席から上のような景色を見ることができます。
加えて、イスタンブールのアジア側を見渡すこともできます。当然ながらレストランのお客さんしかいないので、人に囲まれずに景色を楽しめるのもポイントです。
ちなみに、ちょっと麺がボソボソでしたが、フォーが美味しかったです。夫はチャーハンを頼んで、山盛りのご飯が出てきていました。
4.旧市街でティータイム
これもイスタンブールといえば!な観光スポットで、エジプシャン・バザールです。
主に、ドライフルーツ、ナッツ、スパイスを中心に売るお店が多かったため、私たちは何も買うことはなかったですが、中東っぽいマーケットの雰囲気がある場所でした。
イスタンブールに来て初めてなのですが、現地の人に日本人として認識される確率が98%になりました。普段は、99%中国か韓国で、日本人の観光客が減っている/少ないんだなあと悲しかったのですが、「ジャパニーズ」として話しかけられるようになりました。それだけ日本人の観光客が多いのでしょう。
エジプシャン・バザールはもちろん観光客を相手にしているマーケットなので、割と話しかけられましたが、しつこくされることはありませんでした。買わないオーラが出ていただけかもしれませんが。
そんなマーケットの中で特におすすめしたいのは、「Beta Tea House」と呼ばれる紅茶専門のショップです。エジプシャン・バザールの真ん中くらいにあります。
お茶の葉を購入できるショップが前にあり、奥に進むと屋根付きの中庭にカフェがあります。マーケットは暑いですが、カフェの天井が高く、開けているので、涼むことができました。
ティーカクテルと呼ばれるミックスティーと、イスタンブールのお菓子でリフレッシュ。バクラバやキュネフェなどのスイーツを、1個から頼むことができました。お店のウェイターさんはアイスと一緒に食べることをおすすめしてくれましたが、私たちはとりあえずスイーツのみ。
海外で食べるスイーツといえば、アメリカで食べるような砂糖の塊を想像してしまうので、これも同じような感じかな〜と思っていましたが、意外と甘すぎず、食べやすい!1番左のスイーツ(多分、クネフェ)は、周りの生地がサクサクしていて好みでした。
バザールをたくさん歩いて疲れてしまった方は、こちらのカフェで休憩してみてください。
5.İstiklal Cd.(イスティクラル通り)
イスティクラルはトルコ語で「独立」を意味しています。タクシム広場を起点に海側へ道が伸びています。トラムは通れるようになっていますが、歩行者天国です。
宿から近い場所にあったので、何度か行くことがありました。スタバなどカフェがあったり、H&Mなどアパレルショップもあります。ナイトライフは詳しくないですが、クラブやバーもあるらしく、夕方以降も賑わう場所です。
基本的に、グローバルで展開されているブランドばかりある通りなので(マックとか)、味に失敗したくない時、とりあえず知っているブランドでショッピングがしたい時に来ると良いかと思います。
イスティクラル通り沿いのカフェはとにかく混んでいるので、サクッとお茶をしたい場合は、10分ほど歩いたところにある「Havesome Coffee Cihangir」がおすすめです。Wi-Fiも安定していて、店員さんがとても親切でした。ほぼ全席に電源口がついているので、作業をしたい方にもピッタリです。
夏場のイスタンブールは暑く、イスティクラル通りは混んでいるので、休憩場所を探している方は、ここへ!
6.ケバブでも、サバサンドでもないトルコグルメ
これです。めっっちゃ美味しかった。
イスタンブールの中心地から離れた場所に用事があったので、その帰りにふらりと立ち寄ったレストランで食べました。そこで食べたスープがコクたっっぷりで激うま。羊肉の臭みは全くありません。
スープの中にはライス(だと思う)が少し入っていて、おじやちっく。もう1杯食べたかったなあ。
イスタンブールで食べたトルコ料理はココだけだったのですが、食事が出てくる前にこのような前菜?パン?の盛り合わせが出てきました。これって、どうやって食べるのが正解なのでしょうか。パンは分かるけど、辛いペッパーとか。
猫からエネルギーをもらえた場所
イスタンブールに、日本人の美容師さんが美容室を開いていると知り、行ってきました。2024年1月初にサンパウロで切った以来。
髪はいい感じにさっぱりと切って貰えて、毛先がバシバシだった頭が生き返りました。やはり、髪を整えると気持ちも整うな。
もう1つの整い要素は、子猫でした。
野良猫らしいのですが、お店を開いている時はいつも遊びに来るそうです。私たちが行った時は、元気に走り回っていました。毛並みがツルツルな様子からも、普段から愛されているのだと分かります。
そのうちの1匹が、非常に懐いてくれました。夫が髪を切ってもらっている間は隣で寝ていて、ついに…
ぬああああああああああっっっっっ(悶絶)
みて、この表情。1時間前に会ったばかりなのに、なんという人懐っこさ。私の子でしたっけ。実家の猫には、ずっと塩対応をされ続けてきたので、このように擦り寄ってこられることはありませんでした。嬉しすぎて、思わず美容室に住みそうになりました。
これだけで、イスタンブールに来た甲斐がある。
なお、ヘアサロンの場所が気になる方は、個別にご連絡ください。
歩ける幸せ、イスタンブール
イスタンブールは1ヶ月ぶりに、外で立ち止まり、風景の写真を撮ることができる場所でした。目的地があるわけでもないお散歩ができるって、こんなに幸せなことなんだ。
イスタンブールでも、観光客を狙った犯罪はあると思いますし、行かない方が良い地区もあるでしょう。ただ、それらに巻き込まれるチャンスは低いように思え、1人でも安心して歩き回れた街でした。普段は歩くことが好きではない私も、嬉しくて、相当歩いたと思います。
誰しもが、どの国でも、安心して、きれいな景色があったら写真を撮って、心赴くままに歩ける世界になると良いなと思った滞在でした。
次は、カッパドキアへ。
\私はこんな人です/