2024年 F1第3戦 オーストラリアGP 感想

この記事では、2024年 F1第3戦 オーストラリアGPについて、私が応援している角田裕毅選手(VISA CashApp RB F1 Team)に関することを中心に感想を書いていきます。

感想

yeeees!!!!!
やっと報われました。フラストレーションのたまる2戦から、ようやくスッキリするような結果が出ました。ほんとによかった。今の角田裕毅が持っている力を世界に証明するような素晴らしいレースでした。

今回は予選の結果がそのままレースの結果に繋がったとも言えると思います。
開幕から一発の速さに関して見事にマシンのパフォーマンスを引き出し続けてきましたが、オーストラリアの予選は圧巻の一言。

いつも通りトップ5チームが速さを見せ、他の中団勢も非常に接近している中で角田選手はQ2でメルセデスの2台を上回りQ3進出、Q3でもアストンマーティンの2台を食ってみせて何と予選8位を獲得。

一発のスピードに関しては角田選手が下位5チームの中では頭ひとつ抜けた位置にいると思います。タイトなポイント争いをする上で、一つでも上のポジションからスタートすることは大きなアドバンテージになりますし、間違いなく他のライバルからすれば厄介な存在になっているはずです。
週末の走り出しから予選に向けてのビルドアップに関しても素晴らしい安定感があり、RBチームとしては信頼の置けるドライバーであることは確実でしょう。

前戦に引き続いての力強い予選で上位スタートを手にした角田選手でしたが、残る課題はレースでの結果です。レッドブルのヘルムート・マルコ博士からはレースペースの改善を要求されており、ここまでのレースとの違いをアピールしたいところです。

その中で迎えた決勝。角田選手は8番グリッドからスタートし、ターン1でストロール選手に前を行かれますが、ここは焦ることもなく、9位をキープしたまま序盤のレースを進めます。

3周目、絶対王者フェルスタッペン選手にまさかのブレーキトラブルが発生。リタイアを余儀なくされます。これにより角田選手は8位に浮上。周囲の車の状況を見ながらタイヤ交換のタイミングを図りつつ、ポジションをキープ。
早めにピットに入ったハミルトン選手にアンダーカットを許しますが、いずれにせよメルセデスのレースペースは速く、直接のライバルではないためこれは問題なし。
他の中団勢に対してポジションを失うことはなく無事に角田選手も1回目のタイヤ交換を終えレースに復帰しました。

その後も走行を続けていると、前方のハミルトン選手にエンジントラブルが発生し、コース脇にストップ、VSCが導入されます。
角田選手のタイヤ交換前に後方を走っていたアロンソ選手がこのタイミングでピットに入りポジションを大きく上げました。角田選手はこの時点で9位につけます。

VSC終了後は、最後のタイヤ交換に向けてマネジメントしつつ、前方のストロール選手、後方のヒュルケンベルグ選手、アルボン選手あたりとのギャップを睨みながらの走行が続きます。
この日のRBと角田選手のペースは悪くなく、中団ではトップクラスのタイムを維持しながら走行できていました。

開幕戦では悪くないペースを持ちながらもライバルのアンダーカットに反応できず順位を落としてしまいましたが、この日は戦略面も堅実に実行。
2回目のタイヤ交換では直接のライバルとなるヒュルケンベルグ選手のピットインに対して翌周に反応、ポジションをキープすることが出来ました。

ピットアウトから少し後、スティントを伸ばしていたガスリー選手(アルピーヌ)が前方に現れます。ガスリー選手はペースが落ちていたたため、彼に引っかかってしまうと後ろからヒュルケンベルグ選手に追いつかれてしまう難しい状況でしたが、ターン11で角田選手らしい大胆なオーバーテイクを見せて確実に攻略。
(ガスリー選手も十分なスペースを空けて対応してくれました、元チームメイト同士の信頼関係もあったかなと感じます)

その後はヒュルケンベルグ選手とのギャップを見ながらのレースとなります。46周目にヒュルケンベルグ選手がプレッシャーをかけるべく自己ベストとなる1:21.1のタイムを出すと角田選手も反応。そこから5周に渡り1分21秒台前半のタイムを出し続けます。

ヒュルケンベルグ選手は逆にそのタイムについていけず、21秒台後半から22秒台前半にペースダウン。タイヤを使い切ってしまった様子でした。
これを見てチームからは角田選手にタイヤマネジメントの指示が入り、あとはフィニッシュまでマシンを持って帰るだけの状態に。

ここが勝負の分かれ目だったと感じます。
後方にいたチームメイトのリカルド選手が、角田選手よりも古いタイヤを履きながら21秒台前半のタイムを刻んでいたことを考えると、2回目のタイヤ交換後、21秒台後半のタイムで走っていた角田選手はタイヤをマネジメントして、終盤の勝負所に備えていたものと思われます。

そして直接のライバルがタイムを上げて仕掛けてきたところで、さらに速いタイムを出して突き放し、相手の戦意を喪失させ一気に勝負を決める。

シチュエーションは違いますが、昨年のモナコGPで後ろを走っていたノリス選手(マクラーレン)がプッシュしてきた際に、レースエンジニア・マッティアからの「ポケットの中にあとコンマ何秒かあるなら今使って!」というメッセージに応えて本当にタイムを0.3秒上げてノリス選手を突き放したという場面があったのを思い出しました。

レース全体の状況を俯瞰して勝負所を掴み、そこに力を集中させ、結果を持ち帰る。角田選手が持つ天性のスピードに「強さ」が加わっていることを実感できる、見ている側も痺れるような展開でした。

最終的に、残り2周で7位にいたラッセル選手がクラッシュしてリタイア、角田選手はポジションを一つ上げて8位でチェッカーを受けました。更に、ラッセル選手のクラッシュを引き起こしたとしてアロンソ選手に20秒ペナルティが課せられたため最終順位は7位に。

ここまで何度か言っていますが、今シーズンはトップ5チームが基本的に上位を占めており、それより下のチームがポイントを取るのがかなり難しいです。
前回のサウジアラビアでハースがなりふり構わず1ポイントを取りに行ったのもそのような状況を踏まえてのことでした。

そんな中で今回7位で6ポイントを取った角田選手の活躍は値千金と言っていいと思います。
上位のリタイアやペナルティで順位が上がったというラッキーがあったことは否定できません。
しかし、そのチャンスが巡ってきたときにつかみ取れる場所にいたことは間違いなく、RBチームと角田選手が常に100%の力を引き出し続けていた結果です。

F1では、必要なときに必要な場所にいることが何よりも重要です。そのためにしなければいけないことを確実に実行したことは掛け値なしに賞賛されるべきことだと私は感じました。

まあ、真面目なテンションで書いてきましたが、、、要するに「裕毅、サイコー!!」ってことです(笑)
予選P8に入って決勝でも良いレースペースと確実なレース運びをした角田選手がもたらした最高の結果です。素直に喜びましょう!

さて、いよいよ次戦は角田選手の地元、日本GPです。これまではシーズン後半、秋開催だったのが今年からは春開催に変わり、シーズン4戦目にして早くも鈴鹿にF1がやってきます。
素晴らしいレースで良い流れを作って迎える地元GP、昨年果たせなかったポイント獲得を見せて欲しいですね!

私も現地に行って応援する予定で、今からすでにワクワクが止まりません!(雨予報だけが心配……)
サーキットに行く方もそうでない方も、みんなで大きなエネルギーを角田選手に送りましょう!

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