某所で知った「出版コンテスト」詐欺
noteの「創作大賞」開催中に水を刺すような話題かなあ……と思いつつ。
やはり気をつけていただきたいと思う「コンテスト&出版詐欺」。
実は、某所で「またぞろこの手の話が出てきているらしい」という注意喚起を見かけました。
私も3年ほど前にこの手の「私設コンテスト」にまつわるトラブルに巻き込まれ(というより、ほぼ詐欺告発案件)、地元警察まで巻き込んだことがあります。
この件ではあちこちから未だに恨みを買っているかもしれませんが、ちゃんと「明白な法的根拠」がありました。
私が「詐欺だ」と断定したポイント
これは警察にも話したのですが、やはり「怪しい」出版詐欺の手口として、目安にしてほしいと思います。
・「◯◯出版」といういかにも会社っぽい名称を名乗っていたが、そんな会社は存在していなかった
→会社は必ず商業登記義務があり、紛らわしい名称を用いた時点で「会社法違反」に問われます。
・◯◯出版の契約内容が、実質的に「著作権譲渡」だった。しかも、報酬が「電子マネー払い」というもの。
→手法自体は違法ではないですが、法人が銀行口座の一つもないというのが、不自然です。
法人が銀行口座を持つのは、社会的信用がある証明にもなるんですよ。
(※法人の銀行口座開設はマネーロンダリング等防止の観点から、一般の人の口座開設よりも審査が厳しいです)
・私が告発した直後に、BASEの「代表者名」が変わっていた
・「◯◯出版」を名乗る割に、会社の住所としてBASEに掲載されていたのは、住宅街ど真ん中にある築33年の木造アパート。
→Googleのストリートビュー&不動産会社の賃貸斡旋物件で確認しました。
どう見ても会社として機能している感じではないですし、銀行も担保設定ができないような代物でした。
……というもの。
ちなみに、本物の会社であるかどうかは、「定款」として公表されているものからも判別できます。
これも、一定事項(定款の絶対的記載事項)については「登記義務」がありますから。
自費出版の相場
自費出版については私も検討・調べたことがあります。
ちなみに私の地元の某出版社では、
でした。
まあ、「モノヅクリ」のシンプルな考え方からすると、大手出版社の本があの価格で販売されているのは、大量印刷してその分印刷コストを抑制しているから……と、想像できますよね。
だから、「オーダーメイド出版」のPODは、どうしても単価が高くなるんですけれど(^_^;)
(マニアックな稀少本が高いのも、同じ理由です)
ですが、個人的には……
100万円以上も出資して在庫を抱える可能性があるくらいだったら、多少本の単価が上がっても、PODで出すほうが余程健全だと思います。
手売りで100冊販売するって、なかなか大変ですよ。
後は王道ですが、「大手出版社主催」のコンテストで入賞してからの「出版ルート」狙いでしょうか。
(note創作大賞などのパターンですね)
今回某所で「K様」が取り上げられた事案は、かつて起こった「新風舎事件」、そして私が遭遇した事案と似ているなあ……と感じた次第です。
ともあれ、皆様も気をつけてくださいませ!
なお、「法人としての登記があるかどうか」を調べるには、国税庁の法人番号公表サイトでチェックしてみるのがおすすめです。