『支援』と『配慮』と個別支援計画
『支援と配慮の違いとは?』を偉そうに語るつもりはなく、
『僕の中での答え』という前提でお話ししたいなと思います。
この違いを自分の中で理解することは日々の支援記録や
個別支援計画の作成において必要なことだと思っています。
よく『語彙力がない』というお声を聞くんですが、
実は支援と配慮の違いを自分の中で理解すると
スムーズに文章が出てくることがあります。
ではさっそくいきましょう。
「支援」と「配慮」には、それぞれ異なる役割がありますが、
どちらも障がいのある方がより良い生活を送ることや就労訓練を行う上で重要です。
僕が考える『支援』と『配慮』の違い
支援とは
漢字の通り『支える』と『援助』になります。
作業スキルの習得
職場体験や実習の機会提供
規則正しい生活習慣の指導
健康管理
目標の設定
就職後の職場定着のため会社の上司や同僚に話しを聞く
その他さまざまな相談を受ける
など直接的なサポートだけでなく環境を作ることも支援になると思います。
配慮とは
バリアフリーな作業場を作る
静かな作業場を作る
自分に合った作業机や椅子の調整
身体を壊さないための休憩時間の設定
作業ペースの設定
などたくさん出てきました。
たくさん出たら出たで分かりにくくなりました。
ズバリ!支援と配慮を一言で言うと?!、、、、
難しいですね笑笑
具体的な支援と配慮の例
「これは支援?配慮?」というのが判断しやすいように
具体的な例をあげて僕なりの判断基準を考えてみました。
支援と配慮を一言で言うために以下の例えが支援なのか配慮なのか
皆さんも一緒に考えてみてください。
1)彼女と並んで歩くときに自分は車道側を歩く。
これは支援?配慮?どっち?
この場合、「配慮」に該当します。
相手の安全を考えて、危険を避けるために環境や行動を調整したという意味で配慮になります。
2)彼氏が仕事から帰ってくるのを見計らってご飯を作ってあげた。
これは支援?配慮?どっち?
これは「配慮」に該当します。
相手のタイミングや状況に合わせて、思いやりや気遣いをもって行動を調整しているため、配慮と言えます。
3)彼氏が熱を出し、看病した。
これは支援?配慮?どっち?
これは「支援」に該当します。
看病は、具体的に相手の体調を回復させるために直接的に助ける行動であり、実際のサポートやケアを提供しているため、支援といえます。
4)彼女より先にドアを開けるなどのレディファースト。
これは支援?配慮?どっち?
これは「配慮」に該当します。
レディファーストは相手への思いやりや礼儀に基づく行動であり、具体的に助けるわけではなく、相手を尊重して行動しているので配慮と言えます。
5)彼女がショッピングで買った重い荷物を持ってあげる。
これは支援?配慮?どっち?
これは「支援」に該当します。
具体的に物理的な負担を代わりに引き受け、直接的に助けている行動なので、これは支援と言えます。
6)傘一本しかなく彼女を濡れないようにしてあげて、彼氏の肩が濡れている。
これは支援?配慮?どっち?
これは「配慮」に該当します。
相手が濡れないようにすることは、相手への思いやりや気遣っているので配慮の一環です。
それらの具体的な例を踏まえて支援と配慮を一言で言うと、
支援とは『手助け(サポート)』
配慮とは『愛』
だと思います。
支援は利用者さんに対し直接的、間接的にサポートすることです。
すなわち『手助け』ですので利用者さんは『やってもらってる』なと感じます。
配慮は、利用者さんに知られることなく作業、生活しやすいような環境作りなどを行います。
個別支援計画の具体例
例えば具体的な到達目標が下記の場合の支援と配慮の個別支援計画の具体例を考えてみました。
ケース1
【具体的な到達目標】
コミュニケーションのエラーをできるだけ少なくできる。
【支援】
他者と協力できる方法を学ぶ機会を提供する。
【配慮】
苦手な人との接触をできるだけ減らす工夫をする。
ケース2
【具体的な到達目標】
他者と協力し、作業の効率を上げることができる。
【支援】
作業の進め方や分担方法について、複数の手段を提案する。
【配慮】
協力が遅れて作業の進行に不安がある場合、補助する等で進行の遅れをカバーする。
ケース3
【具体的な到達目標】
他者からの意見や助言を受け止め、作業に活かすことができる。
【支援】
他者との行き違いがあった際に、双方の考えを一緒に整理する。
【配慮】
他の利用者に対する意見を事前に把握しておく。
皆さんいかがでしたか?
少しでも参考になりましたでしょうか?
あくまでもこれは僕の個人的な見解です。
具体的な例は人によって様々な答えがあると思います。
僕は支援員の皆んなと一緒に考え、悩み、勉強し、
支援力と配慮力をつけていきたいと思います。