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成功のための道筋:就労継続支援事業の本音と教訓

就Bの経営を始めたきっかけ

それぞれ立派な想いや理念を持って就Bの運営を開始した経営者はいるのでしょうか?

「何かビジネスがしたい…手っ取り早く成功しやすいのが就Bだ!」と、どこかのSNSでフランチャイズ広告を見て開始した人。

最近そんなきっかけで就Bの事業を開始した人が増えてきたように思います。


僕はカナダに住んでいた時にボランティアをしたきっかけで福祉の世界に入りました。「支援がしたい、人の支えになりたい」と。

僕がたまたまそんな想いでスタートしただけであって、「立派な理念を持ってスタートしない人は認めない」とかはありません。


暗黒時代と借金の重圧

29歳で始めた就Bの事業。もうすでに15年以上前の話です。

そこから僕のプライベートは暗黒時代に突入しました。

正直暗黒時代の8年間は記憶なく働きまくっていました。

友達の多額の借金を肩代わりし、借金取りに囲まれて脅され、その借金返済のため夜中寝ずに『おむつ交換』のアルバイトをしていました。

そのせいで嫁さんに浮気してるんじゃないかと疑われて大変でした。借金を抱えたことは家族に内緒でしたので。

夜中の『おむつ交換』のアルバイトは一晩5,000円ほどしかなく借金は膨らんでいく一方でした。漫画のような世界で利息はもちろん暴利です。法律が通用する相手ではないことはお察しください笑。


弟からの助言と新たな視点

いよいよ借金で首が回らなくなってきた時、嫁さんから浮気の相談をされていた僕の弟から呼び出しがありました。正直に借金の肩代わりをしていることを弟に打ち明けました。『おむつ交換』のアルバイトをしてもうすでに6年が過ぎようとしていました。

弟からは借金返済のために一人でアルバイトしていても返済できないことを教えてくれました。

福祉しかしていない僕は福祉以外のビジネスなんてどうすれば良いかちんぷんかんぷんでした。「利用者さんの役にたってお金もらい、生活させていただいてる」という超福祉的な考えでやってきた福祉人間だった僕にとって福祉は神聖な場所でした。

福祉を借金返済のためのツールに使うなんて僕の中ではありえませんでした。

しかし弟からは利用者さんをはじめ社会に必要とされて対価を得るんだから福祉で稼ぐことは悪いことでは無いと教えてくれました。


平均工賃月額区分によって変わった事業所の方向性

暗黒時代の僕は「就Bは利用者さんの居場所を作ってあげられればそれで良い」というふうに考えていました。

今振り返ると利用者さんの可能性を潰していた事業所だったと思います。

当時の利用者さんからはクレームやリクエストはなく、利用者さんも「就Bの事業所はこういう場所」みたいな感じでお互いが「ま、こんな感じが普通だな」と日々過ごしていました。


ちょうどこの頃に平均工賃月額区分ができました。以前のブログでも書きましたが厚生労働省が工賃を稼ぐ事業所が良い事業所だという方針を打ち出し、大きく就Bが動き出したのです。

それまでは食事や送迎、アットホームな雰囲気、レクリエーションが楽しいといったこと武器に利用者さんを集めていました。

工賃が稼げる利用者さんがたくさん来てくれたら事業所の収益も増えます。

だから工賃を稼げる利用者さんを優遇するような事業所が増えるのも仕方ないと思います。


利用者が輝けるチャンスを提供する

僕も家族にひもじい思いをさせたくないのでお金を稼ぎたいです。

お金があれば旅行もたくさん行けるかもしれません。車も買えるかもしれません。

そんな夢や欲はだれでもあります。


だけどもし僕が事故で歩けなくなったら、そんな夢も諦めるしかなくなり、引きこもるかもしれません。

そうなったとき「歩けなくても稼げるかも!」「訓練したら稼げるようになるかも!」

そんな場所があれば僕はぜひ行ってみたいです。

「引きこもってる場合じゃないぞ!」って前向きになれます。


楽しいワイワイアットホームの事業所も必要です。

稼ぐことが難しい利用者さんの居場所も提供し、「稼ぎたいねん!」と思う利用者さんは稼げるようにしてあげられたら厚生労働省が目指している就Bになるのではないでしょうか。


社会に必要とされる事業所を目指して

開業するキッカケとなった最初の想いなんて関係ありません。

利用者一人ひとりが輝けるチャンスを提供できるか!

それだけです。

僕はお客さんとたくさんそのことを話します!

一緒に事業所としての方向性を話し合いながら加算のこと、書類のこと、給与形態のことまで一緒に決めたりなんかします。

ただ単に書類を揃えたら良いって訳ではありません。

なぜその加算を取るのか、利用者さんも従業員さんも輝くためにはどういう作業内容、訓練内容が良いのかを一緒に考えます。

書類にもその理念を乗っけることで運営指導でも談笑しながら役所の人に想いのある事業所だとアピールできます。

社会に必要とされる事業所を見て潰そうとするはずがありません。

そんな事業所を目指して今日もがんばるぞー!!!


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