伝説のヒーロー誕生の物語
仮面ライダーなんて何年ぶりに観ただろう。
自分が小学生低学年のころに何回か観た気がするのだけど、何のシリーズのライダーが放映されていたのか全然覚えていない。
ここ最近のライダーはかなりゴツくなってるみたいだし、何なら合体だか融合だかも出来るみたいで、知らないうちにライダーも変わったんだなあとしみじみ感じたりもした。
ライダー系は今も変わらず日曜の早朝にやっているんだろうか。
かなり朝早い時間からやっていたような気がしていて、全く起きれなかった自分は仮面ライダーの後に放送されていたゴレンジャー系から観ていた記憶があるので、仮面ライダーはほとんど観ていない。
そんな仮面ライダー初心者が映画を観に行きました。
仮面ライダーの存在は知っているけれど、伝説のライダーが一体どういうふうにして誕生したのかなんて知らなかったので、その背景や、敵はどこから出てきてなぜ戦っているのかなどの理由を改めて知ることができた。
ショッカーという名称も、スローガン的な目的を英語にしてその頭文字を取って「S.H.O.C.K.E.R」になっていることなんて初めて知って、ちゃんと設定が細かく作られているんだなあと感心してしまった。
ただの雑魚敵の名前じゃなかったのね、と今更にして知ることができてとても良かった。
その他にも、仮面ライダーが仮面をかぶっている秘密、ただの人間がなぜあんなにも強いのかその戦闘力の秘密、仮面ライダーがなぜバッタの形をしているのかなどなど、子供の頃にはそこまで意識してみていなかった設定の部分も、大人になって改めて観ることでいろいろ知ることができて、観て良かったなあと思えた。
子供向けというよりは濃厚な大人向けの作品で、殺傷シーンとか血がビチャビチャ出てて、ヒーローモノにしては結構残虐に描かれているなあと感じた。
ただアクションを見せるだけというわけでもなくて、力を熱望していた人間が、実際に人を簡単に殺せる力を手に入れたことで、人を殺すことの難しさやその葛藤が描かれていて、仮面ライダーってこんな話なんだっけ? 思ったよりも深淵な内容じゃん、と途中からそんなことを思いながら観てました。
守りたい人を守れるために何にも負けない強力な力を手に入れた男。
でもその男が心根が優しくて、力を使うことに抵抗があって、そんな簡単に人を殺してしまって良いんだろうか、人の心がない怪物を倒すことで今度は自分が怪物になっていくんじゃないか、みたいなことを悶々と悩む性質の主人公だからこそ、ただの強いヒーローに人間味が加わって親近感が湧いてくるんだろうなあ。
ただ強いだけじゃ洗脳されていた仮面ライダー 2号みたいに生意気なキャラになって、誰も応援したくなくなるよね。
正義と悪の狭間で葛藤してる人の姿っていうのが人間らしいというか、共感するポイントなのかなあ、なんて考えたりもしてました、途中。
バイクの変形のシーンとか、バイクに乗りながらのアクションシーンもかなり見応えがあった。
変に現代版にアレンジするのでもなく、あえて昭和っぽさを残したところも懐かしさ感が増してる。
最終決戦の蝶男との対決は見応えがあったけど、終盤のエネルギー切れを起こしてからの戦いがなんだか泥臭くてレスリングみたいに思えてきて、中盤の飛んだり跳ねたりしてる戦闘シーンがカッコ良すぎたが故に、何だか勢いがなくなっちゃったなあって、ちょっと思ったりしました。
今まであんまり興味なかったけど、観たら意外と仮面ライダーって面白かった。