時は命を生む
5年前の2017年7月、「5年で6割の確率で死にます」と宣告されました。
その時は、癌転移の検査結果を聞く診察時だったため、癌宣告自体は既に経験済みでした。
ただ、それ以前の癌宣告はまだ軽いもの。
あくまで、外科手術で摘出すれば、特に問題はないと言われていたものでした。
そんな状態から一転。
精神的に、谷底へと突き落とされたのが、その診察でした。
同じタイミングで出来ていた別の癌がかなり進行していて、周囲に転移して広がっている。
ここまで進行している状態だと、あと5年で6割死ぬねと。
以来、いつ死んでも良いように、選挙の挑戦もやめ、会社の体制変更も実施。
とはいえ、1日でも延命できればと、毎日、オーガニックレモンや野菜のジュースを飲み続け、肉食も減らし、納豆も食べ続け、サプリメントも飲み、ベッドも変えて睡眠時間をモニタリングして増やすなど、健康管理でできる努力は全てしてきました。
そんな5年間が経過し、一方で、残っていた癌が大きくなっていると言うことで、今週、手術して再摘出しました。
ただ、おかげさまで、その術後診察で言われた言葉が、人生を前向きにさせてくれる言葉となりました。
「前回手術の2年後に、当時の日本では施設の制約でできなかった治療法が保険適用になった。
また、最新の技術では、今回手術で摘出した癌細胞の遺伝子を調べて、その細胞をダイレクトに叩く薬を開発することもできるようになっている。
医療技術も時間の経過とともに進歩しているので、もうここまで来れば、そこまで心配する必要はない」と。
これまでも、「生き伸びてさえいれば、医療技術が進歩して必ず治るようになるから、まず生きよう」と妻からたびたび言われていました。
しかし、実際に5年という時間が経ち、医師から上記のような発言の転換が起こると、改めてそのことを実感しました。
時は命を生み出してくれるんだと。
医療技術の進歩が命を作り出してくれていると。
医療技術や創薬への投資というのは、ビジネスになるかも分からない中で研究開発に投資をし続けることが必要で、研究の失敗と撤退を繰り返しながら、粘り強い挑戦が必要になる。
そんな中で、研究を続けてくださっている研究者や医療関係者の皆さん、経営者・投資家の皆さんに心から感謝したいと思いました。
正直、「あと数年か」と思っていた人生が、「まだ40年、いや60年ある」と思うとマインドセットが変わりました。
ここから、復活した第二の人生として新しい挑戦を考え、動いていきたいと思います。
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