データをどう活かすのか、よりも前に考えておくこと
昨年のオフから今年の2月頃にかけて、プロ野球界で話題になったのがドライブライン・ベースボール。
全身30ヶ所以上にセンサーをつけて動作解析を行なって理想的な動きになっているか確認したり、ボールの回転軸や回転数を計測して理想の球を投げられているかを解析します。そのデータを元に適切なメカニズムになっているか、どのように修正していくかを学び、練習していきます。
もしコロナがなく通常通りにシーズンが始まっていたら、その成果がわかりやすかったかもしれません。
ここまで専門的ではなくても球の回転数や角度などを測定するトラックマンや、動作解析を導入するチームはプロだけでなく大学のチームでも増えてきています。ただ、ここで考えておかないといけないのは、
データは取ろうとすればいくらでも取れる
ということ。単純にいえば、パフォーマンスに関係のないデータやトレーニングではどうにもならないデータを見つめて、どうしよう、こうしようと考えてしまうことがあるということです。
最近では動作解析の精度もかなり上がっていて、三次元での解析でも数分でデータを見ることができるようになりました。結構あることなんですが、データは取れるだけ取っておきましょうとなっても活かすことができないんです。
データは取ることが目的ではなく、そのデータからパフォーマンスに活かすことが目的です。
なので、
・どの数値がどのパフォーマンスと関係しているのか
・その数値を改善する方法を知っているのか
・選手にその方法を適切に伝えられるのか
といったことまで考えた上で、取るべきデータを決めていく必要があります。数字を扱うようになると気づかぬうちに陥ってしまうワナのようなもの。
この時代、いろんなデータが見れるようになったからこそ、そのデータを活かすことこそトレーナーやコーチの役割とも言えます。
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