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8月8日、晴れた空の日に。


ひとりのがんばり屋さんが、空にのぼっていった。半年の生命を駆け抜けた。

澄んだ瞳でまっすぐ見つめてくる、愛くるしい存在。何度も困難を乗り越えてきた、強い子。

お別れの挨拶をすることができた。
挨拶のとき、パパやママに、初めてその子と直接会うことができたおばあちゃんに、同じお腹で時を過ごした希望の子に、なにも想いを伝えることができなかった。

ただ、家族の想い、両親のひたすらに強い姿、その裏にはどれだけの涙と苦悩があるのか、おばあちゃんの涙、ありがとうって言葉、そしてもうひとりの奇跡のほっぺときらきらした視線、、
涙が出てきて、隣で一緒に泣いてしまってすみませんって、たったその一言しか言えなかった。

私は弱い。
たくさんたくさん伝えたいことがあるのに。
がんばったね。えらいね。
家族みんなみんな、えらい。強い。
これから成長していく君は、たくさんたくさん幸せを追いかけていいんだよ。

両親とおばあちゃんの姿が私の家族につながって、もうひとりの彼がまるで私みたいに思えてしまって。
何も言えなかった。

パパとママと、おばあちゃんと、そしてもうひとりの彼に、伝えたいこといっぱいあったのに。


これからあと5年後、10年後、20年後、
あの家族は、そしてあの子は、どうやって過ごして、成長していくのか、、

悲しみと葛藤と、そのほんの一部しか知らないけど、それでもそれを知ってしまっている私は、
子どもが骨になってしまう、小さな箱にことんと入ってしまう、その後の生活、、
受け取ってしまうその辛さを、家族のみんながほかの誰かと分けあえればいいのに、
少しでもふっと力を抜ける瞬間があれば、、

あの子がどれだけがんばってきたか、知ってる私が、きっとできることがあるはずなのに、でも何もできなかった、、


看護師だからとかそういう問題ではなく、ただただ人間的に弱い。
もっと強くなりたい。
寄り添えるようになりたい。力になりたい。

別に、感情移入して、どうのってわけじゃないけど、
私はこのあとも仕事をして、他の子どもたちの命と関わって、
家にかえったらやりたいことやって好きなもの食べて、
そうやって普通にすごしていくこと考えたら、なんか憎いなって、思ってしまった。
日常をすごすことが、こんなにむずかしいなんて。だから、もっと強くなりたい。

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