当たり障りと思いやりについて
当たり障りとは何か。
当たり障り
他に悪い影響を及ぼす事柄。さしさわり。 「 -のない話題を選ぶ。」
>『三省堂 大辞林』
この前提で考えると、
当たり障りのないコミュニケーションとは、
他に悪い影響を及ぼす事柄を避けて人と接するということだと思います。
そもそも接してる時点で当たりもするし障りもするじゃん、と思ってしまいますね。
最近は、
現代人のメンタルを守るためか、
思っていることをそのまま言ってしまう方がよしとする風潮もあるし、
相も変わらず、他に悪影響を及ぼしそうなことは避けて本質をねじ曲げて表現する風潮もあります。
一生懸命作ってくれたご飯を「不味いからもう無理」というか、「お腹がいっぱいです」というか、「味付けをこうしたらいいんじゃない?」と急にアドバイスを始めるか。
どれが気持ちよく着地するかは人それぞれですね。
どう着地するか考えてもわからないしめんどくさいから出されたものを全部食べた上で「二度と食べない」と心に誓う場合もありますね。
『他に悪影響を及ぼすこと』を避けるのであれば、対面する相手にズケズケものをいうのはどうしたものかと思います。
人には踏み込んでもらいたくない距離感があるからです。
「半径3mならいいけど2.9mだとどうにも敏感になる。」みたいな。
「さっきまで機嫌良かったのになんで?」みたいなボーダーラインがあったりします。
それならば、当人同士で火花を散らすことなく、周囲に不穏な空気を醸すこともなく当たり障りなく、こじんまりと収まっていたいとも思います。
「あ、お腹一杯です!」
「うん、美味しい!(二度と食わないぞ)」
「(久しぶりにあって顔がまん丸になってた女友達に)なんか雰囲気かわったね??前髪切った?」
「(今日のデートの内容には触れず)今度はこっちから誘います(誘わない)」
『他に悪影響を及ぼすこと』を避けることなく、踏み込んでいくにはリスクがあります。
相手に不快感を与えるリスク、自分を受け入れてもらえないリスク、その結果、周囲に不穏な空気を醸す可能性。
「(店主を前にして)ここのラーメン味噌汁みたいな味するね。」
「(久しぶりにあって顔がまん丸になってた女友達に)あー、太った??」
「今日のデートすげえ疲れたよ。」
自分のメンタル1つであれば、覚悟1つでどうにでもなるけども、
個人間と周囲へなんらかの影響を与えるのであれば「それをどういう覚悟で貫くのか?」という部分が気になる。
自分1人ではない。
大事なことだけれども、
そこにいるのは自分1人ではない。
思いやりで解決しないの?
おもい やりおもひ- [0] 【思い遣▽り】
①
その人の身になって考えること。察して気遣うこと。同情。 「 -のない仕打ち」
②
遠くから思うこと。想像。推量。 「 -異なることなき閨のうちに/源氏 帚木」
③
思いめぐらすこと。思慮。考え。 「いにしへのすきは、-少なきほどのあやまちに/源氏 薄雲」
「思い遣り」に似た言葉
» 類語の一覧を見る
弔意 同情 弔慰 了解 同調
>『三省堂 大辞林』
いっぱい出てきた。。。
結局ね、考えてるだけなんですよ。
正解はないですからね。
「相手の立場になって」「一歩身を引いて」考えてみるわけです。(遠くから思うこと、ともありますよね)
個人間ではごめんねで済むかもしれませんが、
ごめんねで解決するまでの周囲のエネルギーだったり、結局なにも解決しなかったときのエネルギー。
本当はなにも許してないのに許したふりするエネルギー。
いろんなものが感じられます。
1人の覚悟の問題でもないのね。
自己実現のためには
「自分はこういう人間だから、、」
と貫くのも大事なファクターではあるけど、
何も言えずに生きている人の方が5割増しくらいで多い気がするよ。
君も言えないなら僕も言わないよ、
君が言うなら僕も言うよ、
一対一なら本音で喋るよ、
一対二なら表面で喋るよ、
相手が出しても自分は出さない。
相手や周囲を傷つける覚悟もなきゃ延々受け身になると思います。
覚悟って一方的な覚悟じゃないからね。
だから、当たり障りのない人って、
すごくめんどくさがりで自分本位でもあるけど、一周回って愛情のように思いますね。
いろんな家庭があると思いますが、
うちは母が当たり障りない放置型容認型で非道徳に感じたらガチ怒りするタイプ
父が当たり障りしかない直情噴火型で自分の思いそのまま爆発して周りを白けさせるタイプ。
でも、生きてるんだよね。
たぶんね、本質は父に似てる。
でも、当たり障りなさにも憧れる。
生きていくために腹に一物抱えてるって愛情じゃない?