10月の空
チリチリと肌を焦がす紫外線を避け、木陰のベンチに座ると、この季節らしいそよ風が心地良く汗を冷ましてくれる。
無心に公園ではしゃぐ子供達とは裏腹に、体力のない親は一休み。
バトミントンにキャッチボール、
逆上がりに滑り台、
シーソーに虫捕り。
縦横無尽に駆け回る様は、まるで羽が生えた地上の鳥だ。
「パパー!かげおくりしよう!」
汗だくの額にハツラツとした声で誘われて、腰を上げる。
手を繋ぎ、地面の影を見つめながら十を数える。
快晴の空を見上げると、そこには手を繋いだ自分と子供達が空に浮かんでいた。
大成功のハイタッチを決めると、また次の遊びへ走り出す。
どこまでも自由なその後ろ姿に、鬱々とした気分はどこへやら。
影を映した空にはもう夏の厳しさはなく、優しい青で包み込んでいる。
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