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【30代独身女 都内住宅購入記⑤】なぜ家を買うのか、本当に欲しいのかを考える

みんな、なぜ家を買うのだろう。
私の友人の中で、家を持っているメンバーはかなり少ない。そして、お子さんの有無に差はあるが、100%既婚者である。
家を購入した理由も、家族が増えるタイミングと今住んでいる賃貸の更新のタイミングを見てちょうど引越しが視野に入り、家賃も高いし広いところに住みたいし実家の近くがいいので郊外に買うというものだったり、中には「相続したんだよね」なんていう人もいた。

なお、夫婦で猫を飼いたいと思っているが賃貸だと選択肢がなく気落ちしていたところ、たまたま良い物件を見つけて購入したという友人もいた。今は、ご縁を見つけるべく保護団体を調べているとのことである。(全力で、猫との暮らしがどれほど素晴らしいかを語っておいた。)

一方、私はどうだろう。
結婚の願望も予定も全くない身である。今後ライフステージの変化はほとんど発生しないだろう属性の人間だと自負しているのだが、だからこそなぜ今家を買おうとしているのだろうか。
不動産バブルが崩壊するかもしれないと言われている中で、別に数年待ったって誰にも咎められないし困ることもない。
あと数年待って金融資産を増やして、ある程度頭金を入れることも視野に入れて再度物件探しを始めたっていいかもしれないのだ。

前回おすすめした「住宅購入の思考法」でも主人公が同じく家を買う理由を考えるシーンがある。家が狭くなってきたから?というような理由を一瞬挙げるのだが、夫婦の会話の中で"それは賃貸でも普通に叶うよな"と思いなおす。

私も同じような理由で物件探しを始めたのだが、確かにわざわざ家を買わずとも解決できる問題ではあるのだ。何より、家が気に入らなければ引越せばいいという身軽さは賃貸に100%軍配が上がると思っている。

もう少し、掘り下げないといけない。そう感じ、せっせと紙とペンを持ち出して思うことをつらつらと書き出してみた。
どうでもいい話だが、私は思考整理の際にはアナログでも自分の手を動かすのが好きである。

家が欲しい理由①:愛猫ファーストの家に住みたい

考え始めて、まずいの一番に思い浮かんだのが愛猫のことだった。
もちろん、今の家でも大きな不自由が発生しているわけではない。

ただ、もっと猫が安全に、楽しく暮らせる家にできるように改造できないかなと考えることは多々あるのである。

例えばキッチン。料理中はじゃれつく愛猫をよけよけしながら、危ない食材や火に近づかないように常に気を張っていないとならない。そして本当に器用ないたずらっ子なので、これまで興味を示さなかった引き出しや棚にある日突然目をつけ、あの手この手で中を物色しようとするのである。

私が見ていられる内は良いが、寝ている間などに何か危ないことが起きないか不安になってしまって、食材は冷蔵庫に確実にしまい込み100均のドアロックで対策、その他少しでも危険を感じるものは絶対に愛猫が開けられない天井裏の収納などに閉まっている。
これが、当たり前だが生活導線が良くないので不便を感じることが多いのである。(ただ、それでもいいと思いながら生活ができるので私もなかなかの猫の下僕である。)

とはいえ自身の安心やスムーズな導線のためにもできればキッチンは立ち入り禁止区域にしたい。だが、賃貸だとできることに限界があるのだ。

脱走防止ももっとがっつり行いたいし、床も足腰に負担がないものに変えたい。壁にキャットウォークを設置したいと思ったりもする。(なお使ってもらえるかはまったくもって未知数である)

私は一にも二にも愛猫優先という人間なので、たとえ独りよがりだったとしても愛猫の安全に配慮し暮らしやすい生活空間を作ることができるのは間違いなく持ち家だろうと感じた。

家が欲しい理由②:老後の不安を減らせる

さて、前段でも述べた通り私は結婚の願望も予定もない。
それはつまり、自分の尻は常に自分で拭かなければならない、もしくは拭くための準備を常にしておかなければならないということである。

ウン十年後の世界や日本がどうなっているかなんて全くわからないが、果たして定年を迎えた後の人間に手放しで家を貸してくれる社会なのだろうか。独身の高齢者なんて、孤独死の心配がまず最初にやってくるはずだ。働き盛りの年齢と比較すると、簡単に貸しますとも言いづらいだろう。
つまり、路頭に迷う可能性がとんでもなく高い。

そして、仮に今家を購入できたとすると、定年を少し超えたあたりでローンを完済できる計算になる。
もちろん、現役時代にしっかりと資産形成を行っていることが前提となるとは思うが、年金ももらえるかわからないというあまりにもお先真っ暗な不安が付きまとう中で、ローンの返済が定年後でもそこまで長引かないことを考えるとまさに今という気がしている。

とにもかくにも、老後でも住む家があるという安心感は、私のような人生設計を思い描いている人間にとってとてつもなく絶大なものなのである。

家が欲しい理由③:人生経験

何だか軽い言葉ではあるのだが、単純に家を買うということを経験したいという思いも持っている。

物件探しを始めて「もう賃貸でいいかな…」と思う場面もいくつかあった。このような表現が正しいかわからないが、あらゆる面で楽なのだ。
別に借金を背負う必要もないし、気に入らなかったらさっさとおさらばすれば良いし、どこかが壊れれば管理会社なり大家さんなりがなんとかしてくれるし。

一方で、家を買うとなると考えなければいけないことが山ほど出てくる。今後の自分の人生や現実と向き合う必要があるし、金銭面でも金利がどうこう・バブルがどうこう・管理費や修繕積立金の値上げがどうこうと様々な角度で検討しなければいけない。もしずっと住み続けるとしたら、高齢になっても不自由なく暮らしていくために駅やスーパーに近い方が好ましかったりもするだろうという所で立地も選別しなければならない。大きな買い物であると同時によく知らない世界でもあるので、ある程度の知識は購入者側もつけておく必要があるだろう。
けれど、そういった苦労を乗り越えた先により良い自分の理想の生活があるはずとも感じている。いくらでも楽な道はあるけれども、そこから逃げなかったという経験が人生を良いものにできる、というのが持論だ。

…何だか高尚な言い方をすると楽な方に逃げたくない、ということなのだが、もう素直に言う。

家を買うってかっっっけーもん。やってみたい!

家が欲しい、家を買おう

このように考えを整理してみて、改めて私は決意をした。
やっぱり家が欲しいな、買おう、と。

そうと決まれば、次に考えるべきは予算と条件だ。
まずは予算の目途を立てるべく、私はファイナンシャルプランナーを探し始めた。

その話はまた次回に。

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