見出し画像

【30代独身女 都内住宅購入記⑥】ファイナンシャルプランナーとライフプラン&キャッシュフローを考える

家を買うというイベントと切っても切り離せないお金の話。
自分は一体どの程度ローンが組めるのかと、それが無理なく返済していける額なのかは全く別物である。購入して数年は良くても、例えば転職をして一時的に収入が下がったら?物価が上がり続けたら?金利が上がったら?
ローンの返済という観点だけではなく、人生100年時代と言われている中で、退職後に不自由なく暮らしていけるだけの金融資産を保持できている状態になるのかも考えなければならない。

ということで、私は住宅の予算決めと今後の人生のキャッシュフローがどのようになるのかをシミュレーションすべく、ファイナンシャルプランナー(以下FPと略したい)の方に相談を行った。

なお、これは後に出会う不動産エージェントの方が思わず笑ってしまうほどだったのだが、念には念を入れて3名のFPの方にシミュレーションをお願いした。2名はネットで「FP相談 無料」で検索してトップに出てきたサービスを利用し、1名は不動産会社からの紹介である。

こんなに何名もの方に相談を行ったのは、大変失礼ながらひとえに私の業界への不信感ゆえである。(完全にイメージのみである。あまりにも主観的で申し訳ない。)
不動産会社からの紹介であれば、FPはその会社から報酬など発生しているのだろうが、何だか生活に支障をきたすほどの金額の住宅を購入させるように動かれてしまうのでは?と感じてしまったのだ。不動産会社としては多くの場合物件価格に対して仲介手数料を得られるので、購入される物件が高いに越したことはないと思っているのである。
一方、無料のFP相談は大抵が金融商品の営業とセットで、FPは保険会社等から手数料を得ている。保険の営業などされるかも、と思いつつ、やはり不動産会社を通していない分多少は中立的な立場で相談に乗ってくれるのではと考えたのだ。

何より、1名のみに「何千万の家まで買ってOKですよ」と言われたところでその金額が本当に現実味があるかセカンド・サードオピニオンが欲しい…と思ってしまったのである。

FP相談、どうだった?

こうして3名の方と面談を行ったのだが、結論、とてもとても良かった。
FPの皆様、何も知らず敬遠してしまっていて申し訳ありませんでした。

この先何十年のシミュレーションを数時間もあれば行ってもらえる。大抵の場合、自分では収入は大きく・支出は小さく考えてしまうことが多いそうなのだが、そういった部分も冷静にFPの方がハンドリングをしてくれるのである。
例えば、昇給率を見込む際に「一般的にこれくらい上がるはず」という前提ではなく、「念のため、収入が上がらずともローンの返済が立ち行かなくならないかきちんと確認してみましょう」と助言してくれたりするのだ。
その他諸々、悲観的な場合のシミュレーションを行ってくれるのである。収入はもうずっと上がらない、再雇用されたとしても年収が半分程度になる、退職金も満足にもらえない、それなのに管理費・修繕積立金も物価も金利も上がり続けるし家の修繕や家電の買い替えなど大きな出費は定期的に発生するという中々地獄の社会だとは思うが、そういった状態になってもローンを返済しつつ老後の金融資産をしっかり形成できるかどうかまでシミュレーションしてもらえるのは安心感がある。

つまり、本当に多角的なシミュレーションを一瞬で導き出せるツールを先方はお持ちなのである。
自分で同じことを行うことだって100%無理ではないのだろうが、細かい部分に見落としがあるかもしれないし、何より数時間の問答のみで無料で作成してもらえるのであれば頼るべきである。

また、ファミリー層には特におすすめなのではないかと感じた。
私の場合配偶者や子供のことを考える必要がなく割と波のない(もっと言うと全く面白みのない)シミュレーションになる。一方で、例えばお子さんが今は一人だけどもう一人欲しい、私立の中高一貫に入れたい、そのために塾通いを…などなどということを考え始めると、それこそ考えなければならないことが多いので情報を整理してくれる第三者の存在は活用するとよいのではないかと思う。

結局、いくらの家が買えるのか。

結果的に、3名とも「6,000~7,000万円程度であれば無理なく返済ができ老後の資金も心配なく準備ができる。8,000万円だと少し苦しくなるしローンの審査としても上限だろう」という話になった。
それぞれ様々な角度で超悲観的な場合のシミュレーションを行ってもらいながら似たような結果に落ち着いたので、これが自分の予算キャップになるだろうと考えている。

とはいえ、月々の支払いに直すと中々の金額にはなる。(今が本当に安いアパートに住んでいるのでなおさらである)
この住居費のジャンプアップにまだ自分の心が追いついていないのが正直なところだが、ひとまず予算の上限がはっきりしただけでもよかった。

余談だが、年齢的には大先輩であるものの独身の女性がたまたま担当者の1人になった。
その方もマンションを自身で購入され、老後の備えもしっかりされているということで色々なお話を伺うことができた。

髪の毛もツヤツヤで綺麗なネイルをされていて、穏やかな雰囲気ながら「これだと生活費を低く見積もりすぎですね」など締めるところはぴしゃりと締めてくださる素敵な女性だった。
その方から見ればひよっこの年齢の自分が相手であっても大変真摯に相談に乗って下さった。お仕事にとても誠実な方なのだと感じた。
そして、自分のことは自分でしっかり解決するのだ、そしてその力がしっかりあるのだという自信を身なりや言葉・振る舞いの節々から感じる方であった。

私も十数年後、今の私と同じくらいの女性から同じように感じてもらえるような人間になれているだろうか。
そう思わずにはいられなかった。

こういった出会いも、住宅購入を考えなければなかっただろうと思うと感慨深かった。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?