地域クラブに蔓延するお金の価値を見出せない人々。【世論が話題のニュースを綴る02/僕の仮説71】
■クラブの商品力が他力本願なワケ
お金は道具にすぎない。
古くは物々交換の道具が始まり。その機能は現在も変わっていない。1~500円、1000~10000円、ある意味、外見は人が作り出した共同幻想。交換する価値に出会わなければ使うことはなく、ただの金属と紙きれだ。
たとえば、買い物とは何なのか?
商品に値札、つまりモノを売っている相手がつけた価値が記されている。そこで「買いたい」と思えば交換してもらうのに必要な金属と紙を差し出す。
買い物は成立した。
「だから何?」
こう思った人が、サッカー界には蔓延しているのではないか?
実は、お金を支払った理由はモノだけにあるのではい。買いたいという「欲求を満たすことに価値がある」と判断したからだ。つまり、価値の等価交換を行っている。
販売側は『商品=モノ』に「これだけの価値がある!」と自信をもって値をつけた。だから、値段を数字で表現し、価格と呼ぶ。そして、購入側はそのの価格に対して「お金を支払う価値がある!」と結論づけたから等価交換によって『モノ=商品』を得た。現代のIT社会では、数多くの『商品=サービス』という目に見えないモノも存在する。
先日、こんなニュースを見かけた。
いろいろ言いたいことはあるが、一つだけ問いたい。
JFA選手登録したら、何が得られるのか?
JFAが主催する大会に参加できる権利を得るくらいのモノだろうが、大部分の選手はJFA主催大会の試合を年に数えるほどしか経験しない。実力主義をうたうチームに在籍する選手に至っては、1試合も出場できないことがある。
ある種、こんな特権階級だけが得をする仕組みなら、「JFA選手登録したらスポーツ保険の領域をすべてカバーし補償します」みたいな施策に変えてくれた方が、応援する家族を含め、選手は安心してプレーできる。さらにクラブやチームの不安と負担も減る。
JFAにとってはサッカー界が経済的に回る基本的な原資となるお金、たとえると税金を徴収する手段として『選手登録をしたら全国大会に紐づけたそれぞれの大会の出場権利を与える』ことを商品としたのだろう。
もちろん選手登録する意味、機能には他にあるが、地域クラブの立場からすると、大きな理由が『選手登録することで得られる権利』を購入している。選手登録費にも付加価値はあるだろうが、ざっくりと簡略化するとこんなところではないだろうか。
今回は、これ自体を議論する気はない。これを踏まえ、「だったら、地域クラブにとっての商品は何なのか?」をテーマに掘り下げていきたい。
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