挨拶と人とのつながり【週一ジュニアコラム06】
▼挨拶は何のためにするか
育成年代では、頻繁に「人間力を養おう」とうたわれます。
そのとき、コーチが選手に対して真っ先に求めるのが挨拶です。
・おはよう
・こんにちは
・こんばんは
・さよなら
・ありがとう
・ごめん
「人と人とが生きる」上での基本作法なので、すばらしい指導だと思います。
選手がグラウンドに黙って入ってくると、多くのコーチが「挨拶は?」「何もいわないの?」と声をかけます。すると、子どもが「こんにちは」と恥ずかしそうに挨拶をします。これはどこにでもある日常風景です。
挨拶は当たり前。
国を問わず、常識として認識されています。ただ、ほとんどの人が理由を深く考察することはありません。なぜ「挨拶ができるようになると人間力が身につくのか」を考えたことがありますか?
いろんな意見があるでしょう。挨拶はコミュニケーションのきっかけだという意見もあります。まさにその通りであり、そういう機能も果たしているので正解です。
ただ「きっかけ」という理由だけで使おうとすると長続きしません。
なぜなら勇気が必要になるからです。選手の中には、人見知りの子もいます。また、挨拶後の会話が続かず、気まずいのが嫌という子もいます。ここ数年で定着した「コミュ障」的な子です。本人にとっては障壁です。
挨拶を気持ちや気合いの問題として捉えると解決しません。それこそ根性論と同じです。大げさに問題というから子どもの取り組みが増えるばかりで、サッカーをみんなでプレーするという本来の目的から遠のき、時間を削ってしまいます。
たとえば、サッカーを活用して解決すればいいと考えています。
コミュ障はサッカーによって解決できるものです。見方を変えると、サッカーはそのためにあるともいえます。それはコミュニケーションがうまくならなければ、サッカーというチームスポーツに取り組む意味がないからです。
コーチが挨拶を大切にするのはなぜですか?
ここから先は
¥ 330
「僕の仮説を公開します」は2020年1月より有料になります。もし有益だと感じていただけたらサポートいただけますと幸いです。取材活動費をはじめ、企画実施費など大切に使わせていただきます。本当にありがとうございます。