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上達や成長だけを見ない。【特別寄稿/僕の意見①】

■比較対象を他者に定めない

大人があれこれ教えなくても、子どもはボールとゴールを与えたら勝手にサッカーを覚えていきます。

グラウンドに行くと、いつも大人より遥かに才能に溢れた存在だと認識させられます。最近は「いかに言葉をかけず、指導をせずに子どもが変化できる」環境を作るかを考え続けています。

「コーチやお母さんお父さんの言葉なんて本人の自覚に1mmも勝てない」

大人の関与は子ども自身の自覚の足元にも及ばないことを現場に行くたびに思い知らされます。だから、私がコンサルとして関わっている地域クラブは、「サッカーがうまくさせよう」とは一切考えていませんし、そのことを第一に掲げません。

まず、自己表現することが大切です。
・全力を尽くす
・転んでも立ち上がる
・空気を察して行動する … etc.

サッカーという環境を活用して子どもが学べるものが、こういうことだと捉えているからです。人と人とが交わって成長できる機会を最大限に生かした場所が、ジュニアスポーツの現場だと、私は思っています。

だから、大人が子どもにできることは『自己表現をしたときに認めてあげる』ことです。その表現が成功した場合は褒めることであり、失敗した場合は受け入れて問いかけることです。

私は「声のかけ方を失敗したな」と感じたとき、「邪魔した」と常に知識と経験のなさに苛まれます。サッカーを勉強するより心理学や社会学、教育学、哲学などを学ぶことに圧倒的な時間を費やすのは、相手が子どもという未知の人間だからです。

だから、一般社会で必死に仕事をします。サッカー以外のことを学ぶ材料に溢れているからです。これこそがサッカーの現場に第三者として関わる一番の武器であり、強みです。

サッカーの現場に当事者として関わる人たち、つまり指導者やお母さんお父さんをリスペクトするからこそ学術的な学びとピッチという現場に立つことを止めません。それが第三者として関わる機会を与えてもらっているマナーだからです。

そして、ジュニアの現場で10年ほど取材やコンサルを行い、一周して子どもが育つ理想だと思う環境は『友だちとサッカーして遊ぶ』『年齢の違う仲間とサッカーして遊ぶ』ように練習や試合を体験できる場所を創造することです。

みなさんはどう思いますか?

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