見出し画像

メッシやエムバペを育てられるかなんて選手に関係ない【世論が話題のニュースを綴る06/僕の仮説84】

■個を誇張しずきる議論は不毛

ワールドカップの決勝を「メッシ対エムバペ」と比喩し、一人の選手を誇張しすぎる報道や議論に辟易している。

勝負は彼らのおかげで勝ち、彼らのせいで負けたのだろうか。大きな影響力を持つことは間違いない。しかし、勝敗の全責任を負っているわけではない、一個人の固有名詞を取り上げる異常性に違和感を覚えている。

そう思うのは、サッカーが「11+α対11+α」で競い合うスポーツだからだ。とくに代表戦はそれが色濃い。各国ともに集大成が代表チームである。サッカーはいつから個人スポーツになったのか。

メッシやエムバペが11人集まる。
各ポジションの世界No.1が11人そろう…

盛り上がる気持ちは理解できる。ただ、サッカーを語り、議論しようではないか。どちらを選んでもワールドカップを制覇できるとは思えない。そもそも日本サッカーには「11+α」の概念が不足しすぎだ。

「+α」とは、何を指すのか?

たとえば、この答えを選手、監督、コーチ……その程度で語るとサッカーへの理解は深まらない。お母さんお父さん、各カテゴリーで指導に関わってくれたコーチやサポートしてくれた人々、当然学校の先生も含まれる。

つまり、一人の選手を形成することに関与したすべての人と出来事が、この「+α」には包括されている。

カタールで行われたワールドカップでは、それをアルゼンチンが実証してくれた。

ここから先は

3,763字 / 2画像

¥ 330

「僕の仮説を公開します」は2020年1月より有料になります。もし有益だと感じていただけたらサポートいただけますと幸いです。取材活動費をはじめ、企画実施費など大切に使わせていただきます。本当にありがとうございます。