#57 長崎・佐賀 撮影旅行 ~平成6年の想い出①
熊本時代の撮影旅行
二十歳前後の頃、熊本に住んでいました。何をするでもなく、ふらふらとしていた時代。そんな時でも撮影に出かけていました。そんな当時のアルバムから、長崎・佐賀撮影旅行の記録が出てきました。
平成6年5月3日 火曜日 くもり
旅をしようと思った。いくつかのプランを練り、検討した結果、長崎・佐賀旅行に決定した。
ちょうどいい時間に目が覚めた。準備は全て終わっているので、朝食のカレーを食べるとすぐに家を出た。市電・上熊本行きで健軍町を出発し、熊本城前へ。まず、今回の旅の始点である交通センターの建物を撮影。今、交通センターは大改装の最中で、切符売り場などは、もう新しいものが出来上がっている。その新しい券売機で諫早までの切符を買う。この前来たときは機械の調子が悪かったが、今日はいい。
バスは産交バスの中級クラスの標準的なものだ。ほぼ定刻、7時41分発車。車窓風景は悪くなく、20分に一度と程よい頻度で止まるので退屈しない。バスは玉名産交に到着した。だいぶ早く着いたようで、しばらく停車するとのこと。中規模のターミナルだ。外へ出てバスを撮影する。再びバスは走り出した。
9時頃、長州港に着く。ここからバスごとフェリーに乗り込み、有明海を渡るのだ。このルートのバスのおかげで今回の旅が成り立ったと言ってもよい。フェリーに乗り込むまでまだ時間があるのでバスを降り、カメラを持って外へ出る。岸壁でフェリーを撮影する。バスに戻り、間もなくバスはフェリーに乗り込んだ。上の客室へ移動する。航行中はチェーンがかかり、車輌甲板へ降りることはできない。今日は程よい気温なので、デッキにいても寒くない。9時25分長州港出港。けっこう客が多い。ゴールデンウィーク中なので、当然と言えば当然だ。
フェリーが多比良(たいら)港に近づくにつれ、前方に普賢岳がよく見えるようになってきた。乗客が通路に集中して、カメラやビデオにその姿を収めていた。自分もその中へ入っていく。やがてチェーンが外され、バスへ戻る。バスはフェリーを降りると長崎県を走り出すが、この辺りは自分の生まれた土地であり、よく知った風景が展開する。西郷駅前を通過。目を凝らして駅前の様子を見たが、よくわからなかった。
バスはだいぶ遅れて走っているようだ。特に渋滞などにかかった様子もないのに、定刻になっても諫早(いさはや)のだいぶ手前を走っている。結局、諫早駅には11時20分頃到着した。20分の連絡時間だが、当然のごとく予定は崩れる。11時14分の普通に乗るつもりだったが、その列車はもう行ってしまった。次は、11時51分の快速である。これで行くしかない。千綿(ちわた)には止まらないが、彼杵(そのぎ)まで行って、普通で引き返せばよい。彼杵までの切符をオレンジカードで買い、改札口へ。地下道を通って3番ホームへ行く。側線にディーゼルカーが止まっていたので写真を撮った。車内で食べる駅弁を買う。「大村ずし」があった。ジュースも買う。やがて、キハ200、4連の佐世保行き快速が入ってきた。シーサイドライナー用として新たに導入されたもので、個性的なブルーのボディーカラーが新鮮だ。
さっそく乗り込むが、長崎からの乗客が多く、進行方向逆向きの座席を確保するのがやっとだった。発車まではまだ時間があったので、この列車をカメラに収める。車内も新しい清潔なもので、好感が持てる。11時51分、諫早発。さっそく大村ずしを開ける。列車は大村線へと入っていく。もっとも昔はこちらが長崎本線だったのだが。パクパク食べていると、間もなく大村に着く。次は彼杵だ。大村ずしを食べてしまう。車窓には大村湾が広がる。数本の列車と交換して、12時22分、彼杵着。
駅には一応人がいて、切符を集めている。しかし硬券入場券はなかった。千綿までの切符を買うと、すぐ来るから向かいのホームに渡るように、とのことだった。列車は5分ほど遅れて12時40分頃入る。渋い色の2連だ。千綿で下車。ホームで撮影するのは無理なようであった。駅を出て松原方向へ歩く。S字カーブを見つけ、三脚を構える。しかし、通過表を見ていると、シーサイドライナーが急に来て、シャッターを切り損なう。次の列車は、ファインダーを覗こうとして三脚を動かしてしまい、また失敗。こうなるともう40分くらい何も来ない。ステレオヘッドホンがおおいに役立つ。ようやく下りシーサイドライナーを撮影するが、もう乗車する列車の時間がギリギリだ。あわてて機材をたたんでいると、駅方向へ向かうバスが来たので、止めて乗り込む。しかしその時その場所に、ケーブルレリーズを忘れてきたのだった。くやしがっても遅い。千綿駅前はすぐだった。駅舎をカメラに収めて三河内までの切符を買う。間もなく列車が入ってきた。
続きはまた明日
今日は、千綿での撮影のところまでで終わりにします。この後、三河内で撮影して、伊万里の宿に向かいますが、それはまた明日。