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#36 終焉間近の「有明」を撮影

今春のダイヤ改正で「有明」は廃止

 30年以上前、撮影を始めた時からずっと走り続け、撮り続けてきた、特急「有明」の歴史に、今春、幕が下ろされることになりました。国鉄時代からも含めて相当な長い期間、九州を代表とする特急として君臨し続けた「有明」。自分の印象の中では、博多と西鹿児島(現・鹿児島中央)を結ぶ、九州のメインルートでした。やがて、787系「つばめ」がデビューし、主に博多から熊本の間の都市間輸送に役割が変化しました。九州新幹線部分開業(新八代~鹿児島中央)後も、787系「有明」は健在でした。

 状況が大きく変わったのは、2011年の九州新幹線全線開業。博多~熊本・鹿児島中央間の輸送の役割を新幹線に譲り、博多から熊本県・長洲の間の数往復に一気に勢力が縮小してしまいました。その後も、徐々に本数を減らし、残るは大牟田→博多の、平日の朝に1本だけの運行に。

 その、最後の一本も、ついに今年春のダイヤ改正で姿を消し、「有明」は過去の歴史になってしまうことになりました。

大牟田から引っ越してきた矢先

 今年の1月、15年ほど暮らした大牟田を離れ、福岡市内に引っ越してきたばかりでした。まるで、大牟田から旅立つのを待っていてくれたかのようなタイミング。西鉄の、天神大牟田線も今春の改正で大きな動きがあるようで、お世話になった大牟田の街の将来が心配です。

最後に撮影しておこうと

 天気予報とにらめっこし、本日、撮影に行くことに決めました。時間帯、光線の向き、ロケーションを考慮すると、やはり場所は原田~天拝山の定番撮影スポットしかありません。早朝の西鉄電車で桜台へ。スマホに導かれて撮影スポットにたどり着きました。少し曇っていたのと、時間が早いので、かなり暗めの、フィルム撮影には厳しい状況です。こんな時には、明るい単焦点レンズが本領発揮です。EF 85mm F1.8 USM、未だに現行のラインナップに入っている息の長い定番レンズです。間もなく、「有明」がやってくる時間。緊張の瞬間です。対向列車が被ることもなく、無事に撮影できました。

 当然、フィルムなので、現像するまで、ちゃんと撮れているかはわかりません。まだ、カメラにフィルムが残っているので、桜の撮影にとっておこうと思います。それまで、最後の思い出の「有明」は、カメラの中です。



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