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凧、ハウリング、百葉箱、A面、に寄せて - 文・MKRDTSB

MKRDTSB(※身から出た錆と読む) a.k.a. Mika/Sabi/Minoriです。

2024/7/21-7/26 at Coffee Ritmos 三人展「凧、ハウリング、百葉箱、」にお運びくださったみなさま、気にかけてくださったみなさま、そして、お誘いくださった西ウチ子さん、西川火尖さん、ほんとうにすき勝手にやらせてくださったRitmos吉川さん、ほんとうにありがとうございます。

4月ごろ、冗談半分で「4月以降のもろもろのお誘いお待ちしています!」みたいなポストをTwitterに書いたら、ウチ子さんから「展示をしませんか?」とお誘いいただいたところからはじまりました。

はじまりました、と書きましたが、その前に、わたしが主催としてちまちま動かしている「抵抗と灯火」というイベントの1回目にウチ子さんが来てくださり、「あなたはもっと前に出たほうがいい、いろんなところでやったほうがいい」と声をかけてくださったことがはじまりでした。なんでもやってみるもんすね。ありがてえありがてえと思っていたら、2回目に火尖さんがお運びくださり、「凧、ハウリング、百葉箱、」が動き出しました。

ウチ子さんから「津久井やまゆり園での無差別殺傷事件を大きなテーマの軸にしたい」と伺い、二つ返事で快諾しました。

優生思想くそくらえって思ってるから。

じゃあ今までなにかやってきたのか?と聞かれると、そうではない。ただ、当時、ネットニュースで流れてきた、ヘリコプターから撮影されたであろうやまゆり園の写真が脳裏に焼きついており、その写真を鮮明に思い出しました。ウチ子さん、火尖さんが教えてくださったやまゆり園に関する本を読み、どんなものを展示するか、ものすごい速度で脳の回路が、ひたすら燃えてゆきました。燃えつづけてゆく3ヶ月、4ヶ月でした。ヘイトクライム。蔓延る差別。数ヶ月前に受けた発達障害の検査。その結果。答え合わせされるような感覚。じぶんがリュックにつけているヘルプマーク。障害者手帳。偶数月に振り込まれるようになったわずかな障害者年金。

わたしは普段カラーネガフィルムで写真を撮りますが、「今回はモノクロで行こう」と決め、モノクロのフィルムを久しぶりに買い、あちこちに写真を撮りに行きました。

境界線、成功、失敗、その曖昧さ、のようなものを表現したい、と思い、あえてピントのずれた写真をチョイスし、展示させていただきました。

搬入時に、ウチ子さんの造形や版画、火尖さんの俳句と、じぶんの拙い写真が並んだときに、不思議とぴったり、「凧、ハウリング、百葉箱、になったな」と感じたことを、きのうのように思い出します。すべてきのうのできごとのようだ!

しかし、長く患いつつある持病のうつと、ASDという脳の構造から、くるしい思いもたくさんありました。ゴミかゴミじゃないか苦悩しつづけている。だけど作る手は止められない。ゴミかゴミじゃないか。わからない。ゴミを飾っているんじゃないか。

ポジティブな感想をいただいても、素直に受け止めることができず、在廊日は帰りの電車の中で泣きながら家路につきました。わたしの心にはちいさな器のような場所があって、そこからドバドバとなにかが溢れ、それは涙となり、ちいさな湖を作っています。ゴミをゴミじゃないとほめさせているんじゃないか。人間がこわい、否定されるのも肯定されるのもこわい。

抑うつとパニック発作、感覚過敏、耳鳴りと闘いながら過ごす日々が、纏綿とつづいていました。つづいています。在廊中に、時折、省エネモード、もしくはエネルギーが切れて、来てくださった方ときちんとお話できなかった瞬間がたくさんあったことを思い悩んでいます。あと、単純に体力がないのもありました。みんな上手に話せなくてごめんね。

でもね、できうる限り、がんばってやれました、やりました、よかったです。新聞の方に取材をしていただき、記事にしていただいたのですが、翌日以降、新聞を握りしめてやってきてくれた方が何人もいらっしゃって、びっくりびっくり。

そして、最終日、やまゆり園へ足を運び、献花・追悼をして、そのあと千木良公民館でやられていた偲ぶ会(こちらも新聞がご縁でお知り合いになれた)にごあいさつさせていただけた(展示の関係で短い時間しかいられなかった)のがよかったです。そのあと、在廊・ライブまでやらせていただいて、トラブルはあれど最終日を終えることができてホッとしています。

それは、ウチ子さん、火尖さんが「良い展示だった!」と言ってくださったのが、ほんとうによかった。そのおかげで、いま、この瞬間、生きて、偶然死なずにいて、この文章を書けている。

7/26だけで終わらせない。

凧、ハウリング、百葉箱、7/26、7/27、7/28、希死念慮、抑うつ、感覚過敏、ひとりでもできること、ひとりではできないこと、得意なこと、にがてなこと、朝陽、サイレン、人混み、雑踏、電車、ホームのアナウンス、列に並ぶこと、ひととのコミュニケーション、わかりたい、わからない、でもわかりたい、わかってほしい、わかってほしくない、でもわかってほしい、わたしの抵抗はつづく、;、

あのころと同じように、飽きもせず
未来に絶望したり希望を持ったりしているよ

"シニフィエ" - MKRDTSB

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