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ゼロ?

数字のニュースにピックもコメントも減りましたが、今日は「クラスター」についてコメントします。


1.
「クラスターの意味、知ってるよな?」
「真面目に聞いてるんだよ、俺が。あんたら新聞記者だから、それくらい知ってんだろ」


2.
「クラスター」の意味は「同種のグループ」のことです。少なくとも、昨年2月まではそうでした。

「感染者の集団」を指す言葉として使われることになったきっかけは、尾身会長の"新型コロナウイルス感染症対策分科会"・・ではなく、その前身である、脇田会長の"新型コロナウイルス対策専門家会議"が発足した時からのメンバーである、東北大の押谷教授が提唱されたアイデアが発端となっています。

WHOで感染症対策アドバイザーとして、最前線でSARS制圧に携われた専門家が、これまでの経験で培われた洞察力から生み出された、日本のための日本独自の戦略。

"感染者ゼロを目指さず、クラスター(集団)が次のクラスター(集団)を生み出すことを防止する戦略"です。

当初この戦略は、発足されたクラスター対策班の30名ほどの班員達の多くがすぐには理解できないほど、前例のない、誰も思いつかない突飛推しもない戦略だったそうです。この考え方を後押ししたのは、同じくクラスター班メンバーに選ばれた西浦教授のデータがあったから、とのこと。

さて、巷は野党第一党の対案を真に受けて、日本も"ゼロコロナ"を目指すものだと勘違いしています。でも、そんな戦略とっていませんよ。今も当初から変わらず"クラスター対策"が日本の戦略です。

押谷教授の頭の中を垣間見ることができる記事はこちらに。一年前のインタビューです。

「外交WEB」Vol.61, May/Jun. 2020
巻頭インタビュー
【感染症対策「森を見る」思考を
 - 何が日本と欧米を分けたのか】
押谷仁(政府新型コロナウイルス感染症 対策専門家会議委員)
http://www.gaiko-web.jp/test/wp-content/uploads/2020/06/Vol.61_6-11_Interview_New.pdf

"ゼロコロナ"を目指すなら、新規感染者ゼロを数ヶ月刻む必要がある、というのが専門家の考え。そんな状態で三密・マスクって叫ばれても、日本人は従いませんよね。見えないリスクを正しく認識できない。これが理由です。


[2021.06.13投稿]いいね:2


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