大人の学びと子供の学び
オンラインか対面かを論じる以前に、企業内研修の在り方については、マルカム・ノールズの成人学習理論、アンドラゴジーを意識する必要があると思っています。
アンドラゴジー(大人の学び)と、ペタゴジー(子供の学び)の違いについては、以下のサイトが分かりやすいです。
★アンドラゴジーとは?成人学習における5つの観点とペタゴジーとの違い(アーチブメントHRソリューションズ)
1.
上記のサイトにあるように、大人の学びと子供の学びには、いくつか特徴的な違いがありますが、一番の違いは学習の目的です。子供の学びが知識の習得(インプット)であるのに対し、大人の学び、特に企業内研修は、学んだことを仕事に活かすこと(アウトプット)が目的です。
「知らないことを知ることができ、大変勉強になりました」では、大人の学びとして目的を達していません。
2.
もう一つ大事な点は、経験が左右する、という点です。
子供は経験が無い・浅いことについて、何でも学ぼうとする意識を持てますが、大人は経験したことから生まれた価値観や考え方から、何を学ぶかを判断します。興味のないものは学ぶ意欲を持てません。
経験を積み重ね、企業内で勤続年数を重ねるほど、全く新しいことだったり、これまでのやり方を否定されるような考え方を学ぶ意欲は持ちにくく、持たせにくいものです。
研修をしても、意欲のある人しかアウトプットに結びつかないのは効果的な研修とは言えません。意欲のない人をいかに学びに向けさせるか、興味を持たせられるかが、研修をデザインする側に求められます。
また、研修を受ける側にも、大人の学びと子供学びの違いを認識してもらう必要があると考えています。
VUCA時代、これまでと同じやり方・考え方では通用しなくなり、既存のやり方を打破する考え方や能力が求められてきます。
大人の学び、つまりインプットではなくアウトプットを目的とし、意欲や興味のない人を学びに向けさせるオンライン研修の在り方が、これから問われるのかなと思います。
[2020.11.30投稿]いいね:1