低賃金と残業と過労死とガラパゴス
日本の高度経済を支えた輸出産業。安い労働力により高品質でリーズナブル製品・サービスを輸出をし、世界から称賛されたと思っています。
平成大不況を経て、内向きになった日本。けれども、あの右肩上がりの時期に定着した "残業文化" は解消されず、「身を投げうって組織に貢献」する姿が求められていました。それは「長時間労働により "できないことをできる" にする職場」づくりを後押ししたと思っています。
世界は生産性に注目し、「できるとはなにか」を追求し、長時間労働の非生産性を立証しました。また、"動機づくり" を深化させ、「人々がより気持ちよく働くこと」を追求しました。
日本では "過労死" をもって、長時間労働の非生産性に目覚めたといっていいでしょう。人の死をもって目覚めなければならないほど、"残業文化" は日本の産業に深く根差していたということです。
今、また、低賃金が続いていて、「安い労働力」が注目されています。ワクチンが隅々まで行き渡った後、日本はどうなるのでしょうか。
輸入する消費材は値上がりが予想されます。低賃金で消費が伸び悩む中、あらたに輸出へ向けて、各産業が動き出すのでしょう。就業先と賃金の上昇が見込めるようになると、また、あの "残業文化" が芽生えてきそうで、気がかりなのです。
「生産性を高め、人々が気持ちよく働く」環境を急いで定着させなければ、また、人の死をもって目覚めなければならないことになってしまう。
カイゼンは日本のお家芸。世界に輸出したカイゼンで、誰一人として死ぬことのない労働環境を作りたいと思った次第。
「過労死ライン」柔軟適用(日経新聞参照)
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