ぼくらは、ブタの夢を見る
高齢化社会をどうやって生き延びるか。体を刷新すること以外になさそうです。大脳移植が取りざたされる中、自己細胞による臓器や四肢の製造・移植も当然ながら議論されることでしょう。
前に、ブタで人間の細胞を増殖させた報告を読んだ記憶があります。この先の事を考えると、食用ブタで自己細胞・iPS細胞を増殖させ、臓器や四肢の製造をして、食用ブタの解体の際に取り出し、自身に移植する流れができるかもしれません。
「70歳年金受け取りを選ぶか、大枚叩いて臓器・四肢移植して ”リニューアル自分” にするか」という選択を迫られるかもしれません。
あと5年の間に倫理問題が解決しルールが大筋で合意すれば、運用が始まる予感がします。そのとき、保険の在り方もずいぶんと変わっているでしょう。四大疾病といわれる「ガン、脳卒中、急性心筋梗塞、糖尿病」は劇的に改善され、五大疾病といわれる「精神疾患」についても、物理的治療と仮想空間でのトレーニングで改善ができるようになるでしょう。
そして、社会もずいぶんと様変わりし、「忙しい」は昭和を意味するようになり、時間が余りよく眠られるようになります。その時、リニューアルした臓器や四肢を育ててくれたブタの思いを大脳が再生するのです。ブタとなった自身が、やがて解体される夢です。「しあわせ?」と、ブタが問いかけます。