妄想:強権が強権を生む世界
***** 基軸通貨ドル。それを発行する米国。ドルでなければ世界経済は回らない。そのドルに責任を持つアメリカ合衆国大統領。大統領選に有権者は距離を置いているという。飽きもあるという。つまり、有権者責任を果たそうとしない。
自国最優先を主張する大統領が誕生し、ドルの価値を独り占めしようと目論む。少数派の熱烈な支持者のために政治が行われていく。
ドル価値の一人占めで得られた富を「1対1で取引できるリーダーに分配」することに注力する新大統領。各国の強権リーダーの頂点に居座ることで熱烈な支持者の熱狂を煽る。
強権リーダーのいない国々では、つよいドルに振り回され自国の経済をうまく回せなくなる。アメリカ合衆国同盟国で顕著な現象となる。
同盟国には強権リーダーしか残らなくなり、「強いドルに忠誠心」を見せ始める。決して、アメリカ合衆国大統領に忠誠を示しているのではない。そこにその後の世界を混沌とさせる要因がある。
4年後、世界は混とんとしている。あの合衆国大統領は在任中に「収監」されるという前代未聞の出来事の主人公となる。熱烈な支持者はテロを繰り返し、ドルの価値は地に落ちる。
ドルの後ろ盾を失った同盟国の強権リーダーも国内の騒乱の中に身を置くことになる。あの自由民主主義陣営の繁栄など、微塵も残されていない大混乱の中で人々は「運命」を恨むのである。
唯一、正常を保っているのは非西側諸国の高齢な強権リーダーが取り仕切っている国々だ。ドル価値の分配でひそかに自力を高めていた経済は、独自の基軸通貨を立ち上げドルに影響されない経済圏を構築していた。旧西側からの移民を受け入れつつ、体制下で強権リーダーに忠誠を誓うものだけが「運命」を変えられる。旧西側が願ってやまない「基本的人権の尊重」も「自由」も、忠誠の下で手に入るのだ。
徹底した全体主義の中で、旧西側移民は「環境改善」活動に駆り出され、繰り返されている大災害の復旧に汗を流す。労働時間は完全に管理され、強権リーダーを模倣した人工知能の差配により、報酬もそこそこに充実したものとなる。
その模倣人工知能の最大の欠陥は「根本的な環境改善」を目指さないところである。強権リーダーにしてみれば、何事も根本的な改善を行ってしまえば「自身を無くす(抹消する)結果」につながりかねない。模倣人工知能には「根本を解決しない」仕組みが組み込まれているのだ。
繰り返される大災害の復旧作業には、なぜか旧西側移民が充がわれる。移民以外の「従前の強権リーダー服従者」の特権が護られるように配分されているのだ。そうすることで「移民の人権」を護りつつ、移民を「二等国民」化して「一等国民」の支持を固める策略としている。
旧西側諸国は暴力が蔓延る「野生の国」へと変貌しく。そこに文明はない。
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こうなりませんように、合衆国有権者の皆様には、しっかりと選挙に向き合ってほしいと願ってやみません。