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超妄想:環境にやさしい〇ランプ大統領
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なんと、「世界で最も効率の良いCO2回収技術開発」に膨大な予算をつぎ込んで、石油産業にただ同然で利用する権利を与える大統領令を発令したのだ。
これにより、石油産業は大いに盛り上がる。なにしろ掘っても掘っても利益が出て、ついでに水圧破砕用の水にCO2を大量に含ませることができるのでただ同然のCO2回収装置を使って「環境にやさしい石油産業」を作り出すことができたのだ。
「パリ協定?あんなので環境改善できるわけがない。俺が環境を変えるんだ。だろ?!」傍らにいたマ〇ク氏にウィンクする。政権に入ったマ〇ク氏はその科学技術者人脈を駆使して短期間にCO2回収技術開発に成功したのだ。彼はまたしてもブレークスルーをやってのけた。
大統領選挙の際、〇ランプ氏を応援していた中東各国もこのCO2回収技術をディールの条件として使えるようになった。そのディールとは「石油価格の安定化」を図るという条件である。米国が発する石油価格に反対しない姿勢を示すことが「ディールを護る」ことになる。
こうして「環境改善大統領」と称されるようになった〇ランプ大統領は、次の環境改善策を発表する。「わたしは世界中の人々に "安全な水" を売る。」と宣う。傍らにマ〇ク氏がいて、軽く微笑む。
この発表の前には「水圧破砕」がすすんだ地域での「地下水汚染」問題が頻繁に取り上げられるようになっていた。石油産業は「水圧破砕に問題はない。地下水は過去の民主党政権下で進めた環境対策によって引き起こされている。」と調査結果を発表した。メディアは調査内容に疑義を持っており大統領報道官に問いただすことが多くなっていた。
そこで〇ランプ大統領はマ〇ク氏に「地下水を使わないで安全な水を作り出す装置を考えてくれないか」と相談したのだ。
再び、マ〇ク氏は人脈を駆使して雨水や空気中の水蒸気から大量の飲料水を確保する装置を開発した。日常生活で負荷にならない程度の消費電力で毎日に必要な水量を確保できる家庭用淡水化装置である。当然ながら汚染されている水も浄化する機能を有している。
それまでも同様の機能の浄水器は存在していたが、〇ランプ氏のブランドと「環境改善大統領」のブランドの融合で、一気に信頼度が増して市場を独占する勢いとなった。
この開発には石油産業の資金が大量に流れていることが後で判明する。だが、そのことを問題にするメディアはほとんど現れなかった。「地下水汚染」で提訴していた集団が提訴を取り下げたからである。和解が成立したのだ。石油産業は集団訴訟を起こした人々に無料で家庭用淡水化装置を配布した。
中東諸国もこの家庭用淡水化装置を欲しがった。今度のディールはイ〇ラエルに反目しない条件である。この条件を呑んだ各国国民は「安全な水」を飲める日常に満足した。
こうして「環境改善大統領」の称号は昔の「皇帝」に近い称号へと格上げされていく。中東の安定に寄与したこと、環境ルールメーカーであった欧州の尊大な態度を戒めたこと、それにより〇シア大統領の心証がよくなり、課題であった〇クライナ戦争の停戦合意を導き出せたこと・・・それらのサクセスストーリーに世界は酔いしれた。
だが、水圧破砕を推進している地域やその周辺で火山性微動のような揺れが頻繁に起こり始めた。破砕した層にCO2水を注入し安定化を図っていたが、なにかの原因でバランスが崩れ始めたのだ。火山噴火が起こる場所ではない。地域住民の訴えが政権を揺らし始める。
今度もマ〇ク氏が解決策を提案してくる。「ハイパーループで培った技術が応用できます」と。次から次へ〇ランプ大統領に助け舟を出すマ〇ク氏。皇帝を支える宰相として大富豪であると同時に政治の世界で名を残すことになったのである。
*****(イラストはDALL-Eが作成)