「堪忍袋の緒が切れる」、2019年

以降、Wikipediaより、「落語:堪忍袋」

職人の男(東京では熊五郎。以下「熊五郎」で統一)と妻の間では、近所に聞こえる大声でののしり合うほどの夫婦喧嘩が絶えなかった。熊五郎の出入り先の主人(あるいは、長屋の大家)が通りかかって喧嘩の声を聞きつけ、飛び込むなり「『堪忍五両、思案は十両』『笑う門には福来る』と言うじゃないか。喧嘩をしていてはカネもたまらない」と夫妻をなだめ、以下のような中国の故事を語って聞かせる。

何を言われても怒らない男がいた。変に思った仲間が彼を料理屋に呼び出し、罵倒してみるが、それでも男は怒らず、ニコニコと笑ったのち、「ちょっと用事があるので、これで失礼します」と言って家に帰ってしまう。仲間は「さては、家で下男か誰かに八つ当たりをしているな」といぶかしがり、男の家に押しかける。出迎えた男は大きな水がめを指さし、「ムシャクシャすることがあると、この中に叫んでぶちまけ、ふたをして閉じ込めてしまうのだ」と明かす。

「それから『あれは偉い人間だ』と評判になり、出世をしたそうだ。お前さんたちも、たとえば袋をひとつ、おかみさんが縫って、それを『堪忍袋』としろ。その中にお互いの不満を怒鳴り込んで、ひもをしっかり締めておき、夫婦円満を図れ」

熊五郎は、さっそく妻に袋を作らせ、口をつけて絶叫する。「亭主を亭主と思わない、スベタアマーッ」妻も続けて、「この助平野郎ゥーッ」と袋に吹き込む。不思議なことに、叫ぶたびにふたりの怒りの感情がなくなっていき、爽快な気分になる。「この大福アマーッ」「しみったれ野郎ーッ」

叫びの応酬のために、喧嘩が始まったと勘違いした隣人が仲裁に飛び込むが、夫妻が何ともない様子なので、隣人が理由をたずねる。熊五郎は袋のことを隣人に話す。「へー、そんなすごい袋があるの。俺にも貸して! ……やい、このアマッ、亭主を何だと思ってやがるんだッ」

やがて3日もたたないうちに、袋は近所じゅうの評判を経て、街じゅうにそのうわさが広まり、熊五郎の長屋の前には人ごみが絶えなくなる。袋は人々の「喧嘩」でいっぱいになってふくれ上がり、少しでも吹き込んだら大爆発を起こしかねなくなる。「どうする?」「明日になったら、海にでも捨ててくるしかないだろう」

夫妻が、戸締りをして眠りにつこうとしたところ、戸をたたきながら「開けろー!!」と叫ぶ声がする。開けると、長屋仲間の六が泥酔した様子で転がり込んでくる。「仕事の後輩が若いのに生意気で、俺の仕事にケチをつけやがるからポカポカ殴ったら、みんなが俺ばかりを責めて、逆に殴られ放題になった。我慢がならねえから、堪忍袋にぶちまけさせろ」「駄目だ、袋がいっぱいなんだよ」「やかましい、貸せ!!」

六が袋をひったくった拍子に袋の緒が切れ、中から「喧嘩」がいっぺんに飛び出してきた。

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米国の堪忍袋:2019年2月。マティスさんが退任します。ロシア疑惑でモラーさんが米国議会に報告します。議会の堪忍袋のが緒が切れそうです。

韓国の堪忍袋:保守派が大統領を追求する姿勢が強くなるでしょう。米国が韓国政府の北に対する姿勢を糾弾するかもしれません。巻き返しを図る進歩派。国民の堪忍袋の緒が切れそうです。

中国の堪忍袋:米国との貿易交渉が人質交渉にエスカレーションし、さらに核心利益まで手を伸ばすことになりそうです。下手に出ても覆いかぶさる米国に、中国共産党執行部の堪忍袋の緒が切れそうです。

ロシアの堪忍袋:国内で「脱:プーチン主義」を企てる集団が増えていきます。国外に敵を作り不満を国内にこもらせないようにするプーチン氏。国内問題を棚上げにする政府に、国民の堪忍袋の緒が切れそうです。

ヨーロッパの堪忍袋:「移民政策の失敗」、「税金と借金処理の失敗」、「宗教・民族主義の高揚」と「ポピュリズムの高揚」。Brexit(EU離脱)に揺れるイギリス。だれもかれもの堪忍袋の緒が切れそうです。

エジプトも南アメリカもアルゼンチンもブラジルもニュージーランドもオーストラリアもインドネシアもミャンマーもインドもイランもサウジアラビアもトルコもシリアもイスラエルも、堪忍袋の緒が切れそうです。

日本の堪忍袋:あれ?堪忍袋はどこ行った?東京パラオリに大阪万博。都会に人が吸収され地方の堪忍袋・・・とおもいきや寝たきり。貧富の格差、野党の弱さ、きつい・きたない・きけんの外国人任せ、ままならぬ介護・福祉、一向に下がらない教育費、大好況の経済の割には手取りの少ない報酬、。。。なんでこんなに喧嘩のネタが多いのに、堪忍袋がいらないんだろう。

あー、わすれていた、災害を。だから、なにかあっても喧嘩しない国民気質になったのかぁ。そこそこに言いあいながらもそれ以上争わない。なぜなら、災害の時に助け合わなければならないから。けれど、ぶつかり合いが無ければ現状の改善は見込めない。そのための堪忍袋が必要なのだけれど、救援袋の方が大切。

2019年、災害・人災のない年となって欲しい。そう願いつつ、年を越そうと思います。


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