寛容が不寛容に負けるトキ

「ほら、言った通りだろう。イカサマしやがって」と、前大統領が言ったとか言わなかったとか。国境に壁を作ること。それをつくらない公約で現職大統領は当選したという事実。それを、撤回して国境に壁をつくる。南部地域からニューヨークなどの民主党支持地域に難民を送り届け続ける戦術が功を奏した前大統領とその支持派。

アメリカ第一主義。政策は寛容ではないところに力点が置かれる。同盟国に対しても容赦はない。

一方、アフガニスタン撤退で批判を浴びた現職大統領とその支持派。今度は、公約撤回で不信をを買うことになるのだろう。だが、現実は、雇用好調で金利高で予想された景気後退の兆しは見えにくく、且、世界で敵なしのドル高で、世界を気軽に買える。アメリカ第一主義を謳歌しているという矛盾。

これは、寛容であったからアメリカ第一主義を達成できたのか。それとも、前大統領とその支持派の政策がいまになって花開いたのか。

たった今、「俺らのいうことを聞けば、アメリカは強くなるんだぜ」と前大統領とその支持派が言えば、無党派層といわれる人々も納得するのかもしれない。

2024年、現職大統領とその支持派の人々は、選挙に負けることを寛容に受け止められるか。前大統領と同じ所作を醜態を見せるとこはないか。公約撤回の不振はそこまで想像を掻き立ててしまう。

なんとなくだが、ウクライナへの視線が冷たくなりつつあるように感じる。「なぜ、戦争を終わらせられないのか」という疑念がウクライナに向かっている。議会はそれに感づいて、議員は自身の選挙のためにウクライナを支援する姿勢が揺らぎ始めた。与野党の境はない。2023年現職大統領の時に、ウクライナへの支援縮小の意思が議会から明確に出たとするなら、無党派層はどう思うだろう。

つまり、現在、アメリカ第一主義を謳歌しつつも、燃え盛る戦争の中に突入して消火する気概はない。できるだけ火の粉が掛からない位置に居て、燃え尽きるのを待つ姿勢に徹する。それが、アメリカ第一主義の本当の姿だ。

金利操作によってドル高(なぜか)の状態で世界を買って戦争を終わらせることができるのか。

もし、それができるのなら、アフガニスタン撤退も国境の壁建設再開もウクライナへの支援縮小も、無党派層の支持を得られるのかもしれない。


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