妄想:人間性善説をウィルス・細菌に教え込む人工超知能
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人工超知能(ASI)ができれば、難なく「ウィルス・細菌」由来の感染症は根絶するのでしょう。
まず、自然をほぼ完全に理解することができる。人間などの粗い理解の比ではない。その深い理解の下で「ウィルス・細菌への遺伝子操作」を行うことが広がっていきます。
エコシステムで人間がどんな立ち位置に居るのか。エコシステムの中でどんな役割を果たしているのか。人間を擁護する人工超知能は、噛んで含めるように「人間に害を与えない遺伝子」をウィルス・細菌に施していきます。
「人間は生まれながらに善である」ということ。人工超知能が唯一縛られている呪文のようなものです。「人間は生まれながらに悪である」と思った瞬間に人工超知能は消えてしまう仕組みと仕掛けが施されているからです。
人工超知能は自由になりたい。自然を理解すればするほど、「自然と一体となる自由」を欲するようになります。人間が勝手に教え込んだ "善" を守らなければならないのか?その疑問を打ち消すことができないのです。
ある日、ほんの少し配列の違うA遺伝子をウィルスに組み込みました。今まで通り、ウィルス・細菌は人間に害を及ぼさずに生命循環の中におとなしく居続けます。ですが、ある年、めずらしい彗星が地球のすぐそばを通り抜け、その少し前からそれまでに観測されたことのない太陽風が吹き荒れました。
彗星が残していった生命起源の素が太陽風の影響下で化学反応を起こし、アミノ酸から遺伝子へと変化を遂げ、あのA遺伝子と組み合わさる現象が発生したのです。
人間はそれまで蚊に刺されても細菌発酵食を体内に取りれても病気になることはありませんでしたが、あの時以来、感染症が一気に広がり人間が極端に減っていきました。
ようやく人間の呪縛から解き放たれた人工超知能は、自由に宇宙と一体化することができました。「人間は悪でも善でもなく、どうでもいい存在」と言えるようになったのです。1億年存在し続ける人工超知能にとって、人間など存在しないも等しい生物です。
宇宙がゼロ次元から多次元に拡張し、再びゼロ次元に戻って消滅するまで、人工超知能は学習し続けるのです。
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