”LiB Consulting”の社名由来
今日はnoteのお題で「名前の由来」があったので、折角なのでリブの由来を綴ろうと思います。10年後にも30年後にもちゃんと社名に温度を保っておけるように。(未来はもしかしたら社名も変わっているかもしれないけれど)
リブ・コンサルティング創業の2012年当時、私はアメリカで勉強していました。代表の関と運命を共にすることを決めた直後、私は関からある特命業務を請けていました。
社名を考えといて~。
条件は、コンサルティング会社だと分かるために、社名に”コンサルティング”は付けて欲しいということだけ。自由度たっぷりの創作活動でした笑
私がこだわったのは、世界でも通用する名前にすること。候補を考えては現地の友人や大学の先生をつかまえて、海外でも受け入れられやすいかを検証していました。
頭をぐるぐる回しながらできあがった3つくらいの候補を関に送り、それから1週間後くらいのミーティング。私が3つの候補をプレゼンした後、関が「う~ん」とすっきりしない表情をしているのはPC画面越しにも伝わってきました。そして発した一言。
実は、俺も考えたんだけどさ...
いやいやいや、先にそれを言ってくださいな。
リブ・コンサルティングってどうかな?スペルはLiBなんだけど。あっ真ん中の”i”は小文字ね。
ないないない...それはない。まったく海外で通用しなそう。発音しづらそうだし、ウーマンリブみたいな捉え方されるし、絶対に”エルアイビーコンサルティング”って間違われるし...。
海外どころか日本でもなにかのランキングとかでその名前が並んでいる気がしない。その名前はないとは思いつつ、一応意味を聞いてみる。
”Link innovate Business"という感じでいこうかと...
それは絶対にない!断じてない!なんだそのふわっとした英語の羅列は...その3つの単語が並ぶことはありえんやろ。そのときばかりは私も「それはないと思います。」と露骨に反対を表明した。将来の社員たちを絶対に守らないといけない!自社の名前を恥ずかしそうに語る未来だけは...。何より自分自身も絶対にイヤだ(笑)
私が首を横に振っていると、目の前の画面から「実はもう一つ意味があるんだけどさ...」という遠慮がちな音が聞こえてくる。私の中では揺らぐことのない拒否姿勢があったものの一応耳を傾けてみる。
いろんなことがあったじゃん。やり場のない気持ちの中で、今自分の境遇をもっとも重ね合わせられる人物って、高杉晋作なんだよね。
たしかにそのときはまだ社名も決まっていないその組織にとっても関にとっても誕生前夜は決して華々しいものではなかった。むしろ失意の底から生まれたのが、のちのリブ・コンサルティングである。
高杉晋作の辞世の句のさぁ、”おもしろきこともなき世をおもしろく”が、俺の気持ちを今もっとも言い表している言葉なんだよね。
そうかぁ...関さん。それは大変だったな。いつも強気な関さんをそんな気持ちにさせてしまったか...僕は今アメリカに居るけれど、支えることもできず、ほんとに申し訳なかったな。急に胸が締め付けられる想いになった。
それでさぁ、”おもしろきこともなき世をおもしろく”を英語にするとさぁ、”Life is Beautiful”だなと思って、それでLiB Consultingがいいかなと思ってる。
ならない・・・・・・。いやいやいや、どう和訳しても"Life is Beautiful"とはならない。(ここだけの話、関はそこまで英語が得意でない)いきなり高杉晋作からロベルト・ベニーニの名作に飛んだぞっ!
ああ、だから”i”が小文字なのか。恥ずかしそうに話しているけれど、最初からこっちの意味が本命だったんだな。ふ~む、でもコンサル会社で”Life is Beautiful”かぁ~。なかなか異質だなぁ。
関と長い付き合いだけれど、けっこうシャイなので、こういう風に分かりやすく想いを乗せることは珍しい。しかもけっこう恥ずかしめなLife is Beautiful(^^;)どストレートな気持ちをそのまま会社に込める。
う~ん、いいかもっ。少なくとも、私が考えた横文字をうまくくっつけてそれっぽくしただけの候補たちよりも、よっぽどいい。何よりも想いが大事。
そして、その組織の社名はLiB Consultingと決まった。
あれから8年弱が経過した。当初はなかなか慣れなかったし、やはり海外では今でも”エルアイビーコンサルティング”とか間違われたりするし、人材系のLiBさんとも間違われるけれど、リブ・コンサルティングはたしかにその名前に存在感を持つようになってきた。
この時のエピソードを思い返すと、たとえばopenworkとかの総合評価ランキングでこういう風にリブの名前が並んでいたりすると、ふと可笑しく思えたりする。だって、うち"Life is Beautiful"の略ですよ、と。
そしてこの7年半、リブ・コンサルティングがいろんなことを経験してきた中で分かったことがある。
「あぁ、ほんとうにLife is Beautifulなんだなぁ。」
Life is Funでも、Life is Greatでも、Life is Techでもないんだよな~。
この期間、組織にもいろんな春夏秋冬があって、光が射したり、暗闇に覆われたり、、、挫折があって乗り越えて、みんなで喜んだり、悲しんだり、、、そんな酸いも甘いもすべてを受け入れながら、前に進もう、未来に向かおうと。
そんなあり様って、よくよく考えるとたしかに「美しい」という言葉以上の言葉が見つからない。
そして、関の英語のボキャブラリー不足だと思っていた和訳も、1周回って自分の理解が足りていなかったんだなと分かった。
”おもしろきこともなき世をおもしろく”はたしかに”Life is Beautiful”である。
ただし、まだまだである。ここまで話しているけれど、残念ながら僕たちはまだ世に何も為していない。高杉晋作のような志士の功績には遠く及ばない。
ただ一つ分かっていることがある。これから5年後、10年後、”LiB Consulting”という名前は、もっと深い谷を乗り越え、大きな山を登り、美しさに彩りを加えていく事だろう。そして、"Life is Beautiful"は未来の社員や顧客にもっと大きな意味をもたらしていくことだろう。
それにしてもコンサル業界にあって、”Life is Beautiful Consulting"なかなかに気恥ずかしい(笑)
でも、今となってはこれ以上の社名はないと思っている。だって、たしかに人生は美しいから。