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現役大学生デザイナーに聞く「ルック制作とショーコンセプト」 Part1 

Keio Fashion Creatorは昨年12月、ファッションショー「羽化」を開催した。デザイナー部員のうち17人がショーのルック制作を振り返る。全3回。

林凌太郎/中央大学 2年生
宮本万帆里/お茶の水女子大学 2年生
上町メイ/東京医科歯科大学 2年生
関由侑/多摩美術大学 2年生  (ショー当時)

ーコンセプトをルックに落とし込む上で最も苦労した点はなんですか。

林:
形のないものを形にする上で、どういう伝え方をするか、どこまで追求するかということです。制作時間よりも考える時間のほうが長く、試行錯誤の繰り返しでした。

宮本:
あまりファッションショーについて詳しくなく、服を表現手段として使うことに知識と理解が不足していたので、まずデザインを考えることが難しかったです。自分の中の引き出しが少ないことに気づき、表したいことが見た人にどれくらい伝わればいいのか分かりませんでした。自分自身の考えをしっかりもっているタイプではないので、詩や神話など既存の芸術から引用してルックを制作しました。

「反戦」MAHORI MIYAMOTO

上町:
自分はテーマを表現したつもりでも、ショーを見た人にとって伝わりやすいかどうかを考えました。また、メッセージは伝わりやすくありたいけれど単純なルックにはしたくなかったので、そのバランスが難しかったです。

関:
概念的なテーマだったので、どのようにビジュアル化するかということに苦労しました。

テーマに向き合い知識の幅が広がった制作期間

ー制作を通して、羽化というテーマやコンセプトに対する考え方の変化はありましたか。

宮本:
デザイナーのみんなが思いを込めたルックや制作過程を見て衝撃を受けました。自分も普段から社会のことや世界のことをもっと見ていこうと思うようになりました。テーマはそれぞれで、各々の考えがあって日々を過ごしているんだと実感しました。

上町:
自分の決めたテーマをリサーチするにつれて、いろんな方向からの視点を知ることができました。死というテーマでルック制作をするにあたり、司法解剖の本を読み、死についてだけではなく死者の家族の視点も知ることができました。テーマを深掘りすることで知識が増え、ルック制作に役立ちました。

「死」MAY KAMIMACHI

関:
初めはふわっとした解釈でしたが、どういうモチーフを使うかやルックについて考えていくのと同時に、テーマについてより深く考えるようになりました。私のルックのコンセプトである日常生活の中での「同調」について、前より目が向くようになりました。

ー最後に、実際にショーの中で自分の作成したルックを見てどのような感想を持ちましたか?

林:
今まで服だけを見ていましたが、人が着ることで服の本来の機能、目的、良さが出ると感じ、嬉しかったです。ルックがモデルさんと合っていたので、人が着ることでまた違う印象を受けました。

「エロスとタナトス」RYOTARO HAYASHI
「エロスとタナトス」RYOTARO HAYASHI

宮本:
ファックリ1年目でデザイナーにしか所属していなかったので、他の部署がどういうことをしてショーの日を迎えているか知らなかったのですが、当日の現場を見て各部署の活動が繋がってできた集大成だと感じました。

上町:
デザイナーは毎週4時間授業に出席しなければならず大変で、さらに私はミシンを使ったことがなかったので苦労したこともたくさんあったのですが、素晴らしいショーの中で自分のルックを見てデザイナーをやっていてよかったと思いました。

関:
最初に自分で考えていたルックからの変更点も多かったのですが、講師の方との相談を通してショー向けのルックになったので良かったです。ワンピースとケープにバラクラバやスカートを加えたことで、ショー映えする見た目に変化したと思います。

「同調」YU SEKI

2023. 6. 15
ASUKA FUJIWARA(INTERVIEWER)


【Keio Fashion Creator 関連リンク】

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 ● HP : keiofashioncreator.com

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