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友人が教えてくれた服を楽しむことの本質(DAISUKE KATOH)

私はファッションについて深く考えたことがないので、流行とかファッション業界が今後どう推移していくのか正直見当がつかない。ただ、ファッション業界が総じて不況と言われるのは、矢継ぎ早に事業が縮小していくセレクトショップ、日本から撤退を決めたブランドなどからなんとなく感じることができる。ここでファッション業界のネガティブな事を冗長に書くのはあまりにナンセンスだと思うので、私がファッションをどのように享受してきたのかについて書いていきたいと思う。

私が服に興味を持ったきっかけは、中学の時に出会った友人である。その友人は、当時同級生とは思えない風貌で、中学一年生の時の髪型はまさかの七三(美容院のカタログにあるような今時の七三ではなく、ポマードと櫛でガッチリ固めた昭和風な七三)。制服はブレザーだったことも相まって時代錯誤を思わせるスタイルであった。対して当時の自分は周りに合わせてばかりで内向的な性格。当然、服には無頓着であった(今思えば、良くも悪くも第一印象を左右するファッションというもの自体に私は抵抗があったのではないかと感じる)。

しかし、思春期に身だしなみを意識するのは誰しもが経験することで、徐々に私も自分の服に気をつかうようになった。最初は安価で無難なファストファッションを着ていたが、次第にそれでは満足できなくなったため、例の七三の友人と下北沢の古着屋に行くようになった。

古着には「服を楽しむ」ことの本質が詰まっているように思える。ファストファッションでは出せない古着ならではの雰囲気に惹かれ、この個性的な服を着こなすにはどのようなスタイリングをするのが良いのかと自分で考えるようになった。着こなしを考えて、何日も何時間もかけて、数ある古着から自分の求めているものが見つかった時、それは大金を使ってハイブランドの商品を買った時とは違った高揚感が味わえる。

私は、ファッションとは自分を投影するものだと思う。それゆえ、服にさほどお金をかけない人や威厳や気格を保つためにハイブランドを好む人、流行っているから、有名人が着ているからという理由でそのブランドを着る、俗に言うミーハーのような人に対して批判的な感情は抱かない。不況と呼ばれるファッション業界にとって、客を選ぶというのは至難の業であると思うし、ファッションの捉え方は十人十色で一律ではない。実際のところ、私も容姿のコンプレックスを誤魔化したり、少しでも自分に自信が持てるようにするために服に拘っている面もあるため他人のことを批評するほど大した人間ではない。

2022.8.24
DAISUKE KATOH(プレス 1年目)


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