見出し画像

【Keio Fashion Creator×瀧定名古屋】繊維商社の実態をインタビュー Part3

今回は、昨年度に続き今年度も生地を提供していただいている瀧定名古屋様の3名にインタビューを行い、繊維商社の仕事を紐解いていく。全3回

瀧定名古屋
150年以上の歴史を持つ繊維商社。
課別独立採算制のもと、様々な営業部門があり特色のある30近くのセクションによる専門分野に特化した提案、大胆な決断力、スピード力のある対応でテキスタイルやアパレル製品を扱う。

泉直宏/アパレル部56課
吉森美月/婦人服地部11課
川本仁一郎/紳士服地部10課

ー学生時代はどのような学生でしたか?

泉:

学生時代はバイトばかりしていました。服好きだからアパレルかと言ったら、そうでもなくて実家の近くでうなぎ屋でした。夏は土用の丑で売れるんですけど、冬は暇なので焼肉屋で掛け持ちして働いていました。 その焼肉屋がたまたま瀧定名古屋の裏で、まさか4年後にはそこで働くとは思ってなかったので不思議なご縁のような感じです。

ーうなぎ屋さんの賄は?

泉:

やっぱり、鰻が出ると思うじゃん?実際は鰻のタレご飯なんです。それはそれで美味しいんだけど、1年もしたら飽きて卵焼き焼いたり、山椒入れたりとか、いろいろ試行錯誤したのも思い出です。

吉森:

私もバイトがファッション系だったわけではないんですけど、ファッションは常にInstagramとかウインドウショッピングで楽しんでいました。あとはゼミ活動、ビジネスコンテスト発表とかを頑張ってやっていた学生時代でした。でもゼミに力を入れ過ぎてしまって、4年生でツケが回ってきたのでちゃんと勉強はやった方がいいです。

川本:

僕は結構『その時にしかやれないこと』をやってましたね。
かっこよく言ったんですけど、ヒッチハイクやってみたりとか。京都から九州の最南端の佐田岬行って帰ってきたりとか。車で北海道2週間グルーっと回ったりとか、ヒゲをすごく伸ばしたり。この前結婚式に参加した時に剃ってしまったので、ちょっと寂しいですね。

川本様

泉:

今日久しぶりに会ったら全然まともになっちゃってるから、なんかあったんかと。うちの課のメンバーと食堂でお昼ご飯食べてると「今日の川本どうだった?」って話したり、川本さんの見た目にはみんなで注目してますね。

川本:

ずっとグレーゾーンには居たので、そろそろ切らないとなと。
いつかやりたいなと思ってるのは『ちょんまげ』ですね。ハゲたらシュッと。それを会社にいるうちにやるかどうか…ヒゲですらめちゃくちゃ微妙な感じだったので。
まあでも大学生の頃は普通でしたね。

ー就活の軸は?

泉:

服も好きだし、車も好きなので特に業界は絞っていませんでした。インテリアも家も好きやから住宅も見たし結構幅広げてやっていました。僕実は双子で、兄も同じようにやっていたんですけど、兄は自動車部品が残って僕は繊維が残ったんで、最後には自分の好きなところ、熱意が入るところが残っていくと思うんです。だから逆に、軸を持たずに心が動いたところに全部エントリーして最終的に残ったところが自分に合うのかなと思います。

吉森:

私は、「ファッションに携われること」「ものづくりに携われること」「結果が数字に見えること」の3つの軸で就職活動をしていました。
私は中学校の時はデザイナーになりたくて、だけど自分のやりたいことってデザインだけじゃなくて1から10までものづくりに携わりたいことに気づいて、いろいろ調べて繊維商社があるのを知ったんです。繊維商社入ったらいろんなブランドさんと取引できるし、海外に住みたくはないけど、適度に海外出張もあって、ものづくりも携われてっていうところが魅力でした。

川本:

僕も3つです。
どうせ働くんやったら興味のあることでっていうので受けてたのが繊維関連と地域興しで民間でやっているとこを探していました。次が無形商材。結局生地をやってるんですけど、最初はその中間でいろんな人と携われるという軸で動いてた感じですね。あと私は愛知県にいたかったので愛知県本社でずっと調べていました。

ー貴社の入社にあたり学生時代に必要なことは?

泉:

これは僕が鰻屋だったから逆にうらやましいなあと思ったことで、アパレルで働いてた同期は一丁前に1年目の時に「棚卸」とか「在庫」とか言ってるんですよ。僕はなんのことか全然わかんなくて、1年経ったらみんな一緒なので最初だけでしたね。
逆に言うと海外行った経験あるとか、川本みたいにヒッチハイクやったり、色々な体験のエピソードを持ってるだけでプラスになる、人としてどんどん好かれていくんじゃないかなと思っています。

吉森:

就活の時はガッツがあることをよくアピールしていました。
繊維商社の営業はトラブルが本当に多くて怒られるし、自分がミスをしてしまった時はメンタルが落ち込む時もあって。
あとは普段スワッチを持ち歩く必要があるんですけど、これもかさばると結構重くて。私が就活してた時に繊維業界は泥臭いから覚悟した方がいいよって言われて、実際に今働いていてガッツを求められる意味がわかったというか。
繊維商社に就活するんだったら「体力はあります」とか「へこたれません」っていうガッツがあった方がいいと思います。

川本:

学生時代はその時々を全力でやった方がいいと思うんです。
瀧定はなんだかんだとやっぱり人を見てるなって思うんですよ。いい人めっちゃ多いですし。

泉:

そうだね。暖かい人が多いよね。

川本:

だから仲良くなるようにって言い方はよくないですけど、素直に楽しく過ごしてもらったらいいかなと思います。

左から川本様、吉森様、泉様

ー瀧定名古屋を選んだ決め手は?

泉:

瀧定を選んだのも、繊維商社を受けるなかで最終の決め手は『人』だったんです。もちろんやっていること(仕事)が楽しそうだったけど、先輩社員との座談会で実際会ってみるとフランクな先輩ばかりで友達みたいな感じで話せたんです。そうやって『この人の隣で働きたい!』って一番強く思えたのが瀧定名古屋でした。会社説明会などでは『人』も見た方がいいと思いますね。

吉森:

私はファッション業界で働きたいっていう気持ちがとにかく強かったのと、子供を産んでも総合職(営業)で働きたいという気持ちがありました。
そうなるとなるべく愛知で、親元離れない方が良いなと思いました。子供を預けたりとかも気軽にできるじゃないですか。瀧定って他の繊維商社と比べると女性も多くて、女性が働きやすくなるような制度も、ここ4年間でも結構増えてて。男性でも育休取ってる社員さんいたりするので、愛知県で制度も整ってることが自分のキャリアパス、希望に沿っている会社なのかなって感じて決めました。

吉森様

川本:

僕は、実家からある程度近いっていうのと東京は行きたくなかったので名古屋に踏みとどまれた、それが本音です。

ー仕事以外で趣味の時間はどのように過ごしますか?

泉:

僕は結構多趣味で、アウトドア、キャンプ、釣り、音楽。
奥さんもギターとかピアノも弾くんでそっち系の。あとはインテリア、本、映画とか。趣味にかけられる時間は全然あります。土日はリフレッシュして、月から金にめちゃくちゃ仕事するみたいな感じなんで、全然楽しめますよ。
あとは仕事しながらでも情報がいっぱい入ってくるよね。ファッション業界にいるといろんなおしゃれな情報が入ってくるので助かってます。

吉森:

確かにそれはあるかもしれないですね。
デザイナーさんとかと「来年こういうの流行りそうだよね」みたいな話もできて。ベテランの人だと、触っただけでスワッチの情報がわかっちゃう人とかいて、そんな人達とトレンドの話ができて。
服を買う時とかも「これこの値段で買っても来年着るのか」とか思う時あるじゃないですか。そういう時は「でも来年も流行りそうだから買っちゃっていいかな」みたいな。ある意味、仕事が自分の趣味につながってたりして、楽しいなって思います。

泉:

もし関東の方が名古屋に就職されても定期的に帰れます。
多分毎週。実家がある方であれば全然泊まれるしそこから出張も行ける。

吉森:

東京駐在もあるので、毎週月曜日の会議とかZoom でつないだりとかして、東京とか関東を出たくない人でも働けます。1年目の時は名古屋なんですけど寮があるので。結構貯金もできる金額で住まわせてもらえるので、柔軟な感じで働けますよね。

泉:

寮はすごい楽しかった。川本とは被ってないよね。みんなで一緒に飯とか作って先輩とも仲良くなって。若い人たちが集まってるからすごい楽しかったし、マンションみたいな感じだからプライベートもちゃんとあります。

川本:

男子寮は女子寮と比べて会社から少し離れてるんですけど、ドアtoドアで20分で、かなり快適です。

吉森:

女子寮は、会社から徒歩15分、最寄りの伏見駅からは徒歩10分弱で、立地がすごい良いです。会社も良いとこにあって、一番繁華街の堺から5分ほどです。

泉:

住みやすいよね、名古屋。何よりも物価が安いし家賃が安い。寂しくないほど人がいて、通勤が嫌にならないほどの混み具合。

ー寮に制限はありますか?

泉:

4年目までですね。
それまでは個人の頑張りによる差があんまりない修業期間なんですけど5年目以降にガーンって上がるので。
そしたらちょっと寮出ようか、みたいな。

ー身だしなみに規定はありますか?

泉:

結構自由ですよ、ロン毛もいるし。

川本:

確かに、僕も長かったですもん。ロン毛、パーマ、髭もいけて。

泉:

地元に帰って銀行員の子と一緒に飯食うと「お前大丈夫か、大学生のままやん」みたいなことを言われることもあるんですけど、それも魅力の一つだと思います。

吉森:

金髪の社員とかもいましたよね。そういう意味でもファッション好きにはたまらない会社かなって思います。

泉:

特に紳士服部だったときはネクタイ必須、スーツ絶対着て来いって言われてたけど、今はカジュアル化が進んでて、お客さんの服着て営業に行ったりもするしかなり自由になりました。
スニーカー履いて出張も行けるしね。スーツの会社でもセッ
トアップとTシャツで少し崩して行ってます。

ー最後に伝えたいことがあればお願いします

泉:

とにかくいろんな人がいます。
もちろん服好きの人もいれば、服より数字動かしたいという人、いろんな人がうちの会社に居るんですけど、どんな人が来ても大丈夫だと思います。服好きじゃないと売れないってこともないし、服がめちゃくちゃ好きっていう人もウェルカムだし、文系でものづくりに携われるのは繊維商社ぐらいだと思っていて。瀧定の素材って本当に魅力的なものが多いですし、製品もいろんなことが出来るので。なにかマインドを持ってる人に来てもらえたら僕らも一緒に働きたいし、もっといい会社になっていくなと思います。

吉森:

私も学生時代は、生地とかって専門のスキルがあるスペシャリストの方達が作ってると思ってたんです。でもファッションの知識ない人でも勉強してクリエイションに携われることを、この会社に入って知って。生地を作ることができるブランドさんばかりってわけじゃないので、瀧定みたいな会社がそういうお客様の役に立ってくると思います。
本当に四大卒でこんなにファッションに携われる仕事ってもう繊維商社しかないなと。名だたるブランドと商談できるのって夢のような話じゃないですか、なので瀧定名古屋は服好きにはたまらない会社だと思います。

川本:

一言でいうと多様性かなって思ったんですけど、2人の話を聞いて考えるとむしろ柔軟性のある会社だなと感じましたね。


部員による布選定の様子


Keio Fashion Creatorでは今年度から企業インタビューを実施しております。学生視点で業界の魅力を掘り下げ発信していきます。
取材へのご協力やお声がけ、ぜひお待ちしております。


2025.1.9
KEN IMAMURA(INTERVIEWER)


【Keio Fashion Creator 関連リンク】

 ● IG : @keio_fashioncreator

 ● Twitter : @keio _fc

 ● HP : keiofashioncreator.com

【瀧定名古屋株式会社 関連リンク】










いいなと思ったら応援しよう!