【コラム】本当の「取説」が欲しい〜タイの僧侶編〜
私も大好きな国、タイ(Thailand)🇹🇭
「微笑みの国」と言うだけあって、とにかく皆さん物腰が柔らかい♡
タイ語の発音や発声でそう聞こえるのか?
性別関係なく、これまで出会った方々は皆さん、柔らかい雰囲気と笑顔が多いのが特徴でした。
タイ料理も大好き!!!
日本でもお馴染みの、トムヤムクンやグリーンカレー、パッタイやプーパッポンカレー(ソフトシェルクラブのカレー)、ヤムウンセン(春雨サラダ)…
ローカル屋台フードも、恐る恐る挑戦するワクワク感がたまりません😍
「これ、何の葉っぱ〜〜?」
「これ、何のお肉〜〜?」
「うゎぉっ!辛っっっ!!!」
こんな体験は、日本では滅多にできません☺️笑
実は、私の国際線初ステイも、タイのバンコクでした✈️
珍しく、同期2人と一緒にフライトできた嬉しさと、初めての中距離国際線フライトに心が折れかけた複雑な感情と時間が懐かしい!笑
元々、東南アジアが大好きだった私は、国際線の訓練を受けている段階から、バンコクやジャカルタ(インドネシア)路線に乗務することが楽しみでした。
そんな訓練の中でも教えてもらう「異文化理解」。
カリキュラム冒頭で出される事例が、「オレンジの袈裟を身に纏った僧侶」についてです。
最近では、朝の「托鉢(たくはつ)」に、食糧などを施すツアーもある程、タイを代表する光景の一つにもなっています。
そんなタイの僧侶。
訓練で最初に言われることが、
「オレンジの袈裟を身に纏った僧侶の方は、女性が触れると、それまでの修行が無になるので、絶対に触れてはいけません。」
ええぇぇぇぇぇぇぇぇえぇぇぇ!!!???
私が触ったら、数十年積んできた徳や修行がなくなる!!!????
実は祖父が日蓮宗の僧侶だった私。
幼い頃から、祖父母の家に遊びに行くと、早朝から祖父がお経をあげていて、香のかおり、簡単な法事所作などは慣れ親しんでいました。
それなのに…
おじいちゃん…そ、そ、そんなこと聞いてないよーー💦
(ちなみに、祖母はクリスチャンです♡アーメン)
そんな私は、初めてのバンコク線乗務までに、「タイの僧侶対策」と称し、
あらゆるNG行動や所作を調べ、いつ僧侶の方々がご搭乗になっても大丈夫なようにしていました✍️笑
例えば…
何かを手渡す際には、直接お渡しするのではなく、トレーや紙などに載せてお渡しする。
⇨OK!咄嗟の時は、機内誌や新聞を使おう!!
間違っても、頭を撫でてはいけない!お子様は特に注意!!
⇨OK!お子様が目の前に来たら、そのお子様よりも低くかがもう!!
そんなこんなで数回フライトを重ね、ついにその時が…
オレンジの袈裟を身に纏った僧侶の団体がご搭乗になりました!!!
(自称)準備万端の髙橋はその日、エコノミークラスの担当。
僧侶の皆様もエコノミークラスにご搭乗。
「よっしゃー!本領発揮じゃ〜〜〜」と、肩をぶん回す勢いで客席を見ると…
御一行のお一人のお席が、女性客の隣にアサインされていることに気付き、咄嗟にお席の変更を提案しに行く髙橋。
しかし、「必要ありません☺️」と僧侶に微笑まれて、そのまま着席。
んんん?
ミール配布の際、手渡しはダメだ!と誓い、メニューのチョイスもメニュー表を指差しで伝えてもらい、テーブルにそのミールを置く髙橋。
「ありがとう☺️」と微笑みをもらう。
あ…これはそれでいいのね。
入国書類を配布する際も手渡しはダメ!と再び誓い、座席ポケットにある機内誌に載せてお渡ししようとする髙橋。
察した僧侶は「必要ありません☺️」と、直接受け取る。
あわわわわわ。
とにかく、正解が分からない。
本当の取説が欲しいよ、おじいちゃん。
※祖父はすでに御仏のもとに逝っております。
共通していたこと。
それは、とにかく微笑んでくれました。
☺️
タイの電車では、「僧侶専用席」が設置される電車があったり、
乗り合いタクシーでは僧侶と別のものに乗るなど、
国民がその文化を尊重する様子や場面に多く遭遇します。
「観光目的」ではないかもしれませんが、修行や総会などで日本にお越しになる僧侶の方も多くいらっしゃいます。
やはり、どのような場面でも、相手そのものや相手の文化を尊重することは、お互いに大切なことですよね。
少し冗談ぽく書きましたが、おそらく私が乗務したフライトへご搭乗になった僧侶の方々も、日系の航空会社を利用することを前提に、我々日本人の文化を尊重して「必要ありません☺️」と仰ってくださったのだと思います。
お互いそれぞれの文化を譲らないのではなく、譲歩できるところは歩み寄ることが、「心遣い」や「ホスピタリティ」の入り口です。
それが行動レベルに浸透するには、まずは相手を知らなければ何も始まりません。
自分の文化を分かりやすく伝える努力をする前に、
相手の文化を知ることの方が、
遠回りなようで、一番の近道なのかもしれませんね✨