ATX電源の容量の算出方法簡易版
ビデオカードやCPUを交換したいときや新しくPCを組むときに、TDPや消費電力のカタログスペックからからざっくりとした電源容量を求める方法。
※ 以下の方法で電源容量見積もって動かなかった。あるいは部品が壊れたと言われても私は補償しません。以下はあくまでも簡易版ですので、自己責任、こういうやり方もあるんだなという参考情報にとどめておく様にお願いします。
1.CPUとGPUの消費電流を求める。
2.ふたつの合計消費電流を求める。
3.マージン(1.5~2倍程度)を決める
4.その消費電流をまかなえる容量を持った電源を選ぶ。
Core i7 9700F、GeForceRTX2070のシステムの例、マージンを1.8倍に設定する場合:
9700FのTDPが65W、RTX2070の消費電力が175Wなので、それぞれの消費電流を求めると、
9700F:6.8A( 65÷0.8÷12)
RTX2070:14.6A(175÷12)
なので足して21.4A 。1.8倍のマージンをもたせると合計消費電流は38.5A(21.4x1.8)。
ここでATX電源のスペック表から+12Vの消費電流が38.5以上のものを選ぶ。
(SSDではなくHDDやOptドライブを使用するときはその分を加算する)
電源によっては+12Vが4つくらいに分かれていて消費電流値が違うものがある。その場合はCPUラインが12.3AかつPCIeラインが26.3A以上のものを選定する。(どのラインがCPUかPCIeか記載がない場合が多いと思うので、その場合は最低が26.3A以上のものを選ぶ)。
大体12Vが40Aまで引っ張れる電源は600~700Wクラスになると思います。
ちなみに、PCではなく一般的な電子機器も同じように電源ブロックの電流容量を見積もっています。
各SoCやロジックIC、フラッシュ、BDレコーダだったらHDDやドライブやチューナーなどの各電圧ラインの消費電流を計算し、電源ブロックを設計します。
上記にあるCPUの”÷0.8”とは?
この0.8という数値は、Intelの熱設計ガイドラインで「最大消費電力の0.8倍をTDPとして設計してください」というもの。なので公開されているTDPを0.8で除算して最大消費電力を求めている(さらに12で除算して消費電流を求める)。なのでPrescottはシャレになりませんでした。最近はTuringがシャレになってませんね。
5V/3.3Vの消費電流値は?
CPUやGPUにくらべれば微々たるもの。12Vラインの電流容量が上がればつられて5V/3.3Vも上がることが多いので、700Wクラスだったらよほどのことが無い限り考慮しなくて良いと思います。
重要なことなのでもう一度。動かなかった。あるいは部品が壊れたと言われても私は補償しません。あくまでも簡易版ですので、自己責任、こういうやり方もあるんだなという参考情報にとどめておく様にお願いします。
このマージンを考慮しないでATX電源を売りつける某ポンコツ営業がいてだな。しかも産業用。Oねば良いのにと思った。