商品がお店に並ぶまで その3-2.詳細設計

前回は基本設計について書きましたが、詳細設計について書きたいと思います。詳細設計とは、実際に図面に落とし込むこといえばピンとくるかと思います。現物は図面を元に作られますので。

電気ブロックなら回路設計、基板設計
機構ブロックなら3面図
ソフトブロックならソースコードなど。

電気設計なら、以下を考慮して回路にします。
1.ブロック図からICや部品のそれぞれの繋がり
2.インターフェース毎に必要なリファレンス回路
3.基板で配線しやすい接続、部品配置
4.ノイズを考慮した細かい部品選定
5.信号のI/Oレベルの考慮
6.LEDの明るさ
7.電源の効率

など、簡単に解説すると、

1.単純に線をつなぐだけならいいのですが、部品によっては電流値が制限されているものがありますので、ダンピング抵抗等で調整することが必要。など。

2.I2Cのように、Lの時に論理変化するやつは3.3Vとかでプルアップしとけ、などのリファレンス回路通りに設計する必要がある。

3.信号が層を上に行ったり下にいったり何度も上下させないような配置。

4.電源ラインにパスコンを置いて安定した電源を供給。ロジックICは供給電圧によってI/Oレベルが変わってしまうので。

5.5Vロジックと3.3Vロジックをつなぐ時にトランジスタ等のレベルシフタを挟んだり。

6.データシートから電流制限抵抗の定数設計。

7.なるべくロスらないように。


回路ができたら実際に基板を作るためにアートワーク:基板上の配線設計をします。基板設計者は回路設計図や指示を元に配線を行います。

1.部品実装しやすい配置
2.妨害ノイズを発生させにくい、影響しにくい配線
3.アナログとデジタルのGNDの考慮
4.配線が層をなるべくまたがないようにする配線
など。

回路設計者は細かい配線指示や、配線以外の基板に印刷する内容にも指示を出します。
・等長配線やGNDサンドイッチ等の実際の配線、
・ICのあんよの実装に必要なパッドやレジスト面積
・基板上に印刷する部品番号やRef番(C13とかの部品と番号を示した番号)などのシルク内容、
・リフローの方向指示シルク
など。

ちなみに、基板の外形は機構設計者がだします。


基板設計者は回路を勝手に変更できません。向きすら修正できません。修正したい場合は回路設計者にお願いすることになります。

なぜかと言うと、回路設計用CADのデータを基板設計用CADに使うため、回路設計者の修正がないとアートワークの修正を行うことができません。
(CADができる前はできたと思いますけど、配線できね! と文句が来ていたと思われます。)

回路、基板設計は理論よりも実践、経験がものを言うかもしれません。

電気系の理論は色々ありますが、私自身はオームの法則、トランジスタの基本動作、電波工学をよく使ってました。その上で、諸先輩方々の経験談やノウハウを展開して設計してました。特に使ったのがオームの法則と電波工学かと。オームの法則は電圧電流抵抗:負荷計算、電波工学はEMI対策に使ってました。

電気はここまで。

機構設計はデザイン画からプラモデルみたいなパーツ化を行って、必要強度から肉厚設計やリブ配置をしたりします。細かいことは有識者に。

ソフトはまだ試作機が来ないので、似たような基板を使って基礎動作とかをやります。

ここで、どうしてもサンプルができるまでの時間やサンプルの数量によってズレが生じます。これはどうしてもできてしまうので、基板を先行で作ってバラックと言われる基板だけで動作させてソフト屋さんとか必要なところに試作品を配布します。

このあたりでそろそろ取説の初版ができてきます。

このあたりのズレの埋め方とかについて以下次回。


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