【深い社会】17 アイデアだけで世界は変わらない
みなさん、アニメは好きですか。
もちろん、私も好きです。
日本の映画興収10位を見ると、なんと7つがアニメ。
https://www.kogyotsushin.com/archives/alltime/
どれだけアニメが好きなんでしょう。
さて、この前、家族と江ノ電にのって江ノ島に言ったんですが、
途中、なんのことはない踏切に大量の外国人がいたんです。
https://www.kanaloco.jp/news/social/article-997894.html
みんな、江ノ電を見ながら写真を撮ってます。
この人たち、いったい何者?
イノベーションという概念を生み出したシュンペーター。
学会からはほぼ無視をされ続けたのですが、
その考えを継承した人物がいました。
シュンペーターが経済学を教わったのが、アドルフ・ドラッカー。
もともと官僚でしたがウィーン大学で経済を教えていました。
そして、その子供の名前が、あの、ピーター・ドラッカー。
ドラッカー
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%94%E3%83%BC%E3%82%BF%E3%83%BC%E3%83%BB%E3%83%89%E3%83%A9%E3%83%83%E3%82%AB%E3%83%BC
ドラッカーはシュンペーターの考えを受け継ぎ、
さらにイノベーションについて考えを深めます。
ドラッカーはとても日本びいきの人で、その書籍を読むととても恥ずかしくなります。そして、内容も面白い。
さて、ドラッカーはイノベーションは「アイデアではない」と言っています。
むしろ「道具」だと言うんですね。
顧客や社会を変化させる道具です。
シュンペーターが社会が変わるのはイノベーションのためだ、
と因果関係としてとらえたのに対し、
ドラッカーは人為的にイノベーションを起こすのが企業家である、
と一歩進めた提案をしたんです。
さて、ドラッカーはイノベーションを起こすのに7つの機会を提案しています。
1 予期せぬ成功と失敗を利用する
ねらっていたのとは違う広まり方をするってことはよくあります。
でも、それを肯定的にとらえた方がいい。
「古くなったTVアニメ、もったいないから安く売っちゃおう」
「あれ、めっちゃうけてる。なぜ?」
2 ギャップを探す
業績や認識、価値観、プロセスなど目を凝らすと、何らかのギャップが必ずあります。
そこにチャンスがあります。
「ヨーロッパのアニメと言えば、子供向け。アニメは子供が見るもんです。
大人は・・・見ないよね?」
3 ニーズを見つける
「必要は発明の母」何が必要とされているかを見極めることは重要です。
「TV局で流すコンテンツがない。じゃ、アニメでも買う?安く売るよ。」
4 産業構造の変化を知る
その企業で毛ではなくて、産業全体を見渡します。
かならず不安定な要素があるはず。変化を察知します。
「家電製品、特にTVが普及してみんなTVを見るようになったぞ。
そう、子どもも。」
5 人口構造の変化に着目する
最も信頼できる統計が人口増減。人口の変化はニーズの変化でもあります。
「大戦が終わって、人口が増えてきた。特に子供が増えてきたぞ。」
6 認識の変化をとらえる
コップに水が半分は言っていると取るか、コップが半分、空ととるか。
ものの見方の違いにすぎませんが、そこにこそニーズがあります。
「日本のアニメなんて受けるわけない。・・もしかしたら日本のアニメだからこそいい?」
7 新しい知識を活用する
もちろん、新しいアイデアがもっとも大きなチャンスを生みます。
ただ、受けるか受けないかが曖昧過ぎて、よめない!
「ロボットアニメ作ったぞ、日本では受けたけど・・・まさか、外国ではうけないよね?」
この「7つの機会」はあくまでものの見方に過ぎず、重複するものもあります。
大きな変化を見つけるための窓のようなものだ、とドラッカーは言います。
でもこれ、身に着けたらいろいろなことに当てはまりそうで、
なんだかワクワクしませんか。
さて、日本のアニメは日本での放映が終わると、再利用目的で世界に格安で輸出されます。
どちらかというと大手ではないTV局は放映するコンテンツを求めていたため、
日本のアニメをそのまま流したり改変したりして流しました。
ちょっとぐらい変えても、気にしない。
日本の制作会社はそもそもそれほど海外に興味がなかったのでおかまいなしです。
ところが、そのアニメを見た子供たちが育ってくると、
大人になっても見続けたのです。
まったく採算が取れなかったアニメの輸出が、莫大な購買層を育てていたんです。
もはや、世界のアニメ市場は日本と同じほどになりました。
さらに、コロナによる巣ごもり需要で、さらに、ニーズは増えました。
日本で採算が取れなくても海外で帳尻が会う、ということが起きるようになりました。
江ノ電に集まっていた外国人もそんなアニメファンの人々。
アニメ「スラムダンク」の中に、この踏切が出てくるんですね。
子どもの頃見たアニメの聖地を見てみたい、とたくさんの外国人が観光に来ています。
そんなイノベーション、教育の世界でも起きないものですかね。
え?起こせ!?
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